ご指定の資料につきまして、以下のような記述が確認できました。
①『スパイスの歴史 薬味から香辛料へ』山田憲太郎/著 法政大学出版局【576.6/Y/10】
p.115-6に「インドのカリカット市場における香料、薬品の価格表」が掲載されています。これは、「十六世紀の初めにインドに渡来したポルトガル人が、重要市場の取引価格を調査したもので、彼らの勢力が及ぶ前夜、すなわち十五世紀末の状態を知ることができる」ものとのことです。
胡椒、丁香などの品名と、単位量(バハル)ごとの値段(単位:ファナム)が掲載されています。
②『スパイスの歴史 「食」の図書館』 フレッド・ツァラ/著 原書房【619.91/ツフ144/】
「第3章 大発見時代」に大航海時代のヨーロッパ各国の香辛料獲得に対する動きが記載されています。
ただし、一部に貿易の成果を示す文章が見られる以外は、値段についての個別具体的な記述はありません。たとえば、オランダが1598年にインドネシアに航海し、香辛料を輸入することで400パーセントにのぼる利益率をあげたと書かれています(p.92)
③『香辛料の世界史』リュシアン・ギュイヨ/著 白水社【617.6/G2/】
中世において、「香辛料の価格は非常に高かった」こと、「コショウやショウガのような珍奇な香辛料の、1リーヴル当たりの値段は、羊一等分の値段にほとんど匹敵するぐらいであった」とあります(p.18)が、②と同じく大航海時代における具体的な具体的な値段の記述は見つかりませんでした。
④『東方案内記 大航海時代叢書[第1期]8』 リンスホーテン/[著]岩波書店 【298/D2/8】
当該資料は、オランダ人の旅行家リンスホーテン(1563‐1611年)による旅行記です。彼がインドに赴いた際の見聞が記録されています。
本文にあたるリンスホーテンの記録そのものではなく、補注において「ポルトガルと胡椒」という章が設けられており、そのp.757に「1505年における香辛料価格 1キンタールあたり価格(単位:ドゥカード))」の表が掲載されていました。香料(胡椒、生薑、肉桂、丁子、肉豆蔲、カンファーの6種)ごとのインドとリスボンにおける価格が表になっています。
この表の出典は以下のとおりです。
Lach, Donald F. 1965 Asia in the Making of Europe. vol1:The Century of Discovery. 2 books.Chicago-London
以下の資料については、概観する限りではお求めの値段等の記述は確認できませんでした。
④『金と香辛料 中世における実業家の誕生』ジャン・ファヴィエ/著 春秋社【332.3/F1/】
そのほか、下記の資料を確認いたしました。
⑤『モノの世界史 刻み込まれた人類の歩み』宮崎 正勝/著 原書房【204/ミマ027/】
pp.153-156「1 「森のヨーロッパ」と「豚」と「コショウ」」
大航海時代にいたるまでのヨーロッパにおける「コショウ」の輸入環境と、独自航路開拓前後の歴史の流れが記載されています。
⑥『スパイスの人類史』 アンドリュー・ドルビー/著 原書房【619.91/トア04Z/】
個別のスパイスの特徴や説明、スパイス貿易の発展過程について書かれています。
大変申し訳ございませんが、今回の調査においては、大航海時代一般における香辛料の値段は確認できませんでした。