レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/03/23
- 登録日時
- 2010/12/20 02:00
- 更新日時
- 2011/11/01 15:46
- 管理番号
- 10-2D-201003-01
- 質問
-
解決
2009年における大阪市の路上死者数(ホームレスなどの野宿生活者の死亡者数)を知りたい。
- 回答
-
読売新聞「あるホームレスの死 凍える夜、都会の無援 愛犬にみとられ」(2005年3月27日朝刊記事)によると、「路上で死を迎えるホームレスがどれだけいるか。統計がなく実態は不明」とのこと。
古い情報だが、参考資料として以下を紹介。
1.新聞記事(大阪市立図書館多機能OMLISで、各新聞社商用データベースにて閲覧可能)
・2005年3月27日読売新聞朝刊「あるホームレスの死 凍える夜、都会の無援 愛犬にみとられ」
・1994年5月17日朝日新聞夕刊「行き倒れの街か大阪は年に235人、交通事故死を上回る」
2.雑誌掲載論文(大阪市立中央図書館所蔵)
・逢坂隆子「ホームレス者への健康支援-大阪市におけるホームレス結核患者の生と死」『都市問題研究』2005年11月号、57巻11号通巻659号(p18-42)
=2000年におこなった大阪市ホームレス死者の調査の概略紹介ならびにそこから見えてくる結核患者の 問題について。
・逢坂隆子「ホームレスの不自然死から何を見るか-大阪の野宿者死亡調査を中心にして」『地域保健』2002年9月号、33巻8号(p.72-77)
=2000年におこなった大阪市ホームレス死者の調査の概略紹介ならびに2000年度における月別の死亡者数のグラフが見られる。
3.雑誌掲載論文(大阪市立中央図書館所蔵)
・逢坂隆子他「大阪市におけるホームレス者の死亡調査」『日本公衆衛生雑誌』2003年8月号、50巻8号(p.686-696)
=2000年におこなった大阪市ホームレス死者の調査について。
近隣では大阪府立大学 羽曳野図書センターに所蔵があり、学外者の利用には公共図書館等の紹介状が必要であることを案内。
2010.12追加
週刊大阪日日「大阪市の「孤独死」事情」(2007/10/27) http://www.pressnet.co.jp/osaka/kiji/hit015.shtml (2010.12.19確認)
「大阪市では孤独死としての統計はないが、市健康福祉局では、行旅(こうろ)中に死亡し、引き取り手のない「行旅死亡人」を2004年度に131件▽05年度=105件▽06年度=101件-として発表している。 また、同市の2000年度の野宿死亡調査によると、路上死が213人発生している。」
大阪市健康福祉局より、「健康福祉統計集(事業編)」(平成20年)に、「行旅死亡人取扱いの状況」(平成16-20年度)が公開されている。
http://www.city.osaka.lg.jp/kenkofukushi/cmsfiles/contents/0000008/8146/10.pdf (2010.12.19確認)
- 回答プロセス
-
1.大阪市、大阪府が発行する人口動態に関する統計を確認。
1)『大阪市統計書 第96回 平成20年度』(大阪市,2009.3)
17-7表「死因別死亡数」があり(p202)
死因(病名・事故・自殺等)、男女別、年齢別、住居区別の数値のみで、路上死・ホームレス・野宿者など死者の身元での分類はなし。
2)『健康福祉統計集 平成18年統計編』(大阪市健康福祉局,2008.7)
第9表「死亡数、性・死因・年齢別 その5」(p.26)
大阪市統計書よりも死因が細分化された統計だが、路上死・ホームレス・野宿者などの死亡の項目はなし。
3)『死因調査統計年報 大阪府監察医務 平成17年(2005年)~平成19年(2007年)版』(大阪府監察医事務所,2009.6)
大阪府監察医が検案・解剖した、大阪市24区内で発生したいわゆる異状死体についての統計。
死因の細分化は上記2冊よりもさらに詳細だが、路上死・ホームレス・野宿者などの死亡の項目はなし。
2.商用データベース「MAGAZINEPLUS」(日外アソシエーツ雑誌論文情報)で雑誌記事を検索
“ホームレス”or“野宿者”ד死”ד大阪”で検索
検索結果より、当館の所蔵雑誌に収録されているものの内容を確認。
1)逢坂隆子「ホームレスの不自然死から何を見るか-大阪の野宿者死亡調査を中心にして」
『地域保健』2002年9月号、33巻8号(p.72-77)
「大阪府監察医事務所の2000年の資料より、2000年度における大阪市内のホームレスと思われる死者は306人」としている。
大阪府監察医事務所の資料名は明記されていない。
2)逢坂隆子「ホームレス者への健康支援-大阪市におけるホームレス結核患者の生と死」
『都市問題研究』2005年11月号、57巻11号通巻659号(p18-42)
「筆者らは(中略)、大阪府監察医事務所・大阪大学法医学教室との共同研究として、大阪市におけるホームレス者の死亡調査を実施した』とあり。
その調査報告は、p26に参考文献として挙げられている
「大阪市におけるホームレス者の死亡調査」『日本公衆衛生雑誌』2003年8月号、50巻8号(p.686-696)と思われる。
3.新聞記事を調査
商用データベース「聞蔵Ⅱビジュアル」(朝日新聞 一部記事写真閲覧可)・「ヨミダス文書館」
“ホームレス”ד死”ד統計”、“野宿者”ד死”ד統計”、“行旅”ד死亡人”ד大阪市”などの検索語で検索
1)読売新聞「あるホームレスの死 凍える夜、都会の無援 愛犬にみとられ」(2005年3月27日朝刊記事)
大阪府立大学・黒田研二氏らが2000年に大阪市内のホームレス死者についての調査をおこなったことが書かれているが、
これは2の2)で参考文献として紹介された調査と同じもの。
また、同じ記事の中で「路上で死を迎えるホームレスがどれだけいるか。統計がなく実態は不明」とも書かれている。
2)朝日新聞「行き倒れの街か大阪は 年に235人、交通事故死を上回る」(1994年5月17日夕刊記事)
1993年度の大阪市内の行旅死亡人の数は235人。
また、大阪市保護課が1988年から1993年度の市内の行旅死亡人数について述べている。
(※2010.3現在、「大阪市保護課」という部局は存在せず)
大阪市立図書館多機能OMLISでは、2010年4月より商用データベース「ヨミダス文書館」に代えて「ヨミダス歴史館」(読売新聞記事)を提供。
2010.12追加調査
大阪市の行旅死亡人の統計についてインターネットで調査
- 事前調査事項
- NDC
-
- 社会病理 (368 9版)
- 参考資料
-
- 商用データベース「聞蔵Ⅱビジュアル」(朝日新聞 一部記事写真閲覧可)
- 商用データベース「ヨミダス歴史館」(読売新聞記事)
- 商用データベース「MAGAZINEPLUS」(日外アソシエーツ雑誌論文情報)
- 逢坂隆子「ホームレス者への健康支援-大阪市におけるホームレス結核患者の生と死」『都市問題研究』2005年11月号、57巻11号通巻659号(p18-42)<当館書誌ID:5111098745>
- 逢坂隆子「ホームレスの不自然死から何を見るか-大阪の野宿者死亡調査を中心にして」『地域保健』2002年9月号、33巻8号(p.72-77)<当館書誌ID:5110383049>
-
逢坂隆子他「大阪市におけるホームレス者の死亡調査」『日本公衆衛生雑誌』2003年8月号、50巻8号(p.686-696)
- キーワード
-
- ホームレス
- 野宿者
- 行旅死亡人
- 死亡
- 大阪市
- 統計
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 商用データベース「 ヨミダス歴史館(読売新聞記事)」のコンテンツ名が、「読売新聞」から「平成」に、「人物」から「現代人名録」に変更(2011.10)。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000075676