レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年05月12日
- 登録日時
- 2015/05/28 13:57
- 更新日時
- 2015/06/18 14:18
- 管理番号
- c20150512-05357
- 質問
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解決
「ニトログリセリン」の医薬品としての歴史。どのようにして薬効が発見されたか
- 回答
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・ニトログリセリンは爆発性の高い油状の液体で、ダイナマイトの原料として用いられる。
・アメリカの医師へリングがニトログリセリンをなめると頭痛が起こることから、ニトログリセリンに血管拡張作用があることを確認。
・ダイナマイト工場で働いていた狭心症患者が、勤務中は発作が出なかったことから、1870年代の終わりころ、ニトログリセリンが狭心症の治療に有効であることが証明された。
・ムラド、ファーチゴット、イグナロがニトログリセリンが引き起こす作用について研究し、ノーベル医学生理学賞を受賞している。
・以下の資料を貸出して提供。
『新しい薬をどう創るか』(京都大学大学院薬学研究科/編,講談社,2007)
『毒と薬のひみつ』(齋藤 勝裕/著,ソフトパブリッシング,2008)
『歴史の中の化合物』(山崎 幹夫/著,東京化学同人,1996)
- 回答プロセス
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①辞典類の調査。ニトログリセリンがダイナマイトの原料であること、狭心症薬としての効能などについて記述はあるが、その歴史については特に記述なし。
『科学大辞典』(国際科学振興財団/編,丸善,2005)「ニトログリセリン項
「ダイナマイトの原料、医薬としても用いられる。医薬としては抗狭心症薬である」
『岩波理化学辞典 第5版』(長倉 三郎/編,岩波,1998)「ニトログリセリン」項
「有毒で、皮膚から吸収されて頭痛を起こす。これは血管拡張作用によるもので、コノ作用は狭心症の特効薬として用いられる」
『南山堂医学大辞典(豪華版)第19版』(南山堂,2006)「ニトログリセリン」項
「臨床的には狭心症発作時や急性心筋梗塞の治療などに使用」
②4類一般書の調査
『新しい薬をどう創るか』(京都大学大学院薬学研究科/編,講談社,2007)29ページ~
ニトログリセリンの血管拡張作用の発見の経緯と作用の研究についての歴史についての記述あり。研究者にノーベル賞が贈られている。
『毒と薬のひみつ』(齋藤 勝裕/著,ソフトパブリッシング,2008)154ページ~
ニトログリセリンの血管拡張作用の発見の経緯について記述あり。
『歴史の中の化合物』(山崎 幹夫/著,東京化学同人,1996)4ページ~
ダイナマイトの発明から血管拡張作用の確認についての記述あり。
③ノーベル賞関連の調査
『ノーベル賞受賞者業績事典 新訂第3版』(ノーベル賞人名事典編集委員会/編,日外,2013)
「イグナロ」「ファーチゴット」「ムラド」項にニトログリセリンの研究に関する記述あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 時法.暦学 (449)
- 参考資料
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京都大学大学院薬学研究科 編 , 京都大学大学院薬学研究科. 新しい薬をどう創るか : 創薬研究の最前線. 講談社, 2007. (ブルーバックス ; B-1541)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008532390-00 , ISBN 9784062575416 -
齋藤勝裕 著 , 齋藤, 勝裕, 1945-. 毒と薬のひみつ : 毒も薬も使い方しだい、正しい知識で毒を制す!. ソフトバンククリエイティブ, 2008. (サイエンス・アイ新書 ; SIS-92)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009934094-00 , ISBN 9784797350265 -
山崎幹夫 著 , 山崎, 幹夫, 1931-. 歴史の中の化合物 : くすりと医療の歩みをたどる. 東京化学同人, 1996. (科学のとびら ; 27)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002512439-00 , ISBN 4807912674
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京都大学大学院薬学研究科 編 , 京都大学大学院薬学研究科. 新しい薬をどう創るか : 創薬研究の最前線. 講談社, 2007. (ブルーバックス ; B-1541)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000175151