レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年11月04日
- 登録日時
- 2015/11/10 14:33
- 更新日時
- 2017/05/25 11:19
- 管理番号
- wul-20151104-00
- 質問
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日本統治下の朝鮮および朝鮮戦争以前の北朝鮮におけるスカウティングの状況が分かる資料はあるか。
- 回答
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当時の朝鮮における朝鮮人によるボーイスカウトの情報が確認できる資料について数点ご紹介した。併せて検索方法についてご説明し、複数のキーワードで検索をするよう案内。
(1)図書:学内にめぼしい資料はなし。国内、海外に関連資料あり。学内に所蔵していないものは、取り寄せて利用することが可能。
○検索DB:早稲田大学図書館所蔵目録(蔵書検索WINE)、CiNii Books、WorldCat、WorldCat
○キーワード検索:"朝鮮" "少年団" "ボーイスカウト" "boy scout" "korea" "Joseon Boy Scouts" "보이 스카우트"
・韓國보이스카우트 六十年史 : 1922-1982
・韓國少年運動史 : 1860년 - 1945년 金, 正義
○検索ツール:斗山世界大百科事典(学内所蔵あり)
・趙喆鎬、李商在、鄭聖采という、朝鮮のボーイスカウト黎明期に活躍した人物の3名を確認。
○検索DB:WorldCat
○著者名検索:趙喆鎬、李商在、鄭聖采
・少年軍教範/趙喆鎬
・少年斥候教範 : 少年斥候團朝鮮總聯盟發行/鄭聖采
(2)雑誌記事・論文
○検索キーワード:"朝鮮" "少年団" "ボーイスカウト" "boy scout" "korea" "Joseon Boy Scouts" "보이 스카우트"
○検索DB:ざっさくプラス
・「朝鮮少年團의 發起를 보고」『東明』1922/10/15(学内復刻版あり)
○検索DB:DBpia
・「The process of North Korean population turning into 'People,' examined from the activities of the Joseon Boy Scouts - Examination of the Pyeong'an Buk-do province's Seoncheon-gun area in 1945-50」『역사문제연구』
○検索DB:Google Scholar
・「朝鮮少年軍의 陣容」『新家庭』(学内所蔵あり)
○検索DB:国会図書館近代デジタルライブラリー(学内専用端末で閲覧可)
・李享雨「朝鮮のスカウト」『少年団研究』3(2), p19~20
・福田貞三郞「少年斥候團朝鮮總聯盟について」『少年団研究』4(8),p18~18
(3)新聞:当時の動向を知るには有用な資料。国内新聞にはめぼしい記事なし。
○検索DB:韓国語の新聞データベース「KINDS」 (無料)
○検索キーワード:"보이 스카우트(ボーイスカウト)" "스카우트(スカウト)"
(4)上記の文献などの巻末にある参考文献一覧等から芋づる式に探す。
- 回答プロセス
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概要
1.早稲田大学図書館所蔵目録(蔵書検索WINE)の件名機能を使用しヒットした資料の中身を確認。一部の1次資料(※)が学内で確認できそう。
2.アジア歴史資料センターのDB検索をしたが、朝鮮のボーイスカウトについては資料が確認できず。
3.各種DBを思いつくキーワードで複数検索し、資料をピックアップ。
4.韓国版Wikipediaに掲載されている参考文献は、本学に所蔵がないため確認できず。
5.※を読んだところ、利用者の求める情報を絞り込むことができそう。
6.ndlのページから、韓国語の無料新聞データベースKINDSを確認し、多数の記事がヒットした。
7.ndlサーチで※を検索すると、関連のありそうな収録記事が確認できた。
8.高麗大学のOPACで少年運動で検索。
9.斗山世界大百科事典のボーイスカウトの項を参照。
詳細
1.早稲田大学図書館所蔵目録(蔵書検索WINE)『日本ボーイスカウト運動史』の件名「ボーイスカウト -- 歴史」で引ける『少年団の歴史』という書籍を確認。少年団日本連盟の『少年団研究』に依拠した研究内容が見受けられる。『少年団研究』を実際に確認すると、「連盟通信」の欄で、「京城少年義勇団」の設立の動きや、その後の活動の様子が報告されていた。この資料を使って質問者自身が研究していくのが1つの方法だろう。『少年団研究』の本学所蔵は1-2巻のみ。復刻版が出ているため、他の巻についても国内機関で調査可能。また、原本はNDLデジタル化送信サービスの対象になっているようだ。
2.アジ歴を確認。ボーイスカウトの資料は少し出てくるが、朝鮮に関するものは確認できず。
3.各種DBを<朝鮮 少年団 ボーイスカウト "boy scout" korea "Joseon Boy Scouts" "보이 스카우트" 等>で検索。
→新聞記事DBからは芳しい情報を得られず。
→ざっさくプラスにてヒットした『朝鮮少年團의 發起를 보고』東明(1922/10/15)は、復刻版自体は早稲田大学図書館にあり(http://wine.wul.waseda.ac.jp/record=b4038784~S9*jpn)。ただし、収録の有無を確認する必要があるだろう。
→DBpiaでヒットした「The process of North Korean population turning into 'People,' examined from the activities of the Joseon Boy Scouts - Examination of the Pyeong'an Buk-do province's Seoncheon-gun area in 1945-50」の収録誌は早稲田大学図書館に所蔵なし。国内所蔵を確認。
→Googleから延世大学図書館の記事検索に飛び、「朝鮮少年軍의 陣容」を見つける。収録誌の復刻版が早稲田大学図書館にあり。
→NDL-OPACを検索。「Boy's life」(図書:デジタル化資料あり)や「Boy's life」(マイクロ資料)など朝鮮ボーイスカウト連盟関係の雑誌がいくつか所蔵されている。
4.Googleを「"보이 스카우트" "역사"(ボーイスカウト 歴史)」で検索。韓国語版ウィキペディアの記事の参考文献を参照した。『独立運動史資料集』の第10巻にボーイスカウト関連の言及あり。『韓國보이스카우트 六十年史 : 1922-1982』は国内所蔵あり。
5.『少年団研究』2号の記事「満鮮視察感想」には、「朝鮮には内地人のスカウトに京城、仁川の二團があり、鮮人のスカウトには靑邱その他がある」とある。利用者の目的は、"日本統治下の朝鮮および朝鮮戦争以前の北朝鮮における"ということで、おそらく当時の"朝鮮国籍の少年たちによるボーイスカウト"についての情報を求められているだろうから、情報の選別が必要。
6.『独立運動史資料集』(韓国語版wikipedia参考資料)と本学で所蔵している資料は違う資料のようだ。
7.国会のウェブサイト上に韓国語の無料新聞データベースKINDSの案内を確認。古新聞検索にて「ボーイスカウト(보이 스카우트)」と検索すると、多くの記事がヒットする。実際の記事イメージも見ることができる。当時の情勢を知るにあたって非常に有益なツールとなるだろう。
8.NDLサーチを検索。『少年団研究』には「朝鮮のスカウト」「少年斥候團朝鮮總聯盟について」という記事もあった。
9.高麗大学のOPACを「少年運動」で検索すると、金正義『韓國少年運動史 : 1860년 - 1945년』がヒット。
10.『斗山世界大百科事典』のボーイスカウトの項を参照すると、朝鮮のボーイスカウトの黎明期に活躍した者として、「趙喆鎬」「李商在」「鄭聖采
」があげられている。
11.Worldcatの著者名検索で10で調べた人物名を検索すると、ボーイスカウト関連の著書が多数出てくる。これらから、当時の現状や理念を知ることができるだろう。
- 事前調査事項
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○1922年に結成されたKorea Scout Association(戦後の訳では「ボーイスカウト韓国連盟」)は1937年に禁止され1946年に復活、1950年までは北朝鮮においても同連盟傘下のスカウティングが行われていたとされている。
○「?? ????? ?????? ??(近代少年運動の独立運動史位相)」(ジャンソクフン 独立記念館韓国独立運動史研究所、韓国独立運動史研究 45、2013.8、253-276)に「朝鮮少年軍」についての記述
http://ww w.dbpia.co.kr/Journal/ArticleDetail/NODE02234880?TotalCount=1&Seq=1&Collection=0&q=%5B%EC%A1%B0%EC%84%A0%EC%86%8C%EB%85%84%EA%B5%B0%C2%A7coldb%C2%A72%C2%A751%C2%A73%5D&Sort=1&SortType=desc&Page=1&PageSize=20&searchWord=%EC%A0%84%EC%B2%B4%3D%5E%24%EC%A1%B0%EC%84%A0%EC%86%8C%EB%85%84%EA%B5%B0%5E*&SearchAll=%EC%A1%B0%EC%84%A0%EC%86%8C%EB%85%84%EA%B5%B0&Multimedia=0&isFullText=0&isIdentifyAuthor=0
○ウェブサイト「Hitorical Boys' Clothing」内に韓国ボーイスカウト史の記述
http://histclo.com/youth/youth/org/sco/country/kor/sk-hist.htm
○『日本ボーイスカウト運動史』には記載なし。(KSAは当時の大日本少年団連盟とは別系統であるためか)
○英国連盟による資料(下記URL)によれば、KSAは1922年結成、1937年禁止1946年再編。
http://members.scouts.org.uk/factsheets/FS260050.pdf
○WINE,CiNii Books / Webcat Plus,NDL-OPAC(国立国会図書館),CiNii Articles
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 学部学生
- 登録番号
- 1000183446