レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/06/25
- 登録日時
- 2018/03/30 00:30
- 更新日時
- 2018/03/30 00:30
- 管理番号
- 参調 17-0129
- 質問
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解決
書物のことを「本」というが、そもそも草木の根元を指すはずの「本」という字がなぜ書物を指すようになったのか知りたい。
- 回答
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語の意味と語の成り立ちの両面から調べたところ、参考となる次の文献を参照した。
(1)『暮らしのことば新語源辞典』 山口佳紀編 講談社 2008.11 957p 22cm
⇒ もっともわかり良い内容でしたので、抜書きして紹介。
書籍・書物のこと。「本」は、漢語では「草木の根、根に近い部分」をさすが、日本では「物事の根本・基本」という意味から、「規範や本来のもの」をさすようになった。そこから、「書写されるもとの書物」を「本」というようになり、転じて、書物一般を指すようになった。平安中期の『枕草子』の「物語・集など書き写すに、本に墨つけぬ」の例は、書写のもとになる書物の意味である。
(2)『日本語源大辞典』 前田富祺監修 小学館 2005.4 1273,7p 22cm
⇒ 抜書きして紹介。
漢語では、もともと、草木の根、または根に近い部分をいうが、日本では物事のもとになるもの、根本、基本の意から、規範となるもの、主たるもの、本来的なものなどをさしていう。(中略)〔語言説〕(中略)②本(もと)とし、法とするもの。手本から転じて書物<大言海>。書写されるもとの本という意味から書物をいうようになった<語源大事典=堀井令以知>。
(3)『新編大言海』 大槻文彦著 冨山房 1984.4 2254,87p 27cm
⇒ 言葉が使われるようになったいきさつに関する記述はなし。原本といったオリジナルを転じて写本などの元となる書物を「本」、転じて一般的に書物を「本」というようになったことが窺える程度の内容が紹介されている。
(4)『角川古語大辞典 第5巻 ひ-ん』 中村幸彦編 角川書店 1999.3 1098p 31cm
⇒ 「書物・書籍」の用例として増鏡、浮世床、疇昔茶唐などの古典の一文を紹介。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 語源.意味[語義] (812 7版)
- 参考資料
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- 1 暮らしのことば新語源辞典 山口/佳紀?編 講談社 2008.11 813.6/KU
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2 日本語源大辞典 前田/富祺?監修 小学館 2005.4 813.6/NI -
3 新編大言海 大槻文彦∥著 富山房 1984.4 813.1/O -
4 角川古語大辞典 第5巻 ひ-ん 中村/幸彦?編 岡見/正雄?編 角川書店 1999.3 813.6/KA/5
- キーワード
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- 本
- 語源
- 根元
- 書物
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000233691