まず初めに、『三重県終戦秘録』での表記からしますと、おおよそ知事公舎であったものを議会会館に転用したものと推測いたしましたが、これについては『三重県議会100年』(三重県議会事務局調査課/編集 三重県議会 1979)に議会会館の写真があり、『三重県終戦秘録』の写真とほぼ同じでしたので、①については旧知事公舎、のちの議会会館の所在地という認識のうえで調査をいたしました。
そこで、『三重県議会 昭和44年版』(三重県議会事務局調査課/編集 三重県議会事務局 1969)を確認いたしましたところ、以下のように記載がありました(p15)。
「(8) 議会会館
(イ)議員の宿泊施設として議会会館がある。
(ロ)敷地1,315㎡、建物木造2階建、平面積304㎡、延面積352㎡
客室(和室)
10帖 3室(内 階上 1室)
8帖 1室
6帖 3室(内 階上 1室)
(ハ)宿泊料は議員100円、食事は賄の設備がないため議員の求めに応じて処置している。
(ニ)管理については事務局長、総務課長の下に職員2名を配して行なつている。」
この『三重県議会』の昭和60年版(三重県議会 1985)にも同様の記載がありますが、ここには所在地として「津市桜橋通2-8」との記載がありました。これをもとに同時期のゼンリンの住宅地図を確認しましたところ、正確には津市桜橋2丁目69の場所に三重県議会会館があり、さらに現在の住宅地図と照らし合わせましたところ、三重県自治会館の専用駐車場となっておりました(津税務署の南東の場所)。駐車場のため地番の表記はありませんが、議会会館があった頃の地番の表記は「津市桜橋2丁目69」です。
最後に④についてですが、中日新聞の記事データベースによれば、佐々木氏は1995年1月20日に92歳で亡くなられたとのことでした。