レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年02月15日
- 登録日時
- 2012/02/15 17:38
- 更新日時
- 2012/02/29 10:47
- 管理番号
- 20120215-14
- 質問
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解決
タカミムスヒについて知りたい。
- 回答
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『国史大辞典』に次の情報があった。
たかみむすびのかみ【高皇産霊神】
「『古事記』では高御産巣日神と書く。別名高木神。『古事記』や『日本書紀』神代七代章第四の一書によると宇宙のはじめに、高天原に出現した三柱の始原の神(造化の三神)の一神。名義は、ムス(生成)とヒ(神霊)との合成語に、高大さを表わすタカが付いたもの。宇宙の生成を掌る神という意味を持つ。『日本書紀』の顕宗天皇三年二月条にも、この神は天地を鎔造(ようぞう、とかして造る)したと記されているから、創造神としての機能を持つと信じられたことを示している。またこの神は、記紀の天孫降臨や神武天皇の東征などの説話では、高天原の最高神格として、皇祖神天照大神とならんで、天磐座に坐し、命令を下している。ことに、『日本書紀』の本文の伝えでは、この神だけが皇孫瓊瓊杵(ににぎ)尊(邇邇芸命)を真床追衾(まとこおうふすま、神聖な床をおおう布団)に包んで、天降りさせている。こんなことから、この神が、天照大神よりは古い皇室本来の神であり、大和朝廷の貴族たちの奉じる生産の神、農耕神ではなかったかともいわれる。(以下略)」
参考文献:
折口信夫『古代研究』民俗学篇二(『折口信夫全集』三)
三品彰英『建国神話の諸問題』(『三品彰英論文集』二)
石田英一郎・江上波夫・岡正雄・八幡一郎『日本民族の起原』
松前健『古代伝承と宮廷祭祀』
- 回答プロセス
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Yahoo!百科事典[日本大百科全書(小学館)]に次の情報があった。
高御産巣日神(たかみむすびのかみ)
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E9%AB%98%E5%BE%A1%E7%94%A3%E5%B7%A3%E6%97%A5%E7%A5%9E/ (2012/02/15確認)
「神名の中心は生成の意の「ムス」、神霊の意の「ヒ」で、「顕宗(けんそう)紀」3年の月神の託宣に「我が祖」とあり、天地を鋳造した功ありとある。しかし、記紀神話にはこの神の創造の働きはなく、神祇(じんぎ)官の八神殿や新嘗(にいなめ)祭の斎場に、この神が食物神とともに祀(まつ)られている点からみれば、農耕にかかわる生成神がその原質であった。また、国譲りの使者や降臨神を派遣する主宰神であり、『日本書紀』の国譲り条で皇祖とよぶ点からみて、皇祖神と考えられていた時期が推定される。この神の基盤には多くのムスヒの神があり、そのなかでこの神が天神(あまつかみ)系の主宰神、神産巣日神(かみむすびのかみ)が国神(くにつかみ)系の主宰神として分化成立した時期がある。そのような信仰の歴史を踏まえ、この二神が天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)とともに『古事記』冒頭に据えられたのであろう。(以下略)」
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 神話.神話学 (164 9版)
- 参考資料
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- 神道史大辞典 / 薗田稔, 橋本政宣編 吉川弘文館 , 2004 ISBN:4642013407 p.642
- 日本神話事典 / 青木周平[ほか]編 大和書房 , 1997 ISBN:4479840435 p.192
- 日本神名辞典 第2版 神社新報社 , 1995 ISBN:4915265668 p.234
- キーワード
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- タカミムスビ
- 高御産巣日神
- 高皇産霊神
- 高皇産霊尊
- 日本神話
- たかみむすび
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000101653