レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年06月17日
- 登録日時
- 2017/06/30 11:48
- 更新日時
- 2019/09/12 17:38
- 管理番号
- 島根郷2017-06-002
- 質問
-
解決
旧松江藩主・松平家の東京の屋敷について、明治時代以降のことがわかる資料はないか。
- 回答
-
当館所蔵資料より、下記の資料を紹介し回答。
資料1:p451-458「邸宅の変更」の章があり、p455-456に邸宅の変遷の記述あり。
明治2年正月に朝命により東京所有邸地の坪数を太政官に申告したが、後に改めて上中下邸を下賜され、麹町6丁目(1449坪)と目白台(15000坪)の下邸は官収された。
明治3年6月5日に明治政府から、東京府内の各藩の上中下賜邸・拝借抱屋敷の惣坪数を書いた書類を提出するように命令があり、7月7日にこの藩邸地を公私に分け、藩主の邸宅は官邸1ヶ所・私邸1ヶ所に制限された。これを受け、8月10日に赤坂門内の上邸を官邸とし、青山・今井・谷中の邸を私邸とし、赤坂台下邸を上納することに決まった。3年閏10月、太政官から官邸・私邸の拝借期限が向う3ヶ月間との達しがあったため、東京府内で適当な邸宅を物色し、明治4年8月牛込神楽町3丁目3番地(のち6番地に改番)の邸宅を購入し、これを新邸とした。この邸宅は旧旗本・高木義太郎、筧四郎、押田求馬の屋敷地であったが、狭かったため隣地の武澤楠之助の邸宅も購入して合併した。その広さは明治5年の地券では2338坪であった(明治9年の改正で2374坪)。
明治4年12月には牛込肴町に屋宇1ヶ所を購入(質貸店)、5年4月に北豊島郡金杉村に宅地・家尾を購入する(のちの区画改正で下谷区下根岸町38番地。根岸邸)。7月に青山今井谷抱邸(2633坪)は売却し、7年12月に牛込の本邸に隣接する岩戸町の土地102坪と土蔵・納屋を購入、8年3月には同町2番地の191坪と土蔵を購入した。
資料2:江戸時代の切絵図と現代の地図を対応させる。牛込神楽町3丁目は現在の神楽坂3丁目付近。p30-31「市ヶ谷牛込絵図」(嘉永4年)には、現在の神楽坂3丁目には「高木市太郎」の名前が見える。筧・押田・武澤は見えず。
資料3:p104-105「新助坂」の説明の中に「出羽坂」の説明があり、「坂上にに旧松江藩主の松平伯爵が神楽坂から移ってきた。松平家は江戸時代、出羽守と名のっていたので坂名になった」とあり。p111の地図によると出羽坂は新宿区南元町、JR信濃町駅から四ツ谷駅に向かう方向にある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本 (291 8版)
- 参考資料
-
-
【資料1】松平直亮 著 , 松平, 直亮, 1864-1940. 松平定安公伝. 松平直亮, 1934.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000846545-00 (当館請求記号 092.8D/60 ※貸出禁止資料) -
【資料2】人文社 企画・編集 , 人文社. 切絵図・現代図で歩く江戸東京散歩 : 江戸開府400年記念保存版. 人文社, 2002. (古地図ライブラリー ; 別冊)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004027523-00 , ISBN 4795912904 (当館請求記号 291.3/キ02) -
【資料3】山野勝 著 , 山野, 勝, 1943-. 江戸の坂 : 東京・歴史散歩ガイド. 朝日新聞社, 2006.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008325074-00 , ISBN 4022502304 (当館請求記号 291.3/ヤ06)
-
【資料1】松平直亮 著 , 松平, 直亮, 1864-1940. 松平定安公伝. 松平直亮, 1934.
- キーワード
-
- 松江藩
- 島根県
- 松平家
- 藩邸
- 屋敷地
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000218107