レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年07月15日
- 登録日時
- 2016/07/19 14:42
- 更新日時
- 2017/03/21 18:00
- 管理番号
- 2016-043
- 質問
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解決
最近「うる覚え」との表記も見られるが、「うろ覚え」の「うろ」とはどのような意味か。
- 回答
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初出を確認するため、日本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第2巻』小学館, 2001【N813.1-R-47-2】p.511を確認したところ、以下の通り掲載されていた。
うろ-おぼえ【-覚】[[名]](形動)不確かな記憶。ぼんやりと覚えているさま。おろおぼえ。*俳諧・西鶴大矢数(1681)第二五「出家の身なればそれから其もと 胡乱覚(ウロオボエ)釈迦一代の物語」*雑俳・柳多留-初(1765)「馬島での近づきならばうろ覚」*滑稽本・浮世床(1813-23)初・上「おれも年が老(よっ)たから記憶(ものおぼえ)が悪くて。夫(それ)に根(こん)が薄くなったから。うろ覚(オボエ)だテ」*人情本・貞操婦女八賢誌(1834-48頃)初・三回「まあ委(くは)しくと申した処が、長い事でございますから、うろ覚(オボ)えな事もございませうが」*思出の記(1900-01)<徳富蘆花>一・二「此様(こん)な事はウロ覚へに覚へて居るが」発音<標ア>オ[角]0[角] <京ア>0[丸] 辞書 言海
増井金典著『日本語源広辞典』ミネルヴァ書房, 2010【N812-R-23】p.107に以下の記載があった。
うろんな【胡乱な】中国語のウロンは、「ウ(胡)ロン(乱)」です。唐音で、乱雑なの意です。転じて、日本語では、あやしく疑わしい意味で使います。
なお、小学館『大辞泉』編集部編『大辞泉』小学館, 1995【N813.1-R-37】p.269に「うろ-おぼえ【うろ覚え】確かでなく、ぼんやりと覚えていること。確かでない記憶。「―の漢字」」の記載があるが、本学契約データベースJapanKowledge Libを確認すると、デジタル大辞泉では「[補説]「うる覚え」は間違い。」との記載がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 語源.意味[語義] (812)
- 参考資料
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日本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編 , 小学館. 日本国語大辞典 第2巻 第2版. 小学館, 2001.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002966612-00 , ISBN 4095210028 -
増井金典 著 , 増井, 金典, 1928-. 日本語源広辞典. ミネルヴァ書房, 2010.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010843046-00 , ISBN 9784623054947 -
小学館『大辞泉』編集部編 , 小学館 , 小学館『大辞泉』編集部 , 松村, 明(1916-). 大辞泉. 小学館, 1995-12.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000201243-00 , ISBN 4095012110
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日本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編 , 小学館. 日本国語大辞典 第2巻 第2版. 小学館, 2001.
- キーワード
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- うろ覚え
- うる覚え
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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※神戸市外国語大学の学内者は、オンラインデータベースからJapanKowledge Libを利用できます。
http://www.kobe-cufs.ac.jp/library/odb/
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000194878