レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年07月23日
- 登録日時
- 2022/07/10 12:58
- 更新日時
- 2022/10/18 16:54
- 管理番号
- 埼熊-2022-016
- 質問
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解決
中国の皇帝と美術の関係が分かる資料を見たい。
皇帝がどのような絵画を所有していたか、所有していることにどのような意義があったか(権力の誇示など)について論じられているものがよい。特に清の時代のものについて知りたい。
- 回答
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以下の資料と情報を提供した。
1 図書
『うごくモノ 「美術品」の価値形成とは何か』(東京文化財研究所編 平凡社 2004)
p109-124「皇帝コレクションから国宝へ」に中国の皇帝コレクションについて記述あり。
『乾隆帝 その政治の図像学』(中野美代子著 文藝春秋 2007)
乾隆帝のもとで描かれた絵画に隠された政治的意図について書かれている。
p88-89「宋の徽宗か清の乾隆か」の項
美術を愛好した皇帝として宋の徽宗について記述あり。
『故宮物語 政治の縮図、文化の象徴を語る90話』(野嶋剛著 勉誠出版 2016)
p15-16に、乾隆帝のコレクションについての記述あり。乾隆帝が執務を行う養心殿の名品三品について「一堂に会したことを内外に誇示し、清朝の威勢を示すという意図もあった」とあり。
『神品至宝 台北國立故宮博物院 特別展』(東京国立博物館[ほか]編 NHK 2014)
2014年に東京国立博物館で行われた展覧会の図録である。関連記述あり。
『故宮博物院 第15巻 乾隆帝のコレクション』(日本放送出版協会編 日本放送出版協会 1999)
清の乾隆帝のコレクションの紹介あり。
『ふたつの故宮博物院』(野嶋剛著 新潮社 2011)
p76「中国の歴代王朝で政権が安定するとほぼ必ず、皇帝は文物の収集に血道をあげた(中略)代表格が現在の故宮コレクションの原型を作ったといわれる清朝の乾隆帝だった」とあり。
『世界の博物館 21 故宮博物院』(講談社 1978)
p142-148「皇帝と画院画家 三つのパターンに見る中国宮廷絵画」に北宋を中心に皇帝と画院の関係について記述あり。図版あり。
2 雑誌
西村康彦著「皇帝たちのコレクション (特集 故宮-紫禁城のすべて)」(『月刊しにか 2000年4月 11-4』p68-73 大修館書店 2000.4)
p68-69 周代の宮廷内の収蔵品について記述あり。
p73清朝六代乾隆帝の蒐集品の概要あり。その他、各年代の美術品蒐集について記述あり。
3 インターネット情報
《東京国立博物館》(https://www.tnm.jp/ 東京国立博物館)
「特別展「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」(https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1647)
「故宮コレクションの魅力とは?」に、北宋から南宋・元・明・清にいたる皇室のコレクションについて、「歴代の皇帝は優れた文物を収蔵し、また時には、人々を教化する目的を込めて、自らが積極的に芸術文化を導いてきました。」とあり。
- 回答プロセス
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1 参考図書を調べる。
2 自館目録を〈故宮〉〈徽宗〉〈乾隆帝〉〈蒐集〉〈美術 & NDC:222〉で検索する。
『故宮物語 政治の縮図、文化の象徴を語る90話』(野嶋剛著 勉誠出版 2016)
p15に「(石守謙『皇帝コレクションから国宝へ』)」との記述あり。
3 2で紹介されている資料『皇帝コレクションから国宝へ』を確認する。
(1)自館目録を〈皇帝コレクションから国宝へ〉で検索する。
(2)《埼玉県内図書館横断検索》(https://www.lib.pref.saitama.jp/calil/)を〈皇帝コレクションから国宝へ〉で検索する。
4 自館目録を〈故宮博物院〉で検索する。
『神品至宝 台北國立故宮博物院 特別展』(東京国立博物館(ほか)編 NHK 2014)
p14 「北宋時代(960~1279)の皇帝である徽宗が、在位期間に宮廷が所蔵する七千余りの書跡や絵画作品を系統的に記録し、『宣和書譜(せんなしょふ)』『宣和画譜(せんながふ)』として残した(後略)」とあり。
5 《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈中国皇帝 & 美術コレクション〉で検索する。
西村康彦著「皇帝たちのコレクション (特集 故宮-紫禁城のすべて)」(『月刊しにか 2000年4月 11-4』p68-73 大修館書店 2000.4)
p73「乾隆帝の蒐集品の概要は『西清古鑑(四十巻)』『西清続鑑甲・乙(四十一巻)』『寧寿鑑古(十六巻)』『石渠宝笈(四十五巻)』『石渠宝笈重編・三編(百九十六巻)』『秘殿珠林・続編(二十四巻)』などの蒐蔵目録に明らかである」とあり。
6 4、5に記載のあった蒐集目録を確認する。
(1)自館目録を〈宣和書譜〉〈宣和画譜〉〈宣和博古図録〉〈西清古鑑〉〈西清続鑑〉〈寧寿鑑古〉〈石渠宝笈〉〈秘殿珠林〉で検索する。
(2)《国立国会図書館デジタルコレクション》(https://dl.ndl.go.jp/ 国立国会図書館)を〈宣和書譜〉〈宣和画譜〉〈宣和博古図録〉〈西清古鑑〉〈西清続鑑〉〈石渠宝笈〉〈秘殿珠林〉で検索する。
(3)《Google》(http://www.google.co.jp/ Google)を〈西清古鑑〉〈西清続鑑〉〈寧寿鑑古〉〈石渠宝笈〉〈秘殿珠林〉〈中国皇帝 & 美術コレクション〉で検索する。
7 NDC番号〈722.2〉の棚を確認する。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2020年7月21日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 芸術史.美術史 (702 9版)
- 参考資料
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- 『うごくモノ「美術品」の価値形成とは何か』(東京文化財研究所編 平凡社 2004) , ISBN 4-582-20635-2
- 『乾隆帝 その政治の図像学』(中野美代子著 文藝春秋 2007) , ISBN 978-4-16-660567-5
- 『故宮物語 政治の縮図、文化の象徴を語る90話』(野嶋剛著 勉誠出版 2016) , ISBN 978-4-585-22146-3
- 『神品至宝 台北國立故宮博物院 特別展』(東京国立博物館[ほか]編 NHK 2014)
- 『故宮博物院 第15巻 乾隆帝のコレクション』(日本放送出版協会編 日本放送出版協会 1999) , ISBN 4-14-080293-6
- 『ふたつの故宮博物院』(野嶋剛著 新潮社 2011) , ISBN 978-4-10-603682-8
- 『世界の博物館 21 故宮博物院』(講談社 1978)
- 『月刊しにか 2000年4月 11-4』(大修館書店 2000.4)
- キーワード
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- 美術-中国-歴史
- 中国-歴史-清時代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 美術
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000318617