レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年06月14日
- 登録日時
- 2019/07/18 11:20
- 更新日時
- 2020/11/06 13:34
- 管理番号
- 2019-12
- 質問
-
未解決
橘知孝(正五位下)という人物、または「橘氏」に関わる文献、資料の所蔵はあるか。
- 回答
-
1 橘知孝をキーワードに、当館資料の所蔵を検索したが、ヒットするものがなく、調査の手掛かりがなかった。
2 同様に、国立国会図書館サーチ、国立国会図書館デジタルコレクション、CiNii Books、CiNii Articles、えひめの記憶(愛媛県生涯学習センター)のデータベース検索を行ったが、ヒットするものがなかった。
3 『伊予史談会文庫(和書)目録』(伊予史談会 2003)には、「橘」を書名・件名とする資料がない。
4 メール中の①橘知宣→②橘知仲→③橘知茂→④橘知嗣→⑤橘知春→⑥橘知孝(正五位下但馬守)
の各人物からも探してみたが、『講談社日本人名大辞典』(講談社 2001)に、橘知宣、橘知茂の項目があるだけだった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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以前より継続調査している「黒山城」の久保家初代城主「久保高実」の出自を貴図書館に問合せしたり、また愛媛の郷土誌にその出自が書かれた島根県の当該地にある図書館や歴史研究家に問合せしたが、「久保高実」が伊予に来て「久保姓」を名乗る前の手掛かりになる史料が見つからない。
そこで、以前「久保高実」の室が「但馬守知孝女」との記述を「下灘村郷土誌(※)」にて確認したので、その室を調べることで、逆引きによる手がかりが見つかるかもと考え、問合せた。
※所蔵:伊予市立図書館(担当:文化財)
情報源・出典「下灘村郷土誌」 富貴尋常小学校 1911年3月編纂
冒頭、久保家の「高實」の箇所に 久保高実の戒名 … 法需院殿皆大歓喜大居士
その室の戒名 … 開経院殿敬蓮壽春大姉
そして、室の戒名前に「室但馬守知孝女」との記述あり。
両人の位牌も双海の大通寺にて、戒名に間違いないことを確認している。
国立図書館デジタルコレクションにて「橘氏系図」を調査。
→ 群書類従. 第四輯(P.222~229)
その結果、但馬守知孝は、同系図 P.229 に記載の知孝 正五位下。但馬守(父は知春 従四位下。左馬頭左京大夫)ではないかと考える。
橘家は橘知宣の頃、西園寺家の家司として勤め、その子孫は南北朝期には修理職・木工寮の業務と利権を掌握し,朝廷の作事を担当したとのこと。
久保高実がどのような経緯で橘家から正室を迎えたのか、西園寺家、橘家とそれぞれの関係を調査する必要があると思っている。
(伊予の西園寺家、橘家に関係があるか未調査)
なお、①橘知宣→②橘知仲→③橘知茂→④橘知嗣→⑤橘知春→⑥橘知孝(正五位下但馬守)
というように、それぞれの人物の生まれと住んだ場所、そして事蹟を調べていけば「久保高実」に行きつくかもしれない。
また、「久保高実」は長慶天皇に長く仕えた功により「黒山城」へ来たことから、長慶天皇、西園寺家などとの縁にて、橘家から室を迎えたのではないかと考えている。
- NDC
- 参考資料
- キーワード
-
- 橘知孝
- 橘知宣
- 橘知仲
- 橘知茂
- 橘知嗣
- 橘知春
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000258819