レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年08月09日
- 登録日時
- 2018/10/26 11:16
- 更新日時
- 2018/10/26 14:56
- 管理番号
- 9000023872
- 質問
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解決
「日薬(ヒグスリ)」という言葉はあるか。
- 回答
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「日薬」は確認できなかったが、「日にち薬」という言葉は下記資料に見られた。
『大阪ことば事典』(牧村 史陽/編 講談社 2004)p.600
→「ヒニチグスリ(日日薬)」日数を重ねてじっと養生していれば病気や怪我が自然によくなってくる意
『京都府方言辞典』和泉事典シリーズ(中井 幸比古/著 和泉書院 2002)p.423
→「ヒニチグスリ」日数を経ると、薬と同じ効果があること。
『三省堂国語辞典』第7版(見坊 豪紀/編 三省堂 2014)p.1288
→「ひにち[日(日)]」の例文…「日日薬〔=あとは日にちがたてば自然とよくなること〕」
『現代日本語方言大辞典』2 え〜く(平山 輝男/[ほか]編集 明治書院 1992)p.1617
→「クスリ」【兵庫】薬を用いないで、日数がたてば自然とよくなることを「ヒニチグスリ」という。
- 回答プロセス
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1. インターネットで検索
→「日にち薬(ひにちぐすり)」という言葉はみられる。関西方面で言われているよう。
「時薬(ときぐすり)」とも呼ばれているか。
2. 国立国会図書館サーチで検索
→「ひにちぐすり」が「デジタル大辞泉」にヒット
3. 自館所蔵『大辞泉』下巻 せ-ん(松村 明/監修 小学館 2012)を確認
→掲載なし。周辺の国語辞典にも記述なし。
4. 1より記事抜粋に「日にち薬」の記述が見られたことから、ヨミダスを検索
→2008(平成20)年1月10日の記事内に「三省堂国語辞典」が新しく収録した語に「日にち薬」があると記述有り。(2008年1月発行第6版所蔵なし。2014年1月発行第7版には記述有り。)
5. 1より関西方面で使われているとの情報から、方言を確認
→「ひにちぐすり」が確認できる。『京都府方言辞典』『大阪ことば辞典』に掲載あり。
- 事前調査事項
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『広辞苑』は確認済み。
- NDC
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- 語源.意味[語義] (812 9版)
- 方言.訛語 (818 9版)
- 参考資料
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牧村史陽 編 , 牧村, 史陽, 1898-. 大阪ことば事典 新版. 講談社, 2004.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007554709-00 , ISBN 406212386X (p.600) -
中井幸比古 著 , 中井, 幸比古, 1957-. 京都府方言辞典. 和泉書院, 2002. (和泉事典シリーズ ; 12)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003577853-00 , ISBN 4757601662 (p.423) -
見坊豪紀, 市川孝, 飛田良文, 山崎誠, 飯間浩明, 塩田雄大 編 , 見坊, 豪紀, 1914-1992 , 市川, 孝, 1927- , 飛田, 良文, 1933-. 三省堂国語辞典 第7版. 三省堂, 2014.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025046554-00 , ISBN 9784385139265 (p.1288) -
平山輝男 [ほか]編著 , 平山, 輝男, 1909-2005. 現代日本語方言大辞典 第2巻. 明治書院, 1992.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002307912-00 , ISBN 4625521386 (p.1617) - 読売新聞縮刷版 平成20年1月号 (p.464(平成20年1月10日12面))
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牧村史陽 編 , 牧村, 史陽, 1898-. 大阪ことば事典 新版. 講談社, 2004.
- キーワード
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- 日薬
- 日にち薬
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000244448