レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年02月18日
- 登録日時
- 2015/02/18 11:18
- 更新日時
- 2015/05/20 10:38
- 管理番号
- 国士26001
- 質問
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解決
幕末軍艦咸臨丸の写真、図面など艦形がわかるものを探している。できるだけ詳細なものが見たい。
- 回答
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現在のところ、明確な咸臨丸の写真は発見されていない。絵図が数点知られ、模型も製作されていた。また公式設計図が非公開ながら日本に存在する。
絵図、模型の掲載資料、ネット上HPを紹介。(設計図は申請すれば閲覧可能とのことだったが所蔵先が北海道の為、依頼者は閲覧は断念。)
絵図、模型でとりあえず満足とのことにて、回答終了。
- 回答プロセス
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OPAC検索で所蔵する関連資料を検索「咸臨丸」で何点かhit したが船に関するものは
文倉平次郎.幕末軍艦咸臨丸.巌松堂1938.のみ。
内容を確認すると、図面、写真はなく、描かれたものの写真が3点掲載されていた。
p.138第23図「海舟戯墨の咸臨丸」p.485第63図「海軍館の咸臨丸油絵」p.498第68図「難航の咸臨丸」いずれも絵画であり、引用が小さい為、参考にならない。
第68図「難航の咸臨丸」は乗組員だった鈴藤勇次郎作で、1960年に発行された日米修好通商条約百年記念切手の図案に採用された有名な絵画である。図としての信頼性は高いと思われるが、絵画であり引きの構図であるため咸臨丸の細部を調査するものとしての利用は難しい。(現在、横浜開港資料館蔵)
軍艦であるため、軍艦史に視点でアプローチし、
写真日本海軍全艦艇史 下巻. ベストセラーズ , 1994.12
をあたる。
p.876
慶応4年4~8月に品川沖で撮影された遠景に咸臨丸と推定の艦が写っている。またオランダにて確認された総帆図の原図が掲載。共に掲載は大きくなくまた数値などの記載はない。
CiNii Books にて「咸臨丸」を検索。165件 hit この内、
幕末の蒸気軍艦咸臨丸(船の科学館資料ガイド7).日本海事科学振興財団船の科学館, 2007.1
が適当と判断しさらに
日本財団と船の科学館のHPを確認
日本財団HP(電子図書館)にて目次、表紙がわかった。
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2006/00350/mokuji.htm
同ブログ・マガジン
http://blog.canpan.info/koho/archive/106
内容が確認できなかったため詳細は分からなかったが、
「汽走時の精密側面イラスト」「ボイラ」「内部精密解剖図」「蒸気機関」「帆走時の精密側面イラスト」などの掲載があるとされ、現在咸臨丸について最も詳しい資料であると思われる。
同書は一般市販されておらず、船の科学館において直販のみ。安価の為購入方法を案内。
船の科学館HP
http://www.funenokagakukan.or.jp/sc_01/mini_tosyo.html
さらに船の科学館に展示されている1/50の模型はオランダに残されていた同艦の図面をもとに、オランダで制作されたものとあり、図面が存在することがわかった。
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/00033/contents/034.htm
Magazine plus にて「咸臨丸」を検索.98件 hit その内
日本海事広報協会「ラ・メール」2010年11・12月号 特集・咸臨丸太平洋横断150周年
が適当と判断し発行所を検索。
日本海事広報協会HP
http://www.kaijipr.or.jp/template_pdf1/upload/1298685143_1.pdf
http://www.kaijipr.or.jp/cgi-bin/news/news.cgi?cmd=v&id=1287630771
HPによるとカラー・咸臨丸の精密側面イラスト、カラー・咸臨丸内部精密解剖図などが掲載されていることが分かった。
過去の調査事例で「北海道新聞」2006.9.16に記事によると、咸臨丸の研究者が1989年オランダにて造船会社、機関のメーカーなどから発見した設計図をコピーし持ち帰り、さらにそれのコピーを咸臨丸が沈没した北海道木古内町に寄贈の予定と有りとなっている。
、内容は船体の骨組みや船室構造、全景などの8枚。1枚の大きさは1畳程の大きさという。
北海道木古内町教育委員会生涯学習課社会教育係に確認したところ、確かに寄贈され保管中とのこと。但し公開はしておらず、閲覧については寄贈者の了解が必要なため、社会教育係へ事前に申込をしてほしいとのこと。
北海道新聞から日本国内にある咸臨丸の設計図は、研究者と木古内町所蔵との2点のみと思われる。
北海道まで行くことができないとのことで、先の通りと「幕末の蒸気軍艦咸臨丸」を所蔵館を案内。
北海島木古内町観光協会HP に「難航の咸臨丸」図、幕末の蒸気軍艦咸臨丸(船の科学館資料ガイド7)掲載の内部精密解剖図、咸臨丸の設計図があり、
http://kikonai-kankou.net/kanrinrekishi001.html
参考にインターネットで、「咸臨丸・模型」で検索する。
株式会社ウディジョー より1/75の模型が発売
http://www.woodyjoe.com/catalog/75kanrinmaru.html
海上自衛隊佐世保地方隊佐世保資料館に1/00の模型展示
http://www.mod.go.jp/msdf/sasebo/5_museum/12_kanrin/
- 事前調査事項
- NDC
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- 各種の船舶.艦艇 (556 9版)
- 参考資料
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- 写真日本海軍全艦艇史 , ISBN 9784584170540 (下巻)
- 幕末の蒸気軍艦咸臨丸(船の科学館資料ガイド7) (咸臨丸 : 幕末の蒸気軍艦)
- 幕末軍艦咸臨丸 (1938年発行)
- キーワード
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- 幕末
- 軍艦
- 咸臨丸
- 設計図
- 照会先
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- 日本財団船の科学館
- 北海道木古内町教育委員会生涯学習課社会教育係
- 寄与者
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- 北海道木古内町教育委員会生涯学習課社会教育係
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000167818