レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/02/14
- 登録日時
- 2010/06/17 02:01
- 更新日時
- 2010/07/02 13:26
- 管理番号
- 埼熊-2009-080
- 質問
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解決
前橋の「時澤」という地名の由来について知りたい。
- 回答
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所蔵資料で群馬県勢多郡富士見村時沢について記述のあった以下の説を紹介した。(群馬県勢多郡富士見村は2009年5月5日に前橋市に編入)
「トキは「研ぎ」、あるいは「削ぎ」(そぎ)と関係し、「崖」のことであろう。赤城山麓の崖下の沢を呼んだ」(『古代地名語源辞典』より)
「ときさは(解沢)」の意で雪解け水によって、土地が湿める所をいう」(『日本古代地名事典より』)
また、参考資料として『地名用語語原辞典』も紹介する。
- 回答プロセス
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『古代地名語源辞典』(東京堂出版 1981)
p214 ときさは(時沢)『和名抄』上野国勢多郡の郷名。現、群馬県勢多郡富士見村時沢。 「トキは「研ぎ」、あるいは「削ぎ」(そぎ)と関係し、「崖」のことであろう。赤城山麓の崖下の沢を呼んだ地名と思われる。」
前書きの以下の項目に編著者の地名の考え方が書かれている。
p(5)-(6)崖の地名について 以下引用
「崖および崩壊地形を意味すると思われる地名が多いのは、日本列島の地形・土壌・気候から」と書いている。
p(6)-(7)崩壊用語の転用 以下引用
「「地名を地名として取り扱う」本書編纂の基本姿勢はこれにつきる。」と書いている。
『日本古代地名事典』(新人物往来社 2001)
p149 ときざわ[時沢]
『和名抄』上野国勢多郡に「時沢郷」で見え、群馬県勢多郡富士見村時沢の地をいう。「ときさは(解沢)」の意で雪解け水によって、土地が湿める所をいうのであろう。
はしがきによれば、参考にした資料は「日本地理志料」のようである。
p3「この結果、古代地名の語原は、歴史上の要因も少なくないが、それ以上に地理的環境が大きな比重を占めていることが判明した。」
『地名用語語源辞典』(東京堂出版 1983)
p445-446 とき〔時、常、鴇、土岐、都機〕
①動詞トク(解)の連用形、「バラバラにほどける」意から「崩壊地形、浸食地形」をいうか。
②ツキの転、あるいはトコの転で、「高くなった所」をいうか。つき。とこ。
③トガの転で、「尖った所」をいうか。とが。
④「時」、「常」の用字のものには、中世の名起源のものが多い。
⑤トキ科の鳥の棲息によるものもありうるか。
解説
(略)全国的に広く分布する地名で、自然地名として①~③のように考えるのが妥当か。
p262 さわ〔沢、寒、佐和、佐波〕
解説
この用語は西日本では「湿地」の意味で使われ、東日本では「谷。渓谷」の意味とされているようである。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 『古代地名語源辞典』(東京堂出版 1981)
- 『日本古代地名事典』(新人物往来社 2001)
- 『地名用語語源辞典』(東京堂出版 1983)
- キーワード
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- 地名-前橋市-群馬県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000067964