レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年02月23日
- 登録日時
- 2011/04/22 02:01
- 更新日時
- 2015/07/23 00:30
- 管理番号
- 10-1A-201102-05
- 質問
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解決
昔の人は、飢饉の時、松の皮を食べたというが、どんなものか?
- 回答
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『日本大百科全書』【マツ】の項目によると、「江戸時代の飢饉(ききん)のおりには、松皮を搗(つ)き、松皮餅(もち)をつくって食べた」。
商用データベース「ルーラル電子図書館(農業・食)」より、下記の記述をご案内した。
・『食品加工総覧』加工品編 第4巻 もち (p.171-174)
「秋田県矢島町 松皮色素入りもち 松の香りと味がする伝統食品・松皮餅」
「松皮餅の由来は,度重なる飢饉などのおり,農民が試行錯誤するなかで救荒食物として用いたことが始まりといわれている。ただ,矢島町は城下町であるため,武士たちの兵糧攻めのときの食べ物とのいい伝えもあり定かではない。そのうち,より美味しく食べる方法として,松皮がもちに加えられ,もちの着色と保存性を高め,硬くならない手法として伝えられてきた。」
・『日本の食生活全集 5巻 聞き書 秋田の食事』
「鳥海山麓由利の食 魚村の食べもの 松皮もち」(p.333-334)
「由利には、珍しい松皮もちがある。これは天保・天明の飢饉のときは大きな役割を果たした救荒食であったというが、今では三月節句の三色の菱もちとして、白もち、よもぎもち、松皮もちになり、むしろ、松は長寿の表徴であり、その緑はめでたさを示し、もちは慶祝行事のお供えということから、お祝いのもちとして五穀豊穣を祈る行事の中で伝えられている。」
・『日本の食生活全集 6巻 聞き書 山形の食事』
「山形県 庄内山間の食 松皮もち」(p.278)
由来については書かれていないが、作り方あり。
- 回答プロセス
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1.商用データベース「ルーラル電子図書館(農業・食)」で調査
キーワード“松皮”で検索、5件見つかる。うち、関連する記述は下記の3件。
・『食品加工総覧』加工品編 第4巻 もち (p.171-174)
・『日本の食生活全集 5巻 聞き書 秋田の食事』(p.333-334)
・『日本の食生活全集 6巻 聞き書 山形の食事』(p.278)
2.商用データベース「Japan Knowledge(ジャパンナレッジ)」(事典・辞書等)を調査
キーワード“松皮”דもち”で全文検索、『日本大百科全書』【マツ】が見つかる。
「江戸時代の飢饉(ききん)のおりには、松皮を搗(つ)き、松皮餅(もち)をつくって食べた」との記述あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品.料理 (596 9版)
- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
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- 当館書誌ID <0080105811> 日本の食生活全集 5 聞き書 秋田の食事 農山漁村文化協会 1986.2 4-540-85066-0
- 当館書誌ID <0080132986> 日本の食生活全集 6 聞き書 山形の食事 農山漁村文化協会 1988.10 4-540-88044-6
- 商用データベース「JapanKnowledge(ジャパンナレッジ)」(事典・辞書等)『日本大百科全書』
- 商用データベース「ルーラル電子図書館」(農業・食)
- キーワード
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- 食品
- 習俗
- 松皮
- マツ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000085291