レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/04/04
- 登録日時
- 2007/06/14 02:11
- 更新日時
- 2007/06/14 10:12
- 管理番号
- C2007M0384
- 質問
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解決
ホテルの建築費を知りたいというレファレンスを受けたが、1㎡当たりの建築単価しか判明しなかったので、調査をお願いしたい。
- 回答
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ご照会の事項に関しまして、以下の通り回答いたします(【】内は当館請求記号です)。
なお、文中の金額の表記・単位等は全て原文の記載形式に従っています。
お尋ねの「ホテルの建設費」についてですが、ここではホテルを新規に開設する場合の建設費と解釈し、既存の施設の増改築にかかる費用は含まないものとします。
レジャー関係など100の業種について事業収支シュミレーション等を掲載している『最新レジャー産業100業種モデルプラン集. 第1巻(土地活用・物販事業編)』(綜合ユニコム 2006 【DK261-H344】)の第3章(95~108ページ)では「ホテル系事業」を扱っており、シティホテル・宿泊特化型バジェットホテル・
レジャーホテルの初期投資モデルを掲載しています。ご参考までに、これらに関する記載の概要を次にまとめてご紹介します。
・シティホテル
地方中核都市に立地するシティホテル(延床面積1万3,500㎡、客室規模180室、宿泊収容人数260人、レストラン・コーヒーラウンジ・バーをフル装備)の場合、建築工事費は2,193,750千円。初期投資にはこの他に設備工事費(1,181,250千円)、什器備品費(675,000千円)等が含まれ、初期投資総額は4,437,854千円となります。
・宿泊特化型バジェットホテル
宿泊特化型バジェットホテルの平均的な規模である160室のホテル(延床面積3,300㎡、シングルルーム(15㎡)150室、ツインルーム(22㎡)10室、収容人数170人)の場合、建設工事費は386,100千円です。初期投資にはこの他に設備工事費(207,900千円)、什器備品費(99,000千円)などが含まれ、初期投資総額は883,469千円となります。
・レジャーホテル
レジャーホテルの平均的規模である30室のホテル(客室面積40㎡、延床面積2,180㎡)の場合、建築工事費は228,900千円です。初期投資にはこの他に設備工事費(228,900千円)、什器設備費104,640千円)などが含まれ、初期投資総額は621,529千円となります。
また、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するJ-NET21(http://j-net21.smrj.go.jp/index.html)にはビジネスホテルのビジネスモデル(http://j-net21.smrj.go.jp/establish/startup/jirei_h005.html)が掲載されています。ここには「人口30万~40万人程度の地方都市の繁華街に、シングル100室(レストラン・会議室・宴会場はなし)のビジネスホテルを
開業した場合の開業時の必要資金例」の記載があり、その建設費は330,000千円、開業費等を含めた初期投資総額は406,330千円とのことです。
このほか、当館で契約しておりますオンラインデータベース日経テレコン21を使い、過去3年分の日経四紙の記事を「ホテル 建設費」というキーワードで検索しましたところ、ホテルの建設費に関する記事がヒットしましたので、主要なものを次にご紹介します。
・「「スーパーホテル」、東栄、鳥取駅前に2棟目」(『日本経済新聞 中国B版』 2007年1月31日朝刊 35ページ) ※『日本経済新聞 中国B版』は当館で所蔵しておりません。
不動産賃貸業者東栄がJR鳥取駅前に建設するビジネスホテル「スーパーホテル鳥取駅前Ⅱ」に関する記事であり、建設費が約四億五千万円であることが記されています。
・「かりゆり、マリオットと沖縄でホテル」(『日経流通新聞』 2004年10月29日 17ページ 【Z85-326】)
リゾートホテル経営の「かりゆし」が米ホテルチェーン大手のマリオットグループとFC契約して開設したリゾートホテル「沖縄マリオットリゾート・かりゆしビーチ」に関する記事であり、同ホテルの建設費用が八十五億円であることが記されています。
・「ワタベ、軽井沢にホテル、来春から運営―挙式施設で集客」(『日経流通新聞』 2004年 7月27日 21ページ 【Z85-326】)
ワタベウエディングが軽井沢でホテル運営に乗り出したことを取り上げた記事です。挙式関係の施設を兼備した宿泊施設「軽井沢クリークガーデン」の建設費用は約八億円と記されています。
なお、増改築の費用も含めた数値としては、『建築統計年報』(建設物価調査会 年刊 【Z41-391】)
平成18年度版の70~71ページに「建築主別、用途別―建築物の数、床面積の合計、工事予定額」が掲載されています。 これによれば、平成17年度の「飲食店、宿泊業用建築物」の「宿泊業用」の建築物の数の総計は1,554、工事費予定額総額は27,667,146万円でした。また、建築主を会社に限定すると、建物物の数が1,195、工事費予定額が24,829,393万円でした。工事費の大小は工事の規模・内容等によって大きく異なりますが、建築主が会社の場合、1建築物あたりの平均工事費は約20,778万円となります。
調査の結果は上記の通りです。
(インターネットの最終アクセス:2007年4月3日)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
「新建築」の雑誌には少ししかなかった。「ホテル建築デザイン大全」には投資額があったが、建築費かどうかは不明。
- NDC
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- 建築計画.施工 (525 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 建築費
- ホテル
- 宿泊施設
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000035461