レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/03/19
- 登録日時
- 2017/04/27 00:30
- 更新日時
- 2017/05/15 14:43
- 管理番号
- 6000032561
- 質問
-
解決
「どら焼き」と「みかさ」は同じお菓子なのか。また、同じものであるなら呼び名の違いは地方による差異なのか知りたい。
- 回答
-
「どら焼き」と「三笠山」は同じとしている本もあるが、皮が片面焼きだったどら焼きに対して、両面焼きにしたものを「三笠山」という説や、皮の厚さ、皮のふちがくっついているかどうかに違いがあるという記載もある。
二つの菓子はともに同じ東京の「梅花亭」が創案したものと言われる。名称の差が地域性によるものという記載は見当たらなかった。
- 回答プロセス
-
▽菓子(596)の棚で辞典を検索し、ひく。
●『和菓子の辞典』奥山 益朗 編/東京堂出版/1983/588.3
→「どら焼」の項目あり。「小麦粉、砂糖、鶏卵を混ぜて水で溶き、鉄板に垂らして円形の皮をつくる。小豆粒餡を二枚の皮ではさみ、軽く押さえる。「三笠山」も同じ」とある。
「三笠山」も項目あり。こちらには「どら焼」と同じであるが、二枚の皮の縁が互いにくっつくようにつくってあることが多い」とある。
●『菓子 新・食品事典 10』河野 友美 編/真珠書院/1991/596.6
→「どら焼き」の項目あり。どら焼きの創案は、明治初期の日本橋大伝馬町の梅花亭であるといわれる、とあり、また、「今日、「三笠山」と銘うって売っているのは、やはりどら焼きの一種で、これも始祖は梅花亭である」とある。「どら焼き」と「三笠山」はともに同じ店で作られた商品で名称が地域性を反映しているものではないようである。
●『菓子 由来と味い方』守安 正 著/ダヴィッド社/1957/596.6
→銘菓巡礼の章に「三笠山」の項目あり(P.200)。「卵黄と砂糖と小麦粉と重曹をよく篩って混和した種を稍々薄く溶き、温かくした平鍋の上に垂らして片面だけを焼き」あんこを挟んだどら焼きが、「その後、内側の生(なま)が非衛生的だとし監督当局からお目玉を頂戴して、両面焼きになったこの種類の高級品の一つが梅花亭の「三笠山」だった」とある。また、挟んだのは緑色の鶯餡だった。
▽衣食住の風俗(383.6)の棚で食品の起源を検索し、ひく。
●『たべもの起源事典 日本編』岡田 哲 著/筑摩書房/2013/383.8
→「どらやき」の項目あり。「明治初期に、東京日本橋大伝馬町の梅花亭の森田清は、初めて丸形のどら焼きを創作する。銅鑼の形のあんに、薄く衣を付けて皮を焼く。1914年に
東京上野黒門町のうさぎやで、編笠焼きが創作され、今日のどら焼きができる。網笠焼きより皮を厚くしたのが三笠山である」とある。
「三笠山」の項目もあり。「どら焼きともいう」とある。皮の「片面を焼き」作ると記載あり。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 食品工業 (588)
- 食品.料理 (596)
- 衣食住の習俗 (383)
- 参考資料
-
- 『和菓子の辞典』奥山 益朗/編(東京堂出版) (P.253、P.327~328)
- 『菓子』河野 友美/編(真珠書院) (P.164)
- 『たべもの起源事典日本編』岡田 哲/著(筑摩書房) (P.509、P688~689)
- 『菓子』守安 正/著(ダヴィッド社) (P.200)
- キーワード
-
- どら焼き(ドラヤキ)
- 三笠山(ミカサヤマ)
- 和菓子(ワガシ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000215401