レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年1月23日
- 登録日時
- 2021/08/27 17:39
- 更新日時
- 2021/09/01 09:08
- 管理番号
- 県立長野-18-143
- 質問
-
解決
木曽地域及び木曽駒ケ岳におけるライチョウの生息状況を記載した資料はあるか。
- 回答
-
以下の資料に記載がある。
<雷鳥分布・生息数>
・『雷鳥』 矢澤米三郎著 岩波書店 1929 【N488/4】
p.31に分布として西駒ヶ岳、御岳の記載がある。
なお、同じ文章が『全集 日本野鳥記12』 講談社 1986 【488.21/ゼン/12】のp.256-283に「雷鳥」
矢沢米三郎著で所収されている。
・矢澤米三郎「日本アルプスに於ける鳥類」『信濃教育』第566号 1933.12 p.4-11
p.6に雷鳥の棲息地として御岳・駒ヶ岳連峰の記載がある。
・中村浩志「適応・進化―ライチョウがたどってきた道」『山と渓谷』No.784 山と渓谷社 2000.11
p.168-170 信州大学教授の故羽田健三氏が1961年(昭和36年)から1985年(昭和60年)まで行っ
た調査結果で、絶滅した山岳として「中央アルプスには、今から35年前の1965年ごろまでライチョウが
棲息していたが、その後、絶滅している。原因は、駒ガ岳にロープウェーを架けたことで、わずか数年
でいなくなったとされている。」との記載がある。
上記の調査結果としてp.170に図2で「日本におけるライチョウの棲息山岳と推定棲息数」が掲載さ
れており、御嶽山125との記載がある。
・『ライチョウを絶滅から守る!』中村浩志・小林篤著 しなのき書房 2018【N498/89】
p.33-35 1985年調査結果として「図1ライチョウが分布するおもな山岳と推定繁殖つがい数」の掲載
があり、御嶽山50とある。
<目撃情報>
・『長野県鳥類目録2』 日本野鳥の会長野支部編・発行 1991 【N488/23/2】
p.49
1984年5月30日 御岳摩利支天の肩 採餌中 ♂1 ♀1羽
1986年7月29日 御岳山 三ノ池近くを移動 ♂1 ♀1羽
・『長野県鳥類目録3』 日本野鳥の会長野支部編・発行 2000 【N488/23/3】
p.24
1996年7月28日 御嶽山五の池西 採食しながら歩行する ♀1 雛1羽
1996年7月28日 御嶽山五の池北 採食しながら歩行する ♀1 雛5羽
<新聞>
・『信濃毎日新聞』1937年(昭和12年) 7月24日 朝刊4面
「霊山・木曽御岳の夜明けをマイクに―ご来光参拝とライチョウの鳴き声を」
・『信濃毎日新聞』1937年(昭和12年) 7月25日 夕刊2面
「霊山・木曽御岳の夜明けをマイクに―ライチョウの鳴き声はここから 今朝、御岳山の実況放送」
・『信濃毎日新聞』1968年(昭和43年) 6月25日 夕刊1面
「自然の主役たち―信州の動植物(100)」
ライチョウの分布に関して「日本のライチョウ分布図をみると、生息範囲は、北ア、中ア、南ア
と長野県とその外縁部に限られる」とあるが、分布図の掲載はなく、個々の山名の記載もなかった。
・『信濃毎日新聞』1985年(昭和60年) 10月3日 朝刊1面
「新しなの動物記94 いまライチョウは①」
生息の実態として御岳に125羽との記載があります。
・『信濃毎日新聞』2002年(平成14年) 4月18日 朝刊30面
「御岳山のライチョウ30年前と同数だが…」
中部森林管理局調べでカラスなどによるひなの被害も判明し、「ライチョウを取り巻く環境は必
ずしも良好といえない」との記載がある。
・『信濃毎日新聞』2007年(平成19年) 12月15日 朝刊34面
「ライチョウ20年余で4割減」
信大の中村教授らが全国調査した結果が図表により掲載されている。それによる実地調査で御岳山
の個体数が125から50羽となっている。
・『読売新聞』2009年(平成21年) 4月25日 朝刊31面
「御嶽山のライチョウ初の生息環境調査」
中部森林管理局が生息環境調査を行なうとあり、2000年度から生息数調査を行ってきたが、生息
環境に関する調査は今回が初めてで、約50羽のライチョウが生息しているとの内容の記載がある。
・『信濃毎日新聞』2010年(平成22年) 3月2日 朝刊21面
「御岳山30 ライチョウを知る」
信大の中村教授によると1981年(昭和56年)に御岳山で50カ所のライチョウの縄張りが2008年
には28カ所の確認となっており、つかめぬ生態と絶滅懸念がされているとの内容の掲載がある。
・『読売新聞』2016年(平成28年) 3月19日 朝刊33面
「県、御嶽山で生息調査へ 6月以降、噴火の影響確認へ」
岐阜県と協力してニホンライチョウの生息調査を実施するとあり、2014年9月の噴火以前の2011
年度の調査では、推定108羽が生息するとしていたとの記載がある。
・『信濃毎日新聞』2016年(平成28年 )5月21日 朝刊1面
「御岳山でライチョウ確認」
2014年(平成26年)9月の噴火以降の初めての調査で、ライチョウの生息調査を前に予備調査が
王滝村であり、10羽を確認したとある。
なお、同日付け朝刊29面(長野版)の『読売新聞』に同じ掲載がある。
・『信濃毎日新聞』2016年(平成28年) 6月6日 朝刊26面
「岐阜側ライチョウ16羽確認」
御嶽山での生息状況調査で岐阜県は、16羽の生息を確認し、2014年の噴火災害による大きな影響
は見られなかった。との内容の掲載がある。
なお、同年6月21日 朝刊25面(岐阜県 地方面)の『朝日新聞』、同日付け16面(長野版)の
『中日新聞』にも同じ掲載がある。
・『信濃毎日新聞』2016年(平成28年) 6月21日 朝刊31面
「火山と生きる」
山頂一帯のライチョウ生息調査で御嶽山噴火の影響が少なく、縄張りの数に大きな変化が見られ
ないとあり、岐阜県側も含めた御嶽山一帯の縄張り数は、1981年(昭和56年)が50ヵ所、95年が
35ヵ所、08年が30ヵ所との掲載がある。
なお、同日付け朝刊31面(長野版)の『読売新聞』に「噴火大きな影響なし」の見出しで同じ内
容の掲載がある。
・『朝日新聞』2016年(平成28年) 10月17日 朝刊23面(長野東北信)
「御嶽の調査など報告に聴き入る ライチョウサミット閉幕/長野県」
16日に、大町市で開催中の「ライチョウサミット(第17回ライチョウ会議長野大会)」で、研究
者による専門会議があり、中村浩志・信大名誉教授が、今年6月から9月にかけて御嶽山で実施した
ライチョウの生息状況などの報告があった、との内容の掲載がある。
なお、同日付け14面(長野版)の『中日新聞』にも同じ掲載がある。
- 回答プロセス
-
1 郷土分類N488(鳥類)の書棚で、調査する。
2 CiNii Articles,NDLサーチ等で雑誌記事を「ライチョウ」で検索し、木曽地域、木曽駒ケ岳に関するものを探す。
3 当館契約の「信濃毎日新聞データベース」を「ライチョウ」で検索し、関係記事を探す。
<調査資料>
『日本アルプス登山案内』矢澤米三郎・河野齢蔵共著 岩波書店 1922【N292/94A】
- 事前調査事項
- NDC
-
- 鳥類 (488 10版)
- 日本 (291 10版)
- 参考資料
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矢沢 米三郎/著 , 矢沢 米三郎 , 矢沢 米三郎. 雷鳥. 岩波書店.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059277792-00 (【N488/4】) -
中村浩志, 小林篤 著 , 中村, 浩志, 1947- , 小林, 篤, 1987-. ライチョウを絶滅から守る!. しなのき書房, 2018.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I029184545-00 , ISBN 9784903002583 (【N498/89】) -
中村 浩志 , 中村 浩志. 適応・進化--ライチョウがたどってきた道. 2000-11. (特別企画 ライチョウのすべて) 山と渓谷 (784) p. 168~170
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I5540697-00
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矢沢 米三郎/著 , 矢沢 米三郎 , 矢沢 米三郎. 雷鳥. 岩波書店.
- キーワード
-
- ライチョウ
- 木曽駒ケ岳
- 生息域
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000303783