レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008年06月17日
- 登録日時
- 2008/08/20 17:31
- 更新日時
- 2008/08/22 16:20
- 管理番号
- NIER2008048
- 質問
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解決
昭和18年度の学徒動員について、
①東京品川区の旧制立正中学校2年生の通年学徒動員実態があったか
昭和19年度については、通年勤労学徒がS19.3合法化、
S19.5に厚生労働省で賃金について決定していることは分かっている。
昭和18年度についてはまったく分かっていない。
②賃金の支払いはあったか。
- 回答
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①昭和18年度については、立正中学校だけでなく、通年学徒の例がみつからなかった。
政府からの通牒類では、昭和19年に通年学徒の指示が出ている。
②賃金についても、昭和18年度の支払い実態は見つからなかった。
昭和19年度からは、報償金の支払いが規則で決まっているが、
個人にではなく学校報告隊への納付となっている。
- 回答プロセス
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①昭和18年度における旧制中学校学徒の通年勤労実態について
1)OPACで学徒動員関係の資料を検索した結果見つかった資料を調査
『学徒動員・学徒出陣』(参考資料1)に以下の記述があった。
・「昭和17年度国民動員実施計画策定ニ関スル件」(S17.5.26閣議決定)に
”・・・学校ノ種類ニ拘ラズ年齢十四年以上・・・”の記述があり、昭和17年より中学生も動員対象になった。
・「緊急学徒勤労総員方策要項」(S19.1.18)によって、学徒動員の期間が”1年ニ付四ヶ月ヲ標準”とされた。
・1ヶ月後の「決戦非常措置要項」(S19.2.25)によって、”今後1年、常時之ヲ勤労”と期間が通年に変更された。
これらより、通年勤労が指示されたのは、
昭和19年度からであることがわかった。
ただ、学校によってそれ以前に通年学徒勤労の実態があったかは、不明。
2)立正中学校の歴史を調査
・百年誌等の記念誌があるか調査
=>当館OPAC、NACSIS-Webcat、NDL-OPAC、都立図書館のOPACでヒットしない
・立正中学校の公式HP(http://www.rissho-hs.ac.jp/guide/history/index.html)
=>沿革に学徒動員の情報なし
歴史からも昭和18年度の通年学徒の実態は分からなかった。
②昭和18年度の学徒動員への賃金の支払いについて
『集成学徒勤労動員』(参考資料2)に以下の記述があった。
「徒勤労ノ報償ニ関スル件資料送付ノ件」(S19.6.3)で、以下の指示があった。
・教育勤労として報償金は学校報告隊に対して納付
・中等学校3学年以上:45円90銭(月額)
S19.9には、低学年に対する報償金額も決められている。
中等学校低学年:30円(月額)
調査した限りでは、昭和18年度の報償金について、指示している文書は見つからなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 教育史.事情 (372 9版)
- 参考資料
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学徒動員・学徒出陣 : 制度と背景 / 福間敏矩著.
増補版. -- 第一法規出版, 1993. 【請求記号】377.9||107.1 -
集成学徒勤労動員 / 福間敏矩著.
ジャパン総研, 2002. 【請求記号】372.1||501 -
學徒動員必携 : 閣議決定・法令・諸通牒集 / 学徒動員本部総務部[編].
第2集. -- 出版者不明, 1944. 【請求記号】377.9||329 -
学徒勤労動員 : 戦時教育と戦後 / 茶園義男著.
徳島県教育会, 1969.【請求記号】370.4||127 -
学徒勤労報国隊 / 茶園義男著.
徳島県出版文化協会, 1972.【請求記号】370.4||148
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学徒動員・学徒出陣 : 制度と背景 / 福間敏矩著.
- キーワード
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- 学徒動員
- 学校報告隊
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000046754