レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年10月16日
- 登録日時
- 2011/10/16 18:49
- 更新日時
- 2017/06/17 16:11
- 管理番号
- 福井県図-20111016
- 質問
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解決
昔読んだ絵本を探している。おばあさんが赤ちゃんを見て、かわいさのあまり食べたくなり「わりわり」と食べてしまう。おばあさんはやまんばになってしまう。やまんばに食われるからと、山道はだれも通らなくなってしまうが、ある日、男の子がお使いの帰り道に通ってしまう。やまんばに出会うが、なにかをして食われずに助かる。というストーリー。
- 回答
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「弥三郎ばさ」というおはなしではないかと思います。ただし、絵本で発見することは出来ませんでした。
「弥三郎ばさ」は下記2冊でお読みいただけます。
1.『松谷みよ子おはなし集』5 松谷みよ子・作 梅田俊作・絵 2010.3 ポプラ社 ISBN:978-4-591-11640-1(請求記号:913/マツ 資料コード:1020884365)
2.『こわいおばけ』 民話の研究会/編 1978.9 ポプラ社 ISBN:4-591-01777-X (請求記号:91/コ 資料コード:2020002156)
ご記憶のストーリーとぴったり合致するものではありませんが、やまんばに食われるおはなしには、「天道さん金の綱」というタイプの昔話もあります。
1.『てんとうさんかねんつな』大川悦生・ぶん 斎藤博之・え 1981.9 第一法規(請求記号:E/サイ 資料コード:1020267835)喰われるのは母のみ。
2.『日本の昔話3』おざわとしお・著 1995.10 福音館書店 ISBN:4-8340-1326-X(請求記号:913/オサ 資料コード:1020428098)「てんとうさま金のくさり」所収。p.148-喰われるのは母と三郎(末の子)カリカリ、カリカリと喰われる。
3.『子どもに語る日本の昔話 2』稲田和子・筒井悦子・著 1995.12 こぐま社 ISBN:4-7721-9021-X(請求記号:913/コト 資料コード:1020696017)「天とうさん金のくさり」所収。p.34- にぎりめしを食う音が「ワシワシ」。赤ん坊をぼりぼりと食う。
4.『日本昔話百選』稲田浩二・編著 2003.7 三省堂 ISBN:4-385-36151-7 (請求記号:K388/ニホン 資料コード:1020749030)「天とうさん金の鎖」所収。p.390-
5.『さるじぞう』永田義直・著 1979.2 すばる書房 「天道さんのかねのつな」所収→下の子は「こりこり」と食われてしまう。
6.『日本のむかし話』第1 柳田国男・著 1979 ポプラ社 ポプラ社文庫 1124 「天道さん金ん綱」所収→p.93- 子どもを食う音は「がりがり」
7.『天のかみさま金んつなください』津谷タズ子・再話、梶山俊夫・画 1988.3 福音館書店(こどものとも 384号)→食われる音の描写はない。母親は食われておらず、食われた三郎も最後に死んだ山姥の腹から出てくる。
- 回答プロセス
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1.『日本昔話通観』を見に書架に行ったところ、『山姥の記憶』齊藤泰助・著 2001.2 桂書房 ISBN:4-905564-26-3(請求記号:388.1/サイト 資料コード:1013763824)を発見。p.121に「恐ろしい妖怪山姥の代表的昔話」という表があり、「天道さん金の鎖(縄)」が質問の内容に近い。
2.『日本昔話通観』28 昔話タイプインデックスを見る。→p.393 「348天道さん金の綱」
I.三人兄弟の母親を食った山姥が、母親を装ってくるが、留守番の兄弟は、母親の手や声と違う、と戸を開かない。
II.山姥が手と声とを母親に似せてくると、兄弟はだまされて中に入れる。
III.山姥が赤子を食い、いぶかる兄たちに指を投げたので、兄たちは木に登って隠れる。
IV.長兄が、水に映る兄弟の影をすくう山姥を笑い、二人は見つかる。
V.次兄が山姥に、木に油を塗って登った、と教えると、山姥はそのとおりにして昇ってくる。
VI.長兄が、鉈で木をきざんで登った、と教えると、山姥はそのとおりにして登ってくる。
VII.兄たちは、天道さん金の綱を下ろしてくれ、と願い、下りてきた綱を伝って天に昇る。
VIII.山姥もまねて願い、下りてきた腐れ縄が切れ落ちて死ぬ。
IX.山姥の血でそばの茎が赤くなり、兄弟は兄弟星となる。
3.「てんとうさん かね」「てんとうさま かね」のキーワードで自館資料を検索
1.『てんとうさんかねんつな』大川悦生・ぶん 斎藤博之・え 1981.9 第一法規(請求記号:E/サイ 資料コード:1020267835)喰われるのは母のみ。
2.『日本の昔話3』おざわとしお・著 1995.10 福音館書店 ISBN:4-8340-1326-X(請求記号:913/オサ 資料コード:1020428098)「てんとうさま金のくさり」所収。p.148-喰われるのは母と三郎(末の子)カリカリ、カリカリと喰われる。
3.『日本名作絵本 4』1993.1 TBSブリタニカ (請求記号:E/ニ/4 資料コード:2020080103)「天道さま、金のくさり」所収。→子どもを食うところは省略されている。
4.『子どもに語る日本の昔話 2』稲田和子・筒井悦子・著 1995.12 こぐま社 ISBN:4-7721-9021-X(請求記号:913/コト 資料コード:1020696017)「天とうさん金のくさり」所収。p.34- にぎりめしを食う音が「ワシワシ」赤ん坊をぼりぼりと食う。
5.『天人女房ほか5話』日本・中国・韓国の昔話集1 2004.10 国立オリンピック記念青少年総合センター ISBN:4-902752-00-X (請求記号:388/ニ 資料コード:1020721161)「天道さん、かねのくさり(日本)」所収。p.50-
4.児童書総合目録http://kodomo3.kodomo.go.jp/web/ippan/cgi-bin/fKJN.pl?act=KW で「天とうさん かね」「天道さん かね」「天道さん 金」をキーワードに検索→多数ヒット。当館所蔵資料は(ア)の『日本昔話百選』のみ。
6.『日本昔話百選』稲田浩二・編著 2003.7 三省堂 ISBN:4-385-36151-7 (請求記号:K388/ニホン 資料コード:1020749030)「天とうさん金の鎖」所収。p.390-
7.『さるじぞう』永田義直・著 1979.2 すばる書房 「天道さんのかねのつな」所収→下の子は「こりこり」と食われてしまう。
8.『日本のむかし話』第1 柳田国男・著 1979 ポプラ社 ポプラ社文庫 1124 「天道さん金ん綱」所収→p.93- 子どもを食う音は「がりがり」
4-2.児童書総合目録で「かね つな」をキーワードに検索。
『天のかみさま金んつなください』津谷タズ子・再話、梶山俊夫・画 1988.3 福音館書店(こどものとも 384号)→食われる音の描写はない。母親は食われておらず、食われた三郎も最後に死んだ山姥の腹から出てくる。
5.メールにより、「弥三郎ばさ」というおはなしではないか、と教えていただきました。ストーリーが合致するため、このお話がお探しのものではないかと思います。
以下は、国立国会図書館レファレンス協同データベース事業サポーター 寺尾様よりいただいた回答です。
下記の本の情報がありました。
権現堂の弥三郎ばさ : 広神村の昔話
青山幸子 文 ; 富永政美智 装・画, 広神村観光協会, 1998
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002748462-00
ネット上の情報ですが、この本が絵本であることがわかります。
http://www.yuzawacorp.jp/blog/?year=2012&month=07&d=6
また、下記の本にも「弥三郎ばさ」が収録されているようです。
やまんばのにしき 松谷みよ子著, 梶山俊夫絵 ポプラ社, 1981
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000004-I000755858-00
- 事前調査事項
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 8版)
- 参考資料
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- 『山姥の記憶』齊藤泰助・著 2001.2 桂書房 ISBN:4-905564-26-3 (請求記号:388.1/サイト 資料コード:1013763824)
- 『日本昔話通観』28 昔話タイプインデックス 稲田浩二・著1988.9 同朋舎 ISBN:4-8104-0712-8 (請求記号:388/N13/28 資料コード:1011534417)
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松谷みよ子 文 , 松谷, みよ子, 1926-2015. やまんばのにしき : 日本昔ばなし. ポプラ社, 2006. (ポプラポケット文庫 ; 005-1)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008051717-00 , ISBN 4591090345
- キーワード
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- 山姥
- 鬼婆
- やまんば
- おにばば
- 照会先
- 寄与者
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- 国立国会図書館レファレンス協同データベース事業サポーター
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000092243