レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20190913
- 登録日時
- 2022/02/25 15:51
- 更新日時
- 2022/12/23 14:20
- 管理番号
- R00-327
- 質問
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モーツァルト作曲《戴冠式ミサK.317》に、サリエリがヴィオラとフルートのパートを追加した版があると聞いた(典拠不明)。プラハでの戴冠式に使用した楽譜には、パートの追加だけでなくサリエリによる自筆のメモ等も残っているらしい。その楽譜を見たい。
- 回答
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サリエリがヴィオラとフルートのパートを追加したかどうかについては不明。
ヴィオラとフルートのパートを追加した楽譜は、モーツァルトの作品目録によりウィーン楽友協会が所蔵していることがわかった。
- 回答プロセス
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1.モーツァルトの作品カタログで確認。
ヴィオラとフルートが追加された編成による筆写スコアの記載あり。しかし、これらの楽器を追加したのはトレーク(ヨハン・トレーク Johann Traeg、オーストリアの楽譜出版社)ではないかという推測。サリエリに関する指摘はない。
この筆写譜は、ウィーンの楽友協会が「I 11527」として所蔵している。
2.RISM OPAC
ウィーン楽友協会の所蔵確認できず。
3.サリエリについて確認
所蔵している『サリエリ 生涯と作品』では、p.183に
レオポルト2世のプラハでの戴冠式に、サリエリがモーツァルトのミサ曲3曲(K.258、317、337)の楽譜を持参し、サリエリの指揮でK.337が演奏された、との記載あり。加筆に関する記載はない。
4.モーツァルトに関連する事典類で確認
記載なし。
5.モーツァルト新全集の該当する校訂報告を確認。
K.317・・・楽友協会所蔵の版についての記載なし。
K.337について・・サリエリの手の入ったスコアについての記載あり。
6.ウィーン楽友協会の所蔵を確認
https://www.katalog.a-wgm.at/ (2022.3.7 確認)
「11527」で検索してヒットしたが、詳しい楽器編成は不明。
- 事前調査事項
- NDC
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- 宗教音楽.聖楽 (765 9版)
- 参考資料
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- Chronologisch-thematisches Verzeichnis sämtlicher Tonwerke Wolfgang Amadé Mozarts : nebst Angabe der verlorengegangenen, angefangenen, von fremder Hand bearbeiteten, zweifelhaften und unterschobenen Kompositionen. Köchel, Ludwig Ritter von. 8., unveränderte Aufl., Breitkopf & Härtel, 1983. (S12-527) [参Mozart||作品カタログ]
- サリエーリ : 生涯と作品 : モーツァルトに消された宮廷楽長. 水谷彰良著. 新版, 復刊ドットコム, 2019. (WR07-981)
- Messen. Senn, Walter. Bärenreiter-Verlag, 1977-, Bd.4, (Neue Mozart-Ausgabe, kritischer Bericht, Ser. 1, Werkgruppe 1, Abt. 1) (B10-423)
- キーワード
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- モーツァルト Mozart
- K.317
- 戴冠式ミサ曲 Krönungs-Messe
- 楽譜
- サリエリ Salieri
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000312603