レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年11月8日
- 登録日時
- 2015/02/03 11:13
- 更新日時
- 2015/02/24 10:23
- 管理番号
- 相市-H26-011
- 質問
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解決
昭和30年頃の結婚式では、子供が三三九度のお酌を行っており、お酌をする鉄瓶を合わせる「ガチンコ」を行うのが式の始まりの合図であった。
そのことが分かる当時の写真や文献はあるか。
- 回答
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以下の資料を提供した。
『三三九度』 神崎宣武/著 岩波書店 2001
『上鶴間の風習第一集 人生の儀礼』 上鶴間のむかし研究会/編 上鶴間公民館 1989
『近代庶民生活誌9 恋愛・結婚・家庭』 南博/他編 三一書房 1986
- 回答プロセス
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自館のOPACにて“冠婚葬祭”をキーワードに検索したところ、以下の資料がヒットした。
『冠婚葬祭』 宮田登/著 岩波書店 1990 【S385 S29363439】
→記載なし。
『冠婚葬祭のひみつ』 斎藤美奈子/著 岩波書店 2006 【S385 S25483389】
→記載なし。
『写真ものがたり昭和の暮らし7』 須藤功/著 農山漁村文化協会 2006 【382.1 S25015108】
→他館所蔵資料のため情報提供のみ。
次に、インターネット検索エンジンGoogleで“三三九度 子供”でキーワード検索をしたところ、
yahoo知恵袋にて「結婚式で子供が三三九度のお酌をする式があるが、お酌をする子供を何と呼ぶか」との質問あり。
「男蝶(おちょう)」「女蝶(めちょう)」と呼ぶことがわかった。
次に、「男蝶」「女蝶」について、自館所蔵の百科事典で調べた。
『日本大百科全書』小学館 1994 【R031】
『平凡社大百科事典』 平凡社 1984 【R031】
→記述なし
『日本国語大辞典 第2巻 第2版 いろさ‐おもは』 小学館 2001 【R813 S20937405】
→p.1210「雄蝶」の項③に「婚礼の式で、夫婦固めの杯事の際、女蝶とともに酌をする役の稚児」と記載あり。
上記の内容を踏まえ、分類38の資料を再度ブラウジングして確認した。また、K1-38(郷土)の資料も併せて確認した。
『三三九度』 神崎宣武/著 岩波書店 2001 【385 S19159904】
→p.175「酌は婿方の親戚からえらばれた七~八歳の童子と童女で、袴をつけ振り袖を着て、男蝶、女蝶ののしを飾った銚子で酌をする」
「男蝶、女蝶の金銚子を用い、少年が花嫁に、少女が花婿に酒をつぐ」
p.179「その三三九度は、大別して座敷で行なう場合と別室で行なう場合がある。(中略)そのときは、少年と少女を酌人にたてる」
p.180少年少女が酌をする写真あり
『上鶴間の風習 第一集 人生の儀礼』 上鶴間のむかし研究会/編 上鶴間公民館 1989 【K1-38 S07209398】
→P.12「婿方の仲人の指図で床の間の雄蝶雌蝶を結んだ銚子を、前に松明をもった子供の男児に雄蝶、女児に雌蝶をもたせて座敷の中央に座らせる。(中略)男児は女児の右側を回りながら銚子を互いに打ち付ける。飲み終われば盃を取って、今度も同時様に打ち当てて回り。男児は花嫁へ女児は花婿へと酒を差す。(略)このことを「カッチラコン」といい、子供は小学校入学前くらいの両親の揃っている者が親戚などから選ばれるのである。」
『近代庶民生活誌9 恋愛・結婚・家庭』 南博/他編 三一書房 1986 【382 S07716111】
→三三九度についての記述はあるが、子供が盃を注ぐことについては記述なし。
※【】の中は自館の請求記号と資料コードです。
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (38)
- 参考資料
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- 『三三九度』 神崎宣武/著 岩波書店 2001
- 『上鶴間の風習 第一集 人生の儀礼』 上鶴間のむかし研究会/編 上鶴間公民館 1989
- キーワード
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- 三三九度
- カチンコ
- 結婚式
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000167109