レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年11月20日
- 登録日時
- 2016/01/14 15:54
- 更新日時
- 2017/05/25 11:19
- 管理番号
- wul-20151120-00
- 質問
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以下の筋書きのディストピア小説のタイトルを知りたい。以前、早稲田大学中央図書館2階の英米文学の棚付近で見かけた。
「人口増加問題に対応するため人類は同性婚の推奨に踏み切った。そんな中で異性婚をした主人公(男)は周囲から白眼視される。それとは正反対に彼の兄は立派な同性愛者として周囲の尊敬を一身に集めていた。しかしある日、主人公は自分の妻と立派な同性愛者であるはずの兄の不倫を知ってしまう。」
- 回答
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Anthony Burgessの『見込みない種子』だと思われる。当該図書の訳者あとがきの記載内容が、質問の筋書きとほぼ一致している。チャールズ・ボーモントの短編「変態者」やジョー・ホールドマン『終りなき戦い(The forever war)』も同性愛を推奨している世界観ではあるが、不倫の筋書きが含まれておらず、別物であると考えられる。なお、本の内容からタイトルを特定するための資料としては、早稲田大学の契約データベース「日外e-レファレンス・ライブラリー」所収の「翻訳小説全情報」や、早稲田大学図書館所蔵の『耽美小説・ゲイ文学ブックガイド』のような特定のテーマに関して作成された作品リスト、また『Encyclopedia of Homosexuality』等の特定のテーマに関する事典や辞書類があげられる。
- 回答プロセス
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現物を確認した。
- 事前調査事項
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レファレンスインタビュー詳細
(1)所蔵館は早稲田大学中央図書館以外という可能性もあるが、その筋の図書が存在しているのは確かだとのこと。おそらく中央図書館2階一般図書の933や938の棚付近で見かけたとのこと。表紙の色などの記憶はないがかなり古い図書だったと思われる。中央図書館の地下にある研究書庫ではないことは確かである。
(2)日外e-レファレンスライブラリー(翻訳小説全情報)で、キーワード 「同性愛」「同性婚」「人口増加」等々でひとつずつ検索し、出て来る作品をひとつずつ確認してもらった。
→当てはまるものはないとのこと。※抄録の情報が完全でなくほとんど拾えないようだ。
(3)Google検索等からかなり有力な本として以下の2点を案内。実際に現物を確認してもらったが、どちらも違うとのこと。
○見込みない種子 / アントニイ・バージェス 著 ; 斎藤数衛,黒柳久弥 訳
○残酷な童話 / チャールズ・ボウモント 著 ; 仁賀克雄 訳
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 大学院学生
- 登録番号
- 1000187040