レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年6月11日
- 登録日時
- 2015/04/11 16:23
- 更新日時
- 2015/06/20 12:38
- 管理番号
- M0079
- 質問
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解決
釧路市内の武佐はアイヌ語「フレムサ」から名づけられた地名らしいが、緑ヶ岡も武佐に近い土地柄なので何か関連がないか、地名の由来について知りたい。
- 回答
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〈緑ヶ岡について〉
「釧路郷土史考」の緑ヶ岡の項目によると、昭和7年の字地番改正時の町名命名理由に「旧名別保原野の一部」という記載があった。
「釧路市史研究」第3輯P49では、別保川流域が別保原野と呼ばれていて、原野の南端部が現在の釧路市貝塚、武佐、緑ヶ岡など釧路市と釧路町にまたがる地域である」との記載があった。
「角川日本地名大辞典」の緑ヶ岡の項目には、「緑岡 昭和7~48年の町名、もとは釧路市大字釧路村の一部で別保原野・・・一部が昭和45年から緑ヶ岡1~6丁目・材木町に、残りが昭和48年に武佐1~5丁目となる」と記載があった。同じく武佐の項目には、「昭和7年からの町名で昭和48年からは1~5丁目がある。もとは釧路市貝塚町・緑岡・春採・桜ヶ岡、大字釧路村の各一部」と記載があった。
「北海道地名分類字典」の緑ヶ岡の項目には、「1932年大字釧路村別保からの町名」と記載があった。
〈武佐がアイヌ語に由来していることについて〉
「久摺20の話」に、「武佐はモサ(いらくさ)からきており、別保原野の一帯にいらくさが繁茂していたことによる」と記載があった。また、「釧路郷土史考」の武佐の項目によると、昭和7年の字地番改正時の町名命名理由に「旧名別保原野の一部及びフレムサにして北端は別保川を隔てて釧路村に接し、東端は凡って釧路村に隣接す・・・原名を修正して武佐と命く」とあった。
「角川日本地名大辞典」の釧路町のムサの項目には、「地名はアイヌ語のムサ(イラクサの意)、またはフレムサ(赤土のある処の意)による」と記載があった。「武佐」はアイヌ語の「ムサ(いらくさ)」または「フレムサ(赤土のある処)」に由来していると思われる。
- 回答プロセス
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釧路市内の地名については、釧路新聞で連載していた「ふるさとの地名めぐり」に何か記述があると思い、新聞データファイルから検索、「緑ヶ岡」と「武佐」につて取り上げた連載が見つかった。連載文中に出てきた資料である「釧路郷土史考」と「釧路市史研究」第3輯が館内にあるので提示し、「角川日本地名大辞典」と「北海道地名分類辞典」の項目から「緑ヶ岡」と「武佐」の関連性を調べた。その結果、「緑ヶ岡」が「武佐」と同じく別保原野の一部だったことが分かった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291)
- 参考資料
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- 釧路地方の地名を考える会. ふるさとの地名めぐり: 釧路地方の地名の由来. 釧路新聞社 (ファイル K291/K 資料コード:214796078 釧路新聞連載「ふるさとの地名めぐり」)
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会編. 角川日本地名大辞典: 1-〔1〕. 角川書店, 1987, 1654p (K290.3/N 資料コード:211118789)
- 桶作高子編. 久摺: 20の話. 釧路生活文化伝承保存研究会, 1993, 160p (K291/K/1 資料コード:210652611)
- 釧路郷土史考. 釧路市役所, 1936, 403p (K291/K 資料コード:215546791)
- 釧路市総務部地域史料室編. 釧路市史研究: 第3輯. 釧路市, 2002, 70p (K291/K/3 資料コード:214483514)
- 本多貢. 北海道地名分類字典. 北海道新聞社, 1999, 461p (K290.3/H 資料コード:212954151)
- キーワード
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- 武佐
- 緑ヶ岡
- 地名
- 由来
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000170681