エジソンが京都府知事の槇村正直の紹介を受けて石清水八幡宮の竹を電球のフィラメントに使用したという。このことについて書かれている資料はあるか。

エジソンと八幡の竹については、『南やましろの綴喜』のp10～11、『竹』（ものと人間の文化史；10）のp196～199に記載されている。これらの資料によると、明治13年の夏にエジソンの研究補助員ウィリアム・H・ムーアが来日し、石清水八幡宮の竹を入手して帰ったという。

『八幡市誌；第3巻』のp381～382によると、エジソンと八幡の竹との関わりを記念して、「エジソン記念碑」が昭和9年に建立された。この碑は昭和33年には石清水八幡宮境内に移転している。エジソン記念碑については、ウェブサイト「エジソン碑」の中で碑の全文を紹介しており、「皇紀二千五百四十年使ヲ本邦に遣ハシ京都府知事槇村正直君ノ斡旋ニヨリ良材ヲ石清水八幡宮ノ薮林中ニ發見スル」とある。参考資料として京都府立図書館に『エヂソン記念碑建設会報告書』（電気協会　1935年）が所蔵されている。

また、『灯用植物』（ものと人間の文化史；50）のp381～401に「エジソン電球と日本のタケ」が記載されている。

1.八幡市の歴史（K271/216.2）と地誌（K271/291.62）に関する資料を調べたところ、『南やましろの綴喜』と『八幡市誌；第3巻』にエジソンと八幡の竹について記載されていた。

2.『石清水八幡宮史』を調べたところ、幕末維新頃までの年代について記述されており、明治時代以降については書かれていなかった。

3.京都府立総合資料館・京都府立図書館の蔵書検索システムで、キーワード「槙村正直」を検索した。検索の結果見つかった資料のうち、『維新京都を救った豪腕知事：槙村正直と町衆たち』と『槇村正直：その長州藩時代』を調べたが、エジソンとの関わりについては記載されていなかった。

4.上記システムで、キーワード「竹」を検索した。検索の結果見つかった資料のうち、『竹』（ものと人間の文化史；10）にエジソンと八幡の竹について記載されていた。

5.インターネットでキーワード「エジソン」「槙村正直」「八幡」等を検索したところ、エジソン記念碑についてのウェブサイトがいくつか見つかった。

6.上記3のシステムで、キーワード「エジソン記念碑」を検索した。検索の結果見つかった『エジソン記念碑の再建について』には簡単な概要のみが記載されていた。また、京都府立図書館が『エヂソン記念碑建設会報告書』を所蔵していることが分かった。

7.香川県立図書館様から、『灯用植物』（ものと人間の文化史；50）のp381～401に、「エジソン電球と日本のタケ」が記載されていると情報提供がありました。

（2015年3月13日追記）
香川県立図書館様からコメントで、当事例に対しての情報をいただきました。