「貨物 列車」をキーワードに蔵書を検索すると、①『貨物列車のひみつ』、②『貨物列車をゆく』がヒットした。
また、「貨物 時刻表」では③『貨物時刻表』がヒットした。
①には、p.120-121に貨物列車のダイヤ(運転時刻)に関して、「ダイヤグラムは、旅客列車と貨物列車で書式や作成方法に大きな違いがあるわけではありません。路線の線路条件や機関車の性能などを勘案して列車の所要時間を算出し、荷主の希望に合った時間帯に列車を設定することが基本といえます。ただし、貨物列車を運行している鉄道会社のうち、とくにJR貨物のダイヤ作成はなかなか難しいものがあります」とあり、「JR旅客6社とJR貨物ではダイヤ設定の列車優先度に関するガイドラインを定めており、列車の種類や性格ごとに、レベル1~5の優先順位を定めています。一例を挙げると、『大都市圏の朝通勤列車(通学を含む)』はレベル1、『高速貨物列車A』はレベル2とされており、この場合はレベル1の大都市圏通勤列車が優先されます。JR各社は、このガイドラインを基本として交渉や調整を行い、ダイヤを作成することになるのです」と記述が見られた。
②にも、p60-61に、「貨物列車の大半は、JR貨物の自社線路ではなく、各旅客会社が持つ旅客線の上を走っている。そのため、貨物側が希望するダイヤが旅客線と競合することも多く、その都度旅客会社とのダイヤ調整が必要になるのだ。もちろん、闇雲に調整するわけではなく、ある程度の原則がある。新幹線を除けば、最も優先されるのは大都市圏の通勤列車。続いて優先されるのが、主要な特急列車と高速貨物列車、などとJRグループ間の協定で決まっている。この協定に基づいて各社がダイヤの素案を持ち寄り、それでも競合した部分の調整をかけていく、ということになる」と、①同様の説明がある。このことから、貨物列車のダイヤは優先度に基づいて作成されていることがわかる。
また、「1日に走っている貨物列車は、全国で約500本。そして、1本のスジを引くのにかかる時間は実に3~4日」とあり、ダイヤ作成の背景も記述されていた。
③『貨物時刻表』(2018)には、p65から始まる「線区別運転時刻表」に、列車番号の若い順に始発駅および発時刻、終着駅および着時刻、途中の着発駅とその時刻、列車の最高速度などが掲載されている。着発駅での荷役作業の有無や曜日運休(例:日曜日運休)、も記されている。例えば、p68の列車番号1055は、始発駅の東京貨物ターミナルを2:45に出発し、終着駅の福岡貨物ターミナルには20:47に到着する。休翌日運休。同ページには吹田を10:27に出発する時刻までが載っていて、それ以降の時刻はp77に記載されている。p82の列車番号1060は、始発駅の広島貨物ターミナルを22:42に出発し、終着駅の東京貨物ターミナルには12:09に到着する。運休なし。同ページには吹田を3:35に出発する時刻までが載っていて、それ以降の時刻はp72に記載されている。貨物列車は、旅客列車が走らない深夜~朝方の時間も運転していることがわかる。