レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年04月12日
- 登録日時
- 2019/05/01 08:24
- 更新日時
- 2019/05/01 08:24
- 管理番号
- 9000027344
- 質問
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解決
日本に初めてミシンが入ってきたのはいつか。そのミシンのメーカー、価格についても知りたい。
- 回答
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日本に最初に入ってきたミシンは、1854(安政元)年にペリーが来航した折、13代将軍徳川家定の夫人・天障院敬子に贈呈したアメリカのホイラー・アンド・ウィルソン社(WW社)製のミシン。
また、遣米使節の護衛艦・咸臨丸に通訳として乗船していた中浜万次郎が、1860(万永元)年に持ち帰ったミシンも同社製。
価格については、中浜万次郎が持ち帰ったミシンを、1863(文久3)年、伊勢藩の衣料調度師であった上村九五郎が百両余で入手している。
また、1868(慶応4)年ドイツ人アープルヒが一名横引ミシンというドイツ製の環縫ミシンを輸入し、初めてこれを横浜のインデァスト会社に陳列販売した際の価格は1台80両、米価にして65ドルだった
※参考までに、明治4年の「新価条例」によって定められた両と円の交換率は1円=1両。(『物価の文化史事典』(展望社)p.20)
一方、明治政府がミシンの輸入を開始したのは1871(明治4)年で、ドイツ製のミシン。19世紀末までの日本に普及したのはドイツ製とイギリス製で、特にドイツの会社では、パフ社、ハイト・ウント・ノイ社、モントロス社、ナウマン社、デュルコップ社、クリース・ウント・フレンチエ社のミシンが輸入されている。
また、1871(明治4)年に日本橋の木村与三郎は、横引ミシンの次に輸入された当時珍しい蝶貝ミシンを輸入している。
- 回答プロセス
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1.ミシンに関する資料を調査
2.調査した資料に『日本洋服史』が参考文献として載っていたので、確認したところ、当館に所蔵があったため、内容を確認。
- 事前調査事項
- NDC
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- 事務機器.家庭機器.楽器 (582 9版)
- 参考資料
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日本ミシン協会日本ミシン産業史編纂委員会 編 , 日本ミシン協会. 日本ミシン産業史. 日本ミシン協会, 1961.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001031544-00 (pp.13-16) -
岩本真一 著 , 岩本, 真一, 1970-. ミシンと衣服の経済史 : 地球規模経済と家内生産. 思文閣出版, 2014.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025597623-00 , ISBN 9784784217199 (pp.134-135) -
アンドルー・ゴードン [著] , 大島かおり 訳 , Gordon, Andrew, 1952- , 大島, かおり, 1931-. ミシンと日本の近代 : 消費者の創出. みすず書房, 2013.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024674062-00 , ISBN 9784622077701 (pp.16-22) -
日本洋服史 第1巻. 日本図書センター, 2011.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011311340-00 , ISBN 9784284502788 (pp.33-35,48,50-52)
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日本ミシン協会日本ミシン産業史編纂委員会 編 , 日本ミシン協会. 日本ミシン産業史. 日本ミシン協会, 1961.
- キーワード
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- ミシン
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000255519