レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年9月14日
- 登録日時
- 2017/09/15 18:36
- 更新日時
- 2017/11/07 16:02
- 管理番号
- 県立長野-17-088
- 質問
-
未解決
医療の主人公は誰か。
法律でそのような疑問の回答となる条文はないということを聞いたが、実態として患者が主人公ではないかと思っている。
そうしたことに触れた文献はあるか。
- 回答
-
法律の解釈を伴う回答はいたしかねますので、「国立国会図書館サーチ」、「Webcat-plus」等で検索して抽出した文献の照会にとどめさせていただきたく存じます。
当館で契約している新聞データベース(信濃毎日新聞「信濃毎日新聞データベース」、朝日新聞「聞蔵Ⅱビジュアル」、毎日新聞「毎索」、読売新聞「ヨミダス歴史館」)で「医療の主人公」をキーワードとして検索すると、いわゆる「インフォームド・コンセント」の文脈で医療の主人公は患者とする記事が多く見られます。一方、わずかながら医師とするものも見られます。
「法的に」ということでしたので、やはり当館で契約している第一法規法情報総合データベース「D-1Law」で判例、法律文献を検索しましたが、該当する事例は見つかりませんでした。
キーワード検索した結果から目次等を確認すると、「医療の主役は患者」とする図書が多く、ほとんどは上述のように「インフォームド・コンセント」や患者の権利に関して書かれたもののようで、医療制度全体の文脈での考察ではないようです。
それらの中で、やや広い問題提起となっている岩佐氏の記事を紹介いたします。ただし、この雑誌は当館では所蔵しておらず、「国立国会図書館デジタルコレクション」の参加館送信限定資料となっていたものを確認しました。
○岩佐茂「『医療の主人公』について考える」(『民医連医療』第315号 全日本民主医療機関連合会 1998年
p51‐54
この資料の中では、
○『療養権の考察』鈴木頌著 同時代社 1997年
○『医療学概論』莇昭三著 勁草書房 1992年
○『患者の権利法をつくる』患者の権利法をつくる会編 明石書房 1992年
を紹介していますが、いずれも当館では所蔵しておらず、また、現在購入もできないようです。
また、「『患者は医療の主人公である』いうことが、おそらく日本で最初に主張された思われる」ものとして、「患者の権利宣言案」を取り上げています。
「患者の権利宣言案」については、
○鈴木利廣「患者の権利宣言」(『ジュリスト』No.826 有斐閣 1984年)p48-51を当館で所蔵しています。
また、『あなたが医療の主人公 : 患者の権利国際比較』患者の権利法をつくる会編 大月書店 1992年 という図書も発行されていますが、こちらも当館は所蔵しておりません。こちらも現在購入は不可能なようです。
医事法や医療制度に関する図書の中で節や項が作られることが多い、医師と患者の法的関係の記述も参考となるかもしれません。
当館所蔵の近年発行された図書では
○『医事法入門 第3版』手嶋豊著 有斐閣 2011年 【498.12/テユ】
○『日本の医療』島崎謙治著 東京大学出版会 2011年 【498.13/シケ】
などがあります。
- 回答プロセス
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1 医事法に関する当館資料を確認。
2 上記のウェブ上のデータベース、当館契約のデータベース等でキーワード検索。
- 事前調査事項
- NDC
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- 医学 (490)
- 衛生学.公衆衛生.予防医学 (498)
- 参考資料
- キーワード
-
- 医療制度
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000221962