レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/01/17
- 登録日時
- 2020/10/05 00:30
- 更新日時
- 2020/10/06 09:23
- 管理番号
- 所沢椿峰-2020-006
- 質問
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解決
助詞の使い方について教えている本はないか。自分で詠む俳句に幅が出ればと考えている。
- 回答
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助詞は、活用しない付属語で自立語等の下に付き、関係を示したり意味を添えたりする語です。また、一句の主題を示し、声調を整えます。格助詞、接続助詞、係助詞、副助詞、終助詞、間投助詞の6つに分類されます。
(参考:『俳句で楽しく文語文法』 山西雅子/著 角川書店 2004年より 『俳句文法入門』 七田谷まりうす/監修 飯塚書店 2016年より)
下記資料に記載があります。
〇『俳句で楽しく文語文法』 山西雅子/著 角川書店 2004年
〇『俳句文法心得帖』 中岡毅雄/著 NHK出版 2011年
〇『俳句文法入門』 七田谷まりうす/監修 飯塚書店 2016年
〇『俳句のための文語文法入門』 佐藤郁良/著 角川学芸出版 2011年
〇『俳句のための文語文法実作編』 佐藤郁良/著 KADOKAWA 2017年
〇『俳句のギモンに答えます』 岸本尚毅/著 角川学芸出版 2012年
〇『はじめての俳句づくり』 辻桃子/著 日本文芸社 2006年
〇『はじめてのやさしい俳句のつくりかた』 辻桃子/著 日本文芸社 2014年
〇『ゼロから始める俳句入門』 大高翔/監修 KADOKAWA 2014年
〇『俳句技法入門』 飯塚書店編集部/編 飯塚書店 2016年
〇『決定版俳句入門』 有馬朗人/監修 角川学芸出版 2012年
〇『知識ゼロからの俳句入門』 金子兜太/著 幻冬舎 2006年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『俳句で楽しく文語文法』 山西雅子/著 角川書店 2004年
p185-225「第六章 助詞」において、助詞毎に俳句を例に挙げ助詞の働きや効果、取り入れ方について記載されている。また、俳句の中から助詞を抜き出す問題と回答も記載されている。
〇『俳句文法心得帖』 中岡毅雄/著 NHK出版 2011年
p203-210「第六章 助詞~助詞とはなにか・格助詞・副助詞」の「助詞とはなにか」の項で、俳句における助詞の見分け方や用法、現代語にはない助詞や助詞の種類について、俳句を例に挙げ記載されている。
p211-298「第六章 助詞~助詞とはなにか・格助詞・副助詞」「第七章 助詞~係助詞」「第八章 助詞~接続助詞・終助詞・間投助詞」において、助詞毎に意味を述べ基本的な用法や応用方法について俳句を例に記載されている。
特に、p244~246にかけて「係結びの法則」について意味と俳句の例が記載されている。これは、通常の文は終止形で言い切るが、係助詞「ぞ」「なむ」(強意)「や」「か」(疑問)「こそ」(強意)が文中にある場合は、文末を連体形などで結ぶことを意味する。係助詞「や」が発展して現在俳句で効果的に用いられる「切字」になったことも触れられており、助詞の歴史を知ることができる。また、助詞を抜いた俳句に対して適切な助詞を問う問題と回答も掲載されている。
〇『俳句文法入門』 七田谷まりうす/監修 飯塚書店 2016年
p10-11「第一章 俳句の形式と季語」に「切字」について記載されている。
切字は俳句の形式とリズムに変化を与え、意味の区切りや断定のほか感動や詠嘆を表して俳句の表現を豊かにすると記載されている。切字の代表的なものに句の詠嘆を表す「や」と「かな」(助詞)、「けり」(助動詞)があり、俳句を例に表現の効果ついて記載されている。
p138-175「第四章 言葉の使い方 助詞」において、助詞毎に意味を述べ基本的な用法について俳句を例に挙げ記載されている。
巻末に「文語助詞一覧表」が収録されており、助詞毎に意味や用法、口語訳、句の最後に接続する言葉の形が表でまとめられている。
〇『俳句のための文語文法入門』 佐藤郁良/著 角川学芸出版 2011年
p23-31「第一章 「や」「かな」「けり」の正しい使い方」において、切字である「や」と「かな」(助詞)、「けり」(助動詞)の意味や使い方、切字の理解を深めるための問題と回答が記載されている。「や」は詠嘆を表す間投助詞で文中や文末に、「かな」も詠嘆を表す終助詞で俳句の末尾に用いられることが多いと記載されている。
p157-194「第七章 助詞」に助詞の意味や分類、助詞毎に意味を述べ基本的な用法について現代文の一文や俳句を例に挙げ記載されている。また俳句から助詞を抜き出す問題や助詞の意味を選択する問題などが回答と共に掲載されている。また、「文法間違い早見表」が付録であり、句作の参考となるようまとめられている。
〇『俳句のための文語文法実作編』 佐藤郁良/著 KADOKAWA 2017年
p9-34「第一章 切字「や」「かな」「けり」の用法」に、切字である「や」と「かな」(助詞)、「けり」(助動詞)の使い分けや効果的な使い方について記載されている。
特にp11-14に切字の働きとして、句中に意味上の断絶があることを表す働きと詠嘆の意味を添えて句を締めくくる働きの2点があると記載されている。前者は主に「や」で後者は「かな」(名詞(事象)に詠嘆を添える)と「けり」(動詞(行為)に詠嘆を添える)であると紹介されている。俳句を例に切字の働きが記載されており、俳句中に入れる切字を問う問題や回答も掲載されている。
p89-126「第3章 助詞の用法」に助詞毎に意味を述べ基本的な用法から効果的に助詞を使い句の広がりを持たせる応用的な用法まで、俳句を例に記載されている。
また情景を表す文章から実際に俳句を作る問題などが回答と共に掲載されており、前述の入門編から更に実践的な内容となっている。また、「文法間違い早見表」が付録であり、句作の参考となるようまとめられている。
〇『俳句のギモンに答えます』 岸本尚毅/著 角川学芸出版 2012年
p140~148「Ⅳ 文体・文法」「切れ字」の項で、切字「や」「かな」「けり」について俳句を例に、切字なしの俳句と切字を入れた俳句を比較して切字の効果について記載されている。
また上五(句の上から五番目が切字により句の意味が切れる)が「や」の場合の句末や、複数の切字を用いる例についても記載されている。
p172-174「助詞の「は」と「が」」の項で、俳句を例に挙げ比較しながら助詞の「は」と「が」が俳句にもたらす効果について記載されている。
〇『はじめての俳句づくり』 辻桃子/著 日本文芸社 2006年
p42-50「第二章 俳句づくりの基本」の「切字を大いにはたらかせる」「切字の「や」「かな」「けり」」の項で、切字とはその字が入っているところで一句を大きく区切り、間を与え、余韻を残して読み手の想像力を喚起させて作者の感動や言いたいことを強める働きをすると記載されている。切字を生かした秀句も紹介されている。
p139-145「第三章 実作と添削~俳句づくりの実際」において、切字の「や」「かな」「けり」を俳句中で活かす方法や効果的に切字を使う方法を紹介し、切字のない原句と切字を入れた添削例を比較して実作の要点について記載されている。また、上五(句の上から四番目と五番目)に「かな」を入れることは初心の内は避けるなどの技法も紹介されている。
p153-154「助詞のつかい方は適切か」の項で、俳句の原句と添削例、著者の実作例を比較して助詞の選び方や使い方によって句の印象が異なることが記載されている。
〇『はじめてのやさしい俳句のつくりかた』 辻桃子/著 日本文芸社 2014年
p52-55「第二章 俳句づくりの基本を知りましょう」「俳句に欠かせない切字」の項で、切字の意味や効果を俳句の例を挙げて記載されている。
また、代表的な切字について「や」は強調、「かな」は余韻、「けり」(助動詞)は断言を表すことを俳句の例を挙げ、切字の効果や句の解釈が記載されている。
p110-115「第四章 添削で句作をレベルアップしましょう」「切字をいかす」の項で、切字の「や」「かな」「けり」を効果的に使う方法を原句と添削例、著者の実作例で比較し解説を加えている。
また、「上五・下五を意識する」の項で、上五の「かな」や下五の「や」止めは避けるなど切字を用いる位置について原句と添削例を比較して記載されている。
p120「ことばは正しくつかう」「助詞をただしくつかう」の項で、助詞によって句の意味が全く異なることを、原句と添削例、著者の実作例で比較し解説を加えている。
意味の取り違いがないよう、正確な助詞を選ぶよう記載されている。
〇『ゼロから始める俳句入門』 大高翔/監修 KADOKAWA 2014年
p32-33「第一章 俳句の基礎知識」「切字ーや・かな・けり」の項で、切字の意味や代表的な切字「や」「かな」「けり」」を用いた俳句を例に挙げ、句の詠嘆や格調を高める効果について記載されている。
p88-93「第三章 俳句のレベルを上げる」で切字「や」「かな」「けり」の効果的な使い方について、俳句を例に挙げて記載されている。またp90にはともに感動を強調し余韻を残す「や」と「かな」について、使い分け方法の要点が記載されている。
p120-121「第四章 写生の俳句を詠む」「「の」の多用」の項で、俳句を例に挙げ助詞「の」の効果的な使い方について記載されている。俳句における「の」は、軽い切れを演出し、句中に2つ使用するとリズミカルな響きをもたらすと記載されている。
p136-137「第五章 推敲」「助詞を吟味する」の項で、俳句を例に挙げ、助詞は正しく使われているのか吟味する必要があると記載されている。また、助詞「て」「に」「を」「は」「で」「の」「も」「から・より」それぞれの意味と俳句を例に挙げ解説を加えている。
〇『俳句技法入門』 飯塚書店編集部/編 飯塚書店 2016年
p26-39「第一章 俳句の基礎知識」「切れ字」の項で、切れ字は形式とリズムに変化や意味を与え完結性をもたらすと記載されている。また、短詩形のため表現できないことを切れ字により断切することで沈黙の「間」に暗示や連想させる効果や言葉の強調、余情、詠嘆などを表し気品を与えると記載されている。
代表的な切れ字「や」「かな」「けり」のほか、切れ字「よ」(終助詞)や「か」(終助詞)、「の」(格助詞)や「も」(係助詞、終助詞)など様々な助詞を用いた俳句を紹介している。
p80-90「第二章 俳句に使う言葉」「てにをは」の項で、「てにをは」とは助詞を指し、助詞の言葉は短いものが多く、語と語の関係を示して、一つのまとまった考え方や感動を筋道の通ったものにすると記載されている。
また、俳句における助詞「て」「に」「を」「は」の意味や使い方、効果について俳句を例に挙げて記載されている。
〇『決定版俳句入門』 有馬朗人/監修 角川学芸出版 2012年
p16-17「Ⅰ俳句の基本ー基礎篇」「切字の効果」の項で、切字の生まれた歴史背景や効果について記載されている。
短歌から連歌が生まれ、俳諧、連句と変化し発句(冒頭の五七五)が単体で詠まれるようになり、俳句と呼ばれるようになったと記載されている。俳句は、五七五七七の短歌から七七を切り離した「切れ」があり、切字はそのために使われると記載されている。切字には詠嘆や省略、格調の意味を俳句に与え短い言葉の中で完結した世界を生み出すと記載されている。
p58-61「Ⅱ俳句を作るー実作篇」「「てにをは」を工夫する」の項で、俳句における助詞「の」や「は」、「に」や「も」の効果的な用法や違いについて俳句を例に記載されている。
〇『知識ゼロからの俳句入門』 金子兜太/著 幻冬舎 2006年
p48-49「第2章 間が題材を印象的にする」「心に響く「間」の作り方」の項で、俳句の「切れ」と切れを生む「切字」について記載されている。句の言葉が短い俳句において、「切れ」があることで気持ちや情景が省略され「間」や余韻が生まれ、句が引き締まると記載されている。
p50-65に切字毎に俳句を例に挙げて効果的な用法について記載されており、俳句の鑑賞もできる。また、切字は基本的に1句に1つ用いる方法や、切字を置く場所(句が切れる場所)について「初句切れ」「二句切れ」「下五で切れる」の3方法が俳句を例に挙げて紹介されている。
切字は、他の言葉と結びつくことでその言葉に余韻を持たせることができ、代表的な切字には「や」「かな」「けり」があると紹介されている。
p68-69「助詞を使って切れ目を減らす」の項に、句の上五・中七・下五それぞれが切れている「三段切れ」の俳句を例に挙げ、三段切れにも名句はあるものの、一般的に切れ目が多すぎると焦点がぼやけるため、句の中心を決め助詞を使って切れ目を減らし伝わりやすい句にする方法を紹介している。
p144-145「第5章 推敲が名句を作る」「助詞の使い方に気をつける」の項で、助詞が適切に使われることで句の意味が分かりやすくなり印象が良くなるので、俳句の中でその助詞が正しく使われているかどうか吟味する必要があると俳句を例に挙げて記載されている。
- 事前調査事項
- NDC
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- 文法.語法 (815 9版)
- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 俳句で楽しく文語文法 山西雅子/著 角川書店 2004.5 815 4-04-703365-0
- 俳句文法心得帖 中岡毅雄/著 NHK出版 2011.3 911.3 978-4-14-016189-0
- 俳句文法入門 七田谷まりうす/監修 飯塚書店 2016.7 911.307 978-4-7522-2078-7
- 俳句のための文語文法入門 佐藤郁良/著 角川学芸出版 2011.12 911.307 978-4-04-652603-8
- 俳句のための文語文法実作編 佐藤郁良/著 KADOKAWA 2017.6 911.307 978-4-04-400241-1
- 俳句のギモンに答えます 岸本尚毅/著 角川学芸出版 2012.4 911.307 978-4-04-652609-0
- はじめての俳句づくり 辻桃子/著 日本文芸社 2006.7 911.307 4-537-20465-6
- はじめてのやさしい俳句のつくりかた 辻桃子/著 日本文芸社 2014.9 911.307 978-4-537-21211-2
- ゼロから始める俳句入門 大高翔/監修 KADOKAWA 2014.7 911.307 978-4-04-066926-7
- 俳句技法入門 飯塚書店編集部/編 飯塚書店 2016.1 911.307 978-4-7522-2077-0
- 決定版俳句入門 有馬朗人/監修 角川学芸出版 2012.6 911.307 978-4-04-652612-0
- 知識ゼロからの俳句入門 金子兜太/著 幻冬舎 2006.11 911.307 4-344-90093-6
- キーワード
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- 助詞
- 切字
- 切れ
- 文法
- 技法
- 文語
- 俳句
- 俳諧
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000287877