レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年11月18日
- 登録日時
- 2017/02/11 10:17
- 更新日時
- 2018/08/31 17:59
- 管理番号
- 県立I2016-25
- 質問
-
未解決
松尾芭蕉「奥の細道」の末に「跋」または「去来奥書」が載っている本がある。その現代語訳・解説が載っている本が見たい。
- 回答
-
※ 高知県立図書館・高知市民図書館合築に伴い、資料に関する情報が現在の情報とは異なる場合があります。 ※
「跋」は下記の資料に現代語訳や語釈、解説があります。
『奥の細道購読』(麻生 磯次/著 明治書院 1981)
pp.515-519
『奥の細道新釈』(大欣 鉄馬/著 台北第三中学校同窓会 1976)
pp.123-124
『素竜筆柿衛本 おくのほそ道の読みと解釈』(津守 亮/著 教育出版センター 1980)
pp.208~210
『精講奥の細道』(鈴木 知太郎/共著 金子 義夫/共著 東宝書房 1962)
pp.177-178
「去来奥書」は「元禄版本」または「寛政版本」にあるようですが、現代語訳や解説が載っている資料は見つかりませんでした。
- 回答プロセス
-
○「跋」について
OPACで”跋”を検索するがヒットなし。
OPACで”奥の細道”でタイトル検索(検索範囲:自館のみ)。59件ヒット。
うち、めぼしいものをいくつか抜出し、閉架資料をブラウジング。次の資料が見つかった。
『奥の細道購読』(麻生 磯次/著 明治書院 1981)
pp.515-519
『奥の細道新釈』(大欣 鉄馬/著 台北第三中学校同窓会 1976)
pp.123-124
『素竜筆柿衛本 おくのほそ道の読みと解釈』(津守 亮/著 教育出版センター 1980)
pp.208~210
『精講奥の細道』(鈴木 知太郎/共著 金子 義夫/共著 東宝書房 1962)
pp.177-178
また、OPACより抜出した資料のうち、下記の資料には見当たらなかった。
『芭蕉 奥の細道』(安東 次男/著 淡交社 1974)
『日本紀行文集成 第2巻』(大橋 乙羽/校訂 日本図書センター 1979)
『奥の細道の旅 芭蕉漂泊の跡をゆく』(講談社/編 講談社 1989)
『おくの細道 古典の旅』(田辺 聖子/著 講談社 1989)
『日本の古典 現代語訳 18 松尾芭蕉』(河出書房新社 1979)
『奥の細道 古典を歩く』(毎日新聞社 1988)
『おくのほそ道 古典を読む』(安東 次男/著 岩波書店 1983)
○「去来奥書」について
・OPACで”去来奥書”を検索するがヒットなし。
「跋」が掲載されていた上記資料にも見当たらず。
・NDLサーチ、NDLリサーチ・ナビで”去来奥書”を検索するがヒットなし。
・”松尾芭蕉”×”文学館”で検索し、Webサイト「俳聖 松尾芭蕉・みちのくの足跡」(http://www.bashouan.com/psBashou.htm)にアクセス
→画面上部の「付属文学館」からアクセスできる「おくのほそ道諸本」の中に次のような記述がある。
「また、去来所有の本書をもとに版下をつくり、元禄15年に京都の井筒屋庄兵衛が出版した「元禄版本」があり、
その奥書に次のように記されている。(中略)草稿の書故、文章所々相違す。今去来が本を以て模写する者也。」
→「去来奥書」は「元禄版本」の中にあると思われる。
→再びOPACにて”おくのほそみち”×”元禄”で全文検索。3件ヒットしたが該当なし。
・芭蕉の出身地である三重県立図書館(http://www.library.pref.mie.lg.jp/)にアクセス。
→画面上部にあるサイト内検索窓にて”奥の細道”を検索
→検索結果「お知らせ」の中の「パブリックスペース - 地域ミニ展示 - 文学」に「第29回「奥の細道の諸本」という記載がある。
→アクセスすると、展示資料を見ることができる。その中には井筒屋庄兵衛が刊行した井筒屋本(元禄版と思われる)の解説もある。
また、寛政版の解説には「井筒屋本に素龍、去来、蝶夢の跋を加えた明和刊本から、無署名の跋を除き、~」とある。
寛政版にも去来の奥書がありそうなことが伺える。
・OPACにて”おくのほそみち”×”寛政”、”おくのほそみち”×”井筒”で全文検索。ヒットなし。
・レファレンス協同データベースにて”奥の細道”×”寛政”、”奥の細道”×”井筒”、
”奥の細道”×”元禄”等で検索するが、該当しそうなものは見当たらず。
・NDLサーチにて”奥の細道”×”井筒”で検索。14件ヒット。下記資料が該当しそう。
『新註奥の細道』(沼沢竜雄/校註 大倉広文堂 1933)
→図書館送信参加館内公開となっているため、自館内のPCより該当ページにアクセス。
→確認するが、奥書についての解説は見当たらなかった。
・NDLサーチにて”奥の細道”×”寛政”で検索。14件ヒット。該当しそうな資料は見当たらず。
・NDLサーチにて”奥の細道”×”元禄”で検索。130件ヒット。
念のため”奥の細道”×”元禄版”で検索し直す。ヒットなし。
・NDLサーチにて”奥の細道”×”去来”で検索。124件ヒット。下記資料に掲載がありそう。
『去来本 奥の細道解説』(勝峯晋風/著 岩波書店 1933)
→国立国会図書館デジタル化資料送信サービスで閲覧可能なよう。
→確認するが、奥書についての解説は見当たらなかった。
- 事前調査事項
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岩波書店、小学館の全集は見たが載っていなかった。
そのほか、次の資料にも載っていなかった。
『おくのほそ道』(久富 哲雄/全訳注 東京 講談社 1980.1)
『おくのほそ道 松尾芭蕉,人生はかるみだ』(長谷川 櫂/著 東京 NHK出版 2014.10)
『芭蕉のこころをよむ 「おくのほそ道」入門』(尾形 仂/[著] 東京 KADOKAWA 2014.10)
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 『奥の細道購読』(麻生 磯次/著 明治書院 1981)
- 『奥の細道新釈』(大欣 鉄馬/著 台北第三中学校同窓会 1976)
- 『素竜筆柿衛本 おくのほそ道の読みと解釈』(津守 亮/著 教育出版センター 1980)
- 『精講奥の細道』(鈴木 知太郎/共著 金子 義夫/共著 東宝書房 1962)
- 「俳聖 松尾芭蕉・みちのくの足跡」(http://www.bashouan.com/psBashou.htm)2016.11.17閲覧
- 三重県立図書館 パブリックスペース - 地域ミニ展示 - 文学「第29回「奥の細道の諸本」(http://www.library.pref.mie.lg.jp/index.php?key=jocstd2yp-1162#_1162)2016.11.17閲覧
- キーワード
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- 松尾芭蕉
- 奥の細道
- 去来奥書
- 跋
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000209629