レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年12月14日
- 登録日時
- 2016/01/07 15:31
- 更新日時
- 2017/05/25 11:19
- 管理番号
- wul-20151214-00
- 質問
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精神疾患の診断マニュアルであるDSMのⅠ~Ⅲを探している。日本語版がなければ英語版でも構わない。不安障害の項を調べている。
- 回答
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DSMI~IIIは日本語での出版がないようだ。英語版DSM 1st edition(DSM-I)はHathitrustというデジタルライブラリーでPC上での閲覧が可能。英語版DSM 2nd edition(DSM-II)は国内他大学図書館に所蔵を確認。英語版DSM 3rd edition(DSM-III)は、早稲田大学中央図書館に所蔵されている。併せて他大学図書館からの資料の取り寄せを案内。なお、DSMI~IIIに関連した日本語論文や日本語の図書はあることが分かっている。
- 回答プロセス
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(1)早稲田大学図書館所蔵目録(蔵書検索WINE)でDSMに関する図書を検索。DSM-3については、質問者が希望するThe American Psychiatric Association編のものではないが、以下の図書が学内に所蔵されていることを確認した。
○DSM-3による精神病理学ケースブック / R.L.スピッツァー [ほか]著 ;大原健士郎 監訳 ; 石川元,大原浩一
(2)NDL-OPACでDSM1~3に関する日本語図書がないか、検索を行った。論文は複数あるが、3以前はThe American Psychiatric Association編「DSM-Ⅲ精神障害の分類と診断の手引」という図書はあるが、それ以外は出版されていない模様。
(3)WorldCat Localにて、キーワード「DSM」、著者「American Psychiatric Association」で検索。The American Psychiatric AssociationのWEBサイト内にDSM Libraryというページがあり、Ⅰ~Ⅳ-TRまでPDF版が公開されていることを確認した。ただし、購読登録が必要。
(4)CiNii Booksで原著の所蔵館を検索。2nd ed.以降は国内に所蔵館があることを確認。
(5)Hathitrust上で1st ed.は閲覧できる。Hathitrustの「FULL-TEXT」検索から'Diagnostic and StatisticalManual’を検索すると、検索結果の1つ目にヒットし、全文閲覧が可能。
(6)DSM-III, DSM-III-Rは早大中央図書館に所蔵がある。
(7)DSM-IIは、Google検索するとPDF化されたものが見つかるようだ。また邦訳の有無に関しては、おそらくIII-R以降のみということで正しいのだと思うが、念のため心理学(R140)や精神病学(R493.7周辺)の事典類で、DSMの項目を調べてみる方が良いだろう。
(8)DSM-III以前の邦訳版の存在について、『現代精神医学事典』のDSMの項を確認。第1版、第2版については原著の発行年に関する記載があったが、邦訳版については記載なし。おそらくDSM-IIIで導入された方法論の改革が画期的であったため、III-R以降の邦訳版が出版されたが、それ以前の版は翻訳されなかったのではないかと推察される。
(9)DSM-IIのオンライン版について、Mad in Americaのサイトで提供されるPDF版について確認を行い、CiNiiの書誌情報と相違はないことは確認したが、Mad in Americaという団体についての調査が不十分のため、今回の回答には含めず、ILL取り寄せについての案内を行うこととした。
(10)DSM所在調査のまとめ
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DSM-I: Diagnostic and Statistical Manual: Mental Disorders (1952)→英語版 早稲田大学図書館にもCiNiiにもなし。→Worldcat http://www.worldcat.org/oclc/222570871→Hathitrustで見られる。
DSM-II: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 2nd Edition (1968)→英語版 早大図書館にはなし。CiNiiにあり。http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA36474055→Google検索で、PDF化されていると思しきものがヒットする。http://www.madinamerica.com/wp-content/uploads/2015/08/DSM-II.pdfMad in Americaというサイトに掲載されている。
DSM-III: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 3rd Edition (1980)→英語版 http://wine.wul.waseda.ac.jp/record=b1397816~S12*jpn
DSM-III-R: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 3rd Edition—Revised (1987)→英語版 http://wine.wul.waseda.ac.jp/record=b1988591~S12*jpn→邦訳版 http://wine.wul.waseda.ac.jp/record=b1277083~S12*jpn
DSM-IV: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th Edition (1994)→英語版 http://wine.wul.waseda.ac.jp/record=b1659307~S12*jpn→邦訳版 http://wine.wul.waseda.ac.jp/record=b1361848~S12*jpn
DSM-IV-TR: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th Edition (2000)→邦訳版 http://wine.wul.waseda.ac.jp/record=b2978752~S12*jpn
DSM-V(2013)→英語版 http://wine.wul.waseda.ac.jp/record=b4125068~S12*jpn→邦訳版 http://wine.wul.waseda.ac.jp/record=b4310550~S12*jpn
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- 事前調査事項
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・早稲田大学図書館所蔵目録(蔵書検索WINE)
・3Rから5までは早稲田大学所沢図書館に日本語版あり。
・DSMの歴史としては、DSM1、DSM2、DSM3、DSM3-R、DSM4、DSM4-TR、DSM5
・早大所沢図書館にあるものからの推測では、原著はThe American Psychiatric Associationによって執筆されているようだ。日本語版は、医学書院によって出版されていると思われる。
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵機関調査
- 内容種別
- 学内 国内 オープンアクセス
- 質問者区分
- 学部学生
- 登録番号
- 1000186831