レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年1月5日
- 登録日時
- 2018/01/05 18:45
- 更新日時
- 2018/01/17 14:53
- 管理番号
- 県立長野-17-122
- 質問
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解決
織田信長に関して「木曽路名所図会」が「三季物語」の孫引きの話を記述している。
三季物語か、三季物語に係る文献を教えてほしい。
- 回答
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「織田信長に関して『木曽路名所図会』が『三季物語』の孫引きの話を記述している」のは、巻之三の駒嶽に関する「三季物語に、天正の頃、織田右丞相、甲州を征伐して、軍をめぐらし、諸将に向って、われ聞けり、信州駒嶽に、四百年来に及ぶ神馬あり」の部分かと存じます。
『国書総目録 第3巻』 岩波書店 1965年 【025/39/3】には、『三季物語』という和書が記載されています。二巻からなる和書で、当時の東京教育大学、名古屋市立鶴舞図書館、名古屋市蓬左文庫が写本を所蔵していたことが分かります。復刻や活字化されたものについては記載がありません。
これをもとに確認したところ、現在筑波大学中央図書館、名古屋市立鶴舞中央図書館の河村文庫、名古屋市蓬左文庫が所蔵していますが、いずれでもデジタル化によるインターネットへの公開はされていないようです。
そのため各館で所蔵しているこの『三季物語』が、『木曽路名所図会』で触れているものと同一かの判断はできません。
閲覧の方法については各館へお尋ねください。
また、現時点においても復刻や活字化はされていないようです。
『三季物語』を紹介した文献については、『中央獣医会雑誌』第43巻第8号(1930年)に掲載された、小平雪人氏の記事が見つかりました(『木曽路名所図会』と同様の箇所を引用しています。下記URLから御参照ください)が、詳細に論じた文献については、国立国会図書館サーチ、CiNii、J-Stageや、国文学研究資料館ウェブサイト上の各種データベースなどで検索しましたが見つけることはできませんでした。
https://doi.org/10.1292/jvms1888.43.679
- 回答プロセス
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1 『木曽路名所図会』の殿部分にどのような引用があるのかは依頼文には記載がないが、とりあえず『三季物語』というおそらく江戸期の和書の所蔵を調査。
当館蔵書や、国立国会図書館サーチ、CiNii Books、CiNii Articlesで文献を検索。
CiNii Booksで、筑波大学附属図書館中央図書館の所蔵が見つかる。2巻1冊の写本らしい。
2 『国書総目録』を確認。第3巻に『三季物語』が記載されており、編纂時には東京教育大学附属図書館、名古屋市立鶴舞図書館、名古屋市蓬左文庫の所蔵があることがわかる。また複製、活字翻刻等も記載がない。
3 東京教育大学は現在の筑波大学なので、他の2館の所蔵をそれぞれのウェブサイトから確認。
4 1で使用したもののほか、J-Stage、国文学研究資料館のウェブサイト上で紹介されている各種データベースでも検索したが、この図書を研究した文献は見つからない。
J-Stageを検索したところ、上記小平雪人氏の記事が見つかり、『三季物語』では木曽駒ケ岳の部分で織田信長に触れているらしい。
当館所蔵の『木曽路名所図会』秋里籬島著 臨川書店 1995年 【N292/160】の該当部分で同じ記載があることを確認。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291)
- 参考資料
- キーワード
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- 三季物語
- 木曽駒ヶ岳
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000227944