レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年04月26日
- 登録日時
- 2016/09/21 14:58
- 更新日時
- 2016/11/02 16:02
- 管理番号
- 埼久-2016-065
- 質問
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未解決
子ども向けの本で、江戸時代の民話「釣り舟清次(つりふねせいじ)」又は「釣り船清次」を語るテキストを探している。
- 回答
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語りのテキストに適した資料は見あたらなかった。参考に、釣り舟清次について記述等のあった資料を紹介した。
1 CD
『寄席の噺ホールの噺・古典落語の巨匠たち』(林家彦六(口演) テイチクエンタテインメント 2000)
土師清二作「釣り船清次」収録
2 図書
『東京の民間信仰』(長沢利明著 三弥井書店 1989)
p54-89「釣船神社の系譜」あり。調査した資料の中では最も詳しい。
「釣船神社御由緒」あり。上記、土師清二作の落語「釣舟清次」のあらましも書かれている。また、注として出典となった参考文献が14点掲出されている。
『疫神とその周辺 民俗民芸双書 98』(大島建彦著 岩崎美術社 1985)
p95-111「釣船清次の信仰」あり。釣船神社の信仰について詳しく書かれており、以下資料2点の書上も収録されている。
『大田南畝全集 第11巻 随筆』(大田南畝著 岩波書店 1988)
p112-113「半日閑話 巻3」に「釣船清次の書上」あり。寛政2年に清次の話を奉行所が取り調べ、書き付けたものを筆写した形をとる。
『日本随筆大成 第1期 第8巻』(吉川弘文館 1975)
p109-110「半日閑話」に「釣船清次が事」あり。『東京の民間信仰』と同内容である。
『川柳大辞典 上巻』(大曲駒村編著 高橋書店 1962)
p912〈せいじ 清次〉の項に、釣船神社の異称として縁起を含め8行の記述あり。
『共古随筆 東洋文庫 588』(山中共古著 平凡社 1995)
p229-230「(六十九)釣舟清次」に守札についての記述あり。
『重宝記資料集成 第12巻 文字尽』(長友千代治編 臨川書店 2004)
p417「新版不正誤字小野〔ガバカムラ〕〔ウソ〕字尽」「平生不用無重宝記小野〔ガバカムラ〕〔ウソ〕字尽」に「○やくびやうよけの札」として「釣舟清次宿」と書かれた札あり。
『江戸年中行事 中公文庫』(三田村鳶魚編 朝倉治彦校訂 中央公論社 1981)
p206 「[五月]廿四日 ○南八丁堀舟宿駿河屋清次より疫病除の守札を出す。」という「武江遊観志略」の記述あり。
p333 「[五月]廿四日 ○南八丁堀するがや清次方にて疫病除の守りを出す、初代清次、品川沖にて疫神にさづかりし守り也。」という「東都遊覧年中行事」の記述あり。
3 雑誌記事
《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)
宮本升平著「除疫呪符についての一考察 -その縁起譚の比較を通して-」(『常民文化 23号』p63-78 2000.3)
p67-69「(一)『釣船清次』の縁起譚」に記述あり。
大島建彦著「疫神歓待の伝承」(『日本民俗学 138号』p1-11 1981.11)
表紙裏 釣船清次の守り札の図版あり。
p4 釣船清次の伝承について、『関東の民間療法』、「小野[バカムラ]謔字尽」掲載の守り札について記述あり。
p5 「疫神伝承一覧表」に『桧枝岐民俗誌』、「半日閑話」の伝承あり。
p6-7 福島県桧枝岐村(今野円輔「桧枝岐民俗誌」)、江戸(大田南畝「半日閑話」)、埼玉県川口市(「西郊民俗 95-96号」)の伝承について記述あり。
4 新聞記事
《聞蔵Ⅱビジュアル》(朝日新聞社)
「彼虎列的除の呪なひ…」『朝日新聞 1879年7月23日大阪/朝刊 4頁1段』
「東京の迷信(30) 釣船清次(感冒)」『朝日新聞 1907年12月4日東京/朝刊 6頁7段』
「釣舟清次_落語の四季」『朝日新聞 1986年7月2日東京/夕刊 12頁5段』 土師清二氏の作品とあり。
5 《国会図書館デジタルコレクション》「墓碑史蹟研究. 第2巻」(磯ケ谷紫江著 後苑荘 昭和2-10)
44-45コマに釣船清次の墓について記述あり。「有名な侠客」とあり。(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1242802 国会図書館)
- 回答プロセス
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1 自館目録を〈釣り船清次〉で検索する。
2 《国会図書館サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国会図書館)を〈釣船清次〉〈釣り船清次〉で検索するが該当なし。
3 《Google》(https://www.google.co.jp/ Google)を〈釣船清次〉で検索、個人サイトに「釣り船清次の御礼」という話が、東京都の民話として紹介されていた。出典は《福娘童話集》(http://hukumusume.com/douwa/new/03/06.htm 福娘童話集)
4 東京都の民話に関する自館資料を調査するが、該当なし。
5 一般書を調査する。(回答資料)
6 《聞蔵Ⅱビジュアル》(朝日新聞社)を〈釣船清次〉〈釣舟清次〉で検索する。(回答情報)
7 土師清二と林家彦六の著作を調査する。(回答資料)
8 《国会図書館デジタルコレクション》(http://dl.ndl.go.jp/ 国会図書館)
「集古 丁丑(4)」(集古会 1937)国立国会図書館/図書館送信参加館内公開
p6-7(コマ番号7)に、「釣船淸次」(三村淸三郞著)あり。「新撰東京名所図会 第三十編 京橋区 二巻 釣船神社の項に」ある釣船神社の由緒として、釣船清次の逸話が引用されている。また、「蜀山人の半日閑話に釣船清次が事として、左の書上げがある、これが恐らく実説であらふ。」とあり。(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1890791 国会図書館)
「西郊民俗(95)」([西郊民俗談話会] 1981)
p15-19(コマ番号11-13)「釣船清次の信仰(上) 」(大島建彦著)
釣船神社の由来については「京橋区史 上巻の二」「中央区史 上巻の二」から、また釣船清次のいわれについては「桧枝岐民俗誌」からの引用あり。釣船信仰は川口市など埼玉県にも伝わったとの記述あり。(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/6064341 国会図書館)
「西郊民俗(96)」([西郊民俗談話会] 1981.9)
p19-22(コマ番号11-13)「釣船清次の信仰(下) 」(大島建彦著)信仰についての考証のみ。(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/6064342 国会図書館)
ウェブサイト・データベースの最終確認日は2016年5月7日。
- 事前調査事項
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調査済み資料
《国会図書館レファレンス協同データベース》(https://crd.ndl.go.jp/ 国会図書館)
『日本昔話百選』(稲田浩二[ほか]編著 三省堂 1990)『東京都の民話 県別ふるさとの民話 18』(日本児童文学者協会編 偕成社 1980)『定本 日本の民話』(未来社)『日本の昔話』(福音館書店)『子どもに語る日本の昔話』(こぐま社)『子どもに贈る昔ばなし 4、8、15』(小澤昔ばなし研究所)
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 児童文学研究 (909 9版)
- 評論.エッセイ.随筆 (914 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 釣り舟清次
- 釣り船清次
- 釣舟清次
- 釣船清次
- 民話-東京都
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 児童
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000197117