レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年08月05日
- 登録日時
- 2016/09/09 11:45
- 更新日時
- 2016/11/02 16:01
- 管理番号
- 埼久-2016-062
- 質問
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解決
「玉だれの よのねしづかに かぎろひの 影くだちゆく ぼたんのともしび」という和歌が伊藤左千夫の作品と聞いたが、出典が知りたい。また作者が違っている場合は、正しい作者を知りたい。
- 回答
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「玉たれの夜の音靜かにかぎろひの影くだちゆく牡丹の燈火」の作者は伊藤左千夫であることが判明した。
この歌の初出はわからないが、雑誌「小天地 第1巻9号」(金尾文淵堂 1901)(日本近代文学館ほか所蔵)に掲載されている。
- 回答プロセス
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《Google ブックス》(http://books.google.co.jp/ Google)を〈玉たれの & 牡丹〉で検索する。
『左千夫全集 第1巻 歌集』(伊藤左千夫著 土屋文明編 岩波書店 1977)
p126 「牡丹六章」のうちの1首に「玉たれの夜の音静かにかぎろひの影くだちゆく牡丹の燈火」あり。脚注に「『小天地』一の九(34・7・15)に上掲本文の題で六首①-⑥(「署」左千夫)掲載。」とあり。
『アララギ 66(1)』(アララギ発行所 1973)
p38-41 宮地伸一「左千夫歌集雑記(続)」のうち、p40に「「雨夜の牡丹」のことなど」の一節あり。「『増訂左千夫歌集』に「十首中録九首」とあるが、初出が不明なので山本英吉氏の教示を仰いだところ、氏も十首全体が何に発表されたか分らぬが、ただ「小天地」第一巻九号(明治三十四年七月十五日)にその中の六首が載っていると紹介された。その中の一首「玉たれの夜の音静かにかぎろひの影くだちゆく牡丹の燈火」は、『増訂左千夫歌集』に見えぬから、これが十首の中で省かれた一首だったのであらう。」とあり。
《国会図書館 NDL-OPAC》(https://ndlopac.ndl.go.jp/ 国会図書館)を〈小天地〉で検索する。
「小天地」(金尾文淵堂 1900-)が該当の雑誌と思われる。ただし国立国会図書館では該当号は未所蔵である。
《CiNii Books》(http://ci.nii.ac.jp/books/ 国立情報学研究所)を〈小天地 & 金尾文淵堂〉で検索する。
該当号は日本近代文学館ほかで所蔵あり。
調査済み資料
『新編国歌大観』(「新編国歌大観」編集委員会監修 角川書店 2003)
『現代短歌分類辞典 29巻 自だに至たる』(津端亨編纂 現代短歌分類辞典刊行所 1993)
『現代短歌分類修成』(千勝三喜男編 おうふう 2006)
『角川現代短歌集成 1-4』(角川学芸出版 2009)
『角川現代短歌集成 別巻』(角川学芸出版 2009)
『現代短歌大事典』(大島史洋〔ほか〕編 篠弘監修 三省堂 2000)
『現代短歌分類集成 20世紀“うた”の万華鏡』(千勝三喜男編 おうふう 2006)
『日本うたことば表現辞典 全15巻』(日本うたことば表現辞典刊行会編 大岡信監修 遊子館 1997-2010)
ウェブサイト・データベースの最終アクセスは2016年8月5日。
- 事前調査事項
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調査済み資料
「日本現代文学全集26」
「日本古典文学大系 索引」
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 『左千夫全集 第1巻 歌集』(伊藤左千夫著 土屋文明編 岩波書店 1977)
- 『アララギ 66(1)』(アララギ発行所 1973)
- キーワード
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- 伊藤 左千夫(イトウ サチオ)
- 和歌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000196762