レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年05月02日
- 登録日時
- 2019/09/06 09:32
- 更新日時
- 2019/09/06 09:54
- 管理番号
- 千県東-2019-0006
- 質問
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解決
千葉県で東日本大震災以前に起きた津波に関する石碑について、書かれた資料を見たい。
- 回答
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千葉県内で東日本大震災以前に起きた津波に関する石碑について記載があった資料として、以下のものを紹介しました。
【資料1】『地震と津波 平成15年度企画展』(千葉県立安房博物館編集 千葉県立安房博物館 2003)
p10-52「2.元禄地震」では、供養碑などの写真や銘文を多数紹介しています。またp62「4.最近の地震・津波」では、昭和35(1960)年のチリ津波に関する石碑が紹介されています。
【資料2】『千葉県における元禄地震の供養諸相と伝承 供養碑を中心に』(古山豊[著] [古山豊] 1996)
元禄16(1703)年に起きた元禄地震での津波供養碑について、場所や銘文を記しています。
【資料3】『津波がくるぞ! 元禄十六年・千葉県沿岸の津波被害』(畑中雅子著 国書刊行会 2015)
同じく元禄地震の津波供養碑や供養塔などを、地域別に紹介しています。
【資料4】『南房総における元禄16年(1703年)津波の供養碑 元禄津波の推定波高と大正地震津波との比較』(羽鳥徳太郎〔著〕 東京大学地震研究所 1976)
南房総地域を中心とした津波供養碑の銘文と場所が紹介されています。
【資料5】『関東地方の津波』(羽鳥徳太郎[著] [自然災害科学資料収集解析総合研究班] 1979)
p97に九十九里浜にある元禄地震の津波供養碑について書かれているほか、p98には「1498年の明応津波の石碑が小湊の誕生寺山門前に建ち、1677年延宝津波の波切地蔵が東浪見(上総一宮町)の国道脇」にある、との記述がありました。
【資料6】『九十九里浜における延宝(1677年)・元禄(1703年)津波の挙動 津波供養碑の調査から』(羽鳥徳太郎〔著〕 東京大学地震研究所 1979)
九十九里浜にある、元禄地震の津波と延宝5(1677)年の地震による津波に関する石碑について紹介しています。
【資料7】『千葉県史跡と伝説』(荒川法勝編 暁印書館 1990 写真で綴る文化シリーズ)
p149「大津波遭難者の供養塔 銚子川口の千人塚」に、慶長19(1614)年に銚子港を襲った津波の犠牲者を弔う千人塚が掲載されています。
【資料8】「元禄地震・大津波から300年 供養碑が語るもの」1-11(『千葉日報』2003年9月2日-12日)
【資料9】伊藤一男「元禄の大津波と九十九里浜――犠牲者と供養碑に関する考察――」『房総災害史 元禄の大地震と津波を中心に』(千葉県郷土史研究連絡協議会編 千秋社 1984 郷土研叢書 4)
津波供養碑を中心に、その場所や銘文を記載しています。
【資料10】『房総沖巨大地震 元禄地震と大津波』(伊藤一男著 崙書房 1983 ふるさと文庫)
p78-80では、九十九里浜地域に残る供養碑などの一覧が記載されています。それぞれの詳細については、p112-p148に記載されています。
【資料11】『九十九里浜の元禄津波資料』(古山豊〔著〕 古山豊 1987)
【資料12】『元禄地震 九十九里浜大津波の記録』(千葉県総務部消防防災課 1975)
p32-42「第6、九十九里浜における元禄16年(1703)津波の供養碑」
【資料13】『山武・長生郡における元禄地震調査 大津波供養碑・古文書に見る被害状況』(古山豊調査および編集 [古山豊] 1982)
供養碑などの銘文とその大きさ、所在地が図示されています。
【資料14】『九十九里浜における元禄16年(1703年)津波の供養碑』(羽鳥徳太郎〔著〕 地震学会 1975)
【資料15】「ちばの地理再発見 元禄津波の慰霊碑 九十九里一帯に30超」(『千葉日報』2015年11月18日)p11
- 回答プロセス
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・まず、いつ頃千葉県内で津波が起きたのかを確認するため、『房総災害史年表』(千葉県文書館県史・古文書課 [2018])を確認しました。
それによれば、千葉県内であった東日本大震災以前の津波被害は以下の通りでした。(かっこ内は津波が到達したと書かれている場所です)
明応7(1498)年 南海トラフ沿いの巨大地震(房総の海岸)
慶長9(1605)年 慶長地震(太平洋岸)
延宝5(1677)年 房総沖で地震(上総国東部)
元禄16(1703)年 元禄大地震(房総沿岸・九十九里浜など)
宝永4(1707)年 東海・南海同時発生の地震(安房・九十九里方面)
安政元(1854)年 安政東海・南海地震(安房国)
昭和11(1936)年 勝浦で津波
・次に、当館の蔵書検索で件名「津波」&資料種別「千葉県資料」と検索したところ、【資料1】~【資料6】、【資料9】~【資料14】が見つかりました。
・【資料9】より、千葉県内での津波の供養碑は「津波塚」「千人塚」「百人塚」「津波精霊」「つなしろ様」「上人塚」などと呼び表されていることがわかったので、それぞれをキーワードに蔵書検索を行ったところ、【資料7】が見つかりました。
・千葉県関係資料検索「菜の花ライブラリー」にてキーワード「津波 碑」と検索したところ、【資料8】【資料15】が見つかりました。
・情報を見つけられなかった資料
『房総元禄地震と大津波 特別展』(睦沢町立歴史民俗資料館 1996)
『元禄地震(1703)とその津波による千葉県内各集落での詳細被害分布』(都司 嘉宣〔著〕 歴史地震研究会 2003)
『南関東周辺における地震津波』(羽鳥徳太郎〔著〕 東京大学地震研究所 1973)
『明応7年・慶長9年の房総および東海南海道大津波の波源』(羽鳥徳太郎〔編〕 地震研究所 1975)
(インターネットの最終アクセス:2019年6月13日)
※参考資料末尾の数字は資料番号です。
- 事前調査事項
- NDC
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- 地震学 (453 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『地震と津波 平成15年度企画展』(千葉県立安房博物館編集 千葉県立安房博物館 2003)(2101738221)
- 【資料2】『千葉県における元禄地震の供養諸相と伝承 供養碑を中心に』(古山豊[著] [古山豊] 1996)(2101607382)
- 【資料3】『津波がくるぞ! 元禄十六年・千葉県沿岸の津波被害』(畑中雅子著 国書刊行会 2015)(2102696467)
- 【資料4】『南房総における元禄16年(1703年)津波の供養碑 元禄津波の推定波高と大正地震津波との比較』(羽鳥徳太郎〔著〕 東京大学地震研究所 1976)(9200184456)
- 【資料5】『関東地方の津波』(羽鳥徳太郎[著] [自然災害科学資料収集解析総合研究班] 1979)(9200183860)
- 【資料6】『九十九里浜における延宝(1677年)・元禄(1703年)津波の挙動 津波供養碑の調査から』(羽鳥徳太郎〔著〕 東京大学地震研究所 1979)(9200184474)
- 【資料7】『千葉県史跡と伝説』(荒川法勝編 暁印書館 1990 写真で綴る文化シリーズ)(2100182509)
- 【資料8】「元禄地震・大津波から300年 供養碑が語るもの」1-11(『千葉日報』2003年9月2日-12日)
- 【資料9】伊藤一男「元禄の大津波と九十九里浜――犠牲者と供養碑に関する考察――」『房総災害史 元禄の大地震と津波を中心に』(千葉県郷土史研究連絡協議会編 千秋社 1984 郷土研叢書 4)(2100460179)
- 【資料10】『房総沖巨大地震 元禄地震と大津波』(伊藤一男著 崙書房 1983 ふるさと文庫)(2100171390)
- 【資料11】『九十九里浜の元禄津波資料』(古山豊〔著〕 古山豊 1987)(2101420490)
- 【資料12】『元禄地震 九十九里浜大津波の記録』(千葉県総務部消防防災課 1975)(9200296102)
- 【資料13】『山武・長生郡における元禄地震調査 大津波供養碑・古文書に見る被害状況』(古山豊調査および編集 [古山豊] 1982)(9200184868)
- 【資料14】『九十九里浜における元禄16年(1703年)津波の供養碑』(羽鳥徳太郎〔著〕 地震学会 1975)(9200184429)
- 【資料15】「ちばの地理再発見 元禄津波の慰霊碑 九十九里一帯に30超」(『千葉日報』2015年11月18日)p11
- キーワード
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- 津波-千葉県-歴史
- 記念碑
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000261041