レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年05月17日
- 登録日時
- 2018/01/11 19:07
- 更新日時
- 2018/01/11 19:22
- 管理番号
- 横浜市中央2509
- 質問
-
解決
横浜市電の停留場「緑橋」の場所を特定したいので、地図や写真の載っている資料を紹介してほしい。
- 回答
-
1 「緑橋」について
「緑橋」は昭和4年7月10日に新設され、昭和30年5月10日に「桜木町駅前」、昭和32年4月1日に「野毛大通」と
名称変更した停留場と考えられます。
現在の場所は、横浜市中区花咲町2丁目辺りと考えられます。
2 地図について
(1)『新横浜市街図 中央部(『横浜市明細地図』裏面)』 地理学研究社/編 五車堂書店 1957年6月
地図の凡例に市営電車とあり、線路と駅名が表示されています。明細地番が入った地図上に「緑橋」の記載があります。
経路は「野毛町」(遊園地入口)→「緑橋」→「桜木町駅前」です。
この資料は、横浜市立図書館デジタルアーカイブでご覧いただけます。
http://www.lib.city.yokohama.lg.jp/Archive/DTRP0320?SHIRYO_ID=12028
(最終確認日2017年12月13日)
(2) 『大日本職業別明細図 横浜市中区 附磯子区地図』 東京交通社/編 東京交通社 1936.12
「緑橋」の記載があります。地図に商店などの記載があり、地図裏面の職業別索引には住所が掲載されています。
この資料は、横浜市立図書館デジタルアーカイブでご覧いただけます。
http://www.lib.city.yokohama.lg.jp/Archive/DTRP0320?SHIRYO_ID=12013
裏面 http://www.lib.city.yokohama.lg.jp/Archive/DTRP0320?SHIRYO_ID=12042
(最終確認日2017年12月13日)
(3) 横浜市建築局Webサイト「横浜市三千分一地形図 (昭和初期)」
「30 新港町」(昭和7)、(昭和24)
凡例に電車の記載があり、線路と駅名が表示されています。
経路に「野毛町」→「緑橋」→「桜木町駅前」と記載があります。
この資料は以下のページでご覧いただけます。
http://www.city.yokohama.jp/me/machi/kikaku/cityplan/gis/3000-es.html
(最終確認日2017年12月13日)
3 写真について
確認できませんでした。参考までに、「緑橋」の後継停留場であると考えられる「野毛大通」付近の写真が掲載されている資料をご紹介します。
(1)『今よみがえる横浜市電の時代 あの頃の市電通りへ』
天野洋一/撮影 BRCプロ 2007年7月
p102~105に「野毛大通」付近(1971年~72年)があります。
(2)『昭和の横浜 写真集』 横浜市史資料室/編 横浜市史資料室 2009.6
p346 Ⅲ-22-07に「野毛大通を走る市電」1972年(昭和47年3月)があります。
4 その他
「緑橋」の場所を特定するために参考にした資料です。
(1)『路面電車のあゆみ』 〔横浜市交通局電車部運送課/編〕 [横浜市交通局] 〔1969年12月〕
p35 昭和15年8月1日の電車急行運転路線図に「野毛町」→「緑橋」→「桜木町駅前」とあります。
p29 電車停留場の変遷については、現行停留場名「野毛大通」旧停留場名「桜木町駅前」昭和32年4月1日、開始年月日昭和4年7月1日、記 事欄に昭和30年5月10日「緑橋」を「桜木町駅前」に同移設とあり、「緑橋」が「桜木町駅前」に移設され、その後「野毛大通」と改称されたことが記されています。
この資料は、横浜市立図書館デジタルアーカイブでもご覧いただけます。
http://www.lib.city.yokohama.lg.jp/Archive/DTRP0320?SHIRYO_ID=1127
(最終確認日2017年12月13日)
なお、『路面電車のあゆみ』は運輸日報、電気局報、交通通達によって調査とあります。交通通達等は、『横浜市交通局報』(横浜市交通局/編) で確認できますが、当館の所蔵は、昭和48年から平成10年までで、「緑橋」使用開始及び名称変更の出典の確認はできませんでした。
(2)「横濱市報 第百三十一號 昭和4年7月9日 横濱市告示第一三六號」
「昭和四年七月十日ヨリ本市電気軌道日ノ出町一丁目櫻木町驛前間ノ運輸営業ヲ開始ス」とあり、
停留場名称及距離の欄に「「緑橋」(みどりばし)新設 日ノ出町一丁目停留場ヨリノ粁程0.46」とあります。
こちらは、横浜市立図書館デジタルアーカイブでご覧いただけます。
『横浜市報 昭和4年7月2日~12月17日』横浜市役所/編 横浜市役所 1929年12月
http://www.lib.city.yokohama.lg.jp/Archive/DTRP0320?SHIRYO_ID=173
(最終確認日2017年12月13日)
(3) 『事業概要 昭和32年度』 横浜市交通局営業課調査係/編 横浜市交通局営業課調査係 1958年
p9 路面電車関係の表に、「4月1日 停留所並びに信号所の新設及び改称」として
・ 停留場 改称 野毛大通(旧称 第6系統「桜木町駅前」)
・ 信号所 新設 桜木町駅前信号 復活 「緑橋信号」 の記載のみでした。
当館所蔵の『事業概要』は昭和28年以降です。所蔵している『事業概要』の電車運転系統案内図には、「緑橋」の記載はありませんでした。
(4)『横浜市事務報告書 昭和4年・5年』 横浜市〔総務局〕/編 横浜市 〔1930〕
別冊「横浜市電気局 昭和4年12月から5年11月」
p25 事業設備一覧表(九)建物に「緑橋」の記載があり「中区桜木町一ノ一地先」とあります。
『横浜市事務報告書 昭和2年・3年』 横浜市〔総務局〕/編 横浜市 〔1928〕は別冊が欠本していて、横浜市電気局の報告書の確認ができませんでした。
(5) 『図録 横浜にチンチン電車が走った時代 まちの主役! 路面電車』 横浜都市発展記念館/編 横浜都市発展記念館 2012年1月
p44「急行運転開始のチラシ」昭和15(1940)年の運転系統案内図に「緑橋」の記載があります。
p59に停留場の名称変更や新設を伝えるポスターがあります。「緑橋」の記載はありませんが、 昭和32年に「桜木町駅前」が「野毛大通」に改称されたことが分かります。
(6)『横浜市営交通八十年史』 横浜市交通局 2001年3月 p701 年表
昭和4年(1929年)7月10日緑橋線(日ノ出町1丁目~桜木町駅前間)開通とあります。
(7) 地図
ア 横浜市建築局Webサイト「横浜市三千分一地形図 (昭和30年代)」
http://www.city.yokohama.jp/me/machi/kikaku/cityplan/gis/3000map.html
(最終確認日2017年12月13日)
「84-1 西戸部」(昭和39)には、経路「のげやまこうえんいりぐち」→「のげおおどおり」→
「さくらぎちょうえきまえ」と記載されています。
イ 横浜都市発展記念館Webサイト 「モダン横浜歴史情報マップ B2」
こちらは、「昭和初期の地図を精密にリライトして、その地図上に昭和初期(おおむね昭和元~15年ころ)の横浜に存在したさまざまな施設―公共機関、港湾施設、学校、企業、商業施設、飲食店、港湾施設など―の位置を表示」したものです。
「緑橋」の記載があります。
http://www.tohatsu.city.yokohama.jp/HIMap/HIMap2_B2_index.html
(最終確認日2017年12月13日)
「モダン横浜歴史情報マップ」の詳細については、こちらをご確認ください。
「モダン横浜歴史情報マップについて」
http://www.tohatsu.city.yokohama.jp/HIMap/HIMap2_j_Nituite.html
ウ 『中区明細地図 昭和31年度版』 経済地図社/編 経済地図社 1956年8月
p25「緑橋」と考えられる場所は、「桜木町」と記載されています。
凡例はありませんが、地図上の線路に市電と記載されています。
エ 『横浜市五千分一地形図』 横浜市 1958年
西戸部の図 経路「のげやまこうえんいりぐち」→「のげおおどおり」→「さくらぎちょうえきまえ」と記載があります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 鉄道運輸 (686 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000228187