レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2004/07/28
- 登録日時
- 2005/02/13 02:10
- 更新日時
- 2005/02/13 02:10
- 管理番号
- r032
- 質問
-
解決
江戸時代の貨幣「ナンリョウイッペン」の「ヘン」とは何をあらわすのか。
- 回答
-
文政7年の古文書に記されているとの話。電話にて依頼を受けたが、やりと
りが困難なため、文書で送って頂く。その結果「ナンリョウ」は「南鐐」、「イッ
ペン」は「壱片」と書くことがわかる。
まず、貨幣関係資料にあたる。
「南鐐」(なんりょう)については『改訂増補古銭語事典』(大鎌淳正/著 国書
刊行会 1997)に「中世の文書に南挺・南鐐・南庭・南延の語はしばしばでて
くるが、本来は輸入された良質の銀を意味していた。室町後期からは単に
良質の銀を意味するようになった。」とある。
また、『日本貨幣カタログ 1991年版』(日本貨幣商協同組合 1990)に、
「南鐐」の名の付く貨幣「古南鐐二朱銀」(明和、安永、寛政)、「新南鐐二朱銀」
(文政南鐐)、「文政南鐐一朱銀」を確認。新南鐐二朱銀の図版には「以南鐐
八片換小判一両」とある。
『日本貨幣年表』(日本銀行金融研究所 1994)にてそれぞれの貨幣の制定
から流通、通用停止の時期を確認。
「片」について『図解単位の歴史辞典』(小泉袈裟勝/編著 柏書房 1990)
を調査。「二朱銀一枚をいう。南鐐壱片などと使う。」とある。
「二朱銀」 江戸時代、二朱(一両の八分の一)に相当した小型長方形の銀貨。
「安永南鐐銀」「安政二朱銀」「文政南鐐銀」などがある。
「南鐐」 江戸時代の銀貨、二朱銀の異称。
上記 『図解単位の歴史辞典』より抜粋。
上記により、「片」は「ニ朱銀一枚」を指すことがわかる。また、どの南鐐二朱銀か
特定を試みたが、「古南鐐」も「新南鐐」も通用していた年のため特定はできなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 貨幣.通貨 (337 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 南鐐壱片
- 二朱銀
- 古銭
- 貨幣
- 経済
- 社会科学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000019643