レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年03月13日
- 登録日時
- 2015/03/14 15:14
- 更新日時
- 2015/04/06 13:59
- 管理番号
- 牛久-1298
- 質問
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未解決
「葉隠れに散りとどまれる花のみぞ忍びし人に逢ふ心地する」という歌と、この歌の意味が載っている本が見たい。
- 回答
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以下の資料を紹介。
『山家集』(西行著 伊藤嘉夫校註/第一書房/1987)
- 回答プロセス
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①質問者が読まれていた小説『寄残花恋(のこりはなよするこい)』(佐伯泰英/幻冬舎/2011)でこの歌が取り上げられており、歌と意味の載っている本が見たい、とお越しになる。
②歴史上の人物が詠んだ歌なのか、小説の作者の創作か判断がつかなかったので、概要をつかむため歌の全文「葉隠れに散りとどまれる花のみぞ忍びし人に逢ふ心地する」(以下「葉隠れに…」と表記)をキーワードとしてGoogle検索→検索結果の上位に、西行の歌とするHPが多数あがってくる。
③キーワード=「西行&歌」として所蔵検索→31件ヒット。検索結果の中から、特に有望そうな次の1冊をまず確認した。
『西行法師全歌集』(西行著 伊藤嘉夫編/第一書房/1987)…「寄殘花戀 葉がくれに散りとどまれる花のみぞ忍びし人にあふここちする」(p.155-156)と記載あり。ただし、訳や解説は載っていなかった。
④以前、同じ歌について質問を受けたときに紹介した資料を探そうと911の書架をブラウジング。「葉隠れに…」について少しだけ解説の載っている本があったように思ったが、見つけられなかった。
⑤再度『西行法師全歌集』を確認。例言によると、土台となっている底本は山家集のようなので、所蔵している山家集のなかで訳もついていそうなものをあたる。
『現代語訳 日本の古典 9』(学研/1981)…「西行・山家集」という副題の資料だが、「葉隠れに…」の歌は載っていなかった。
『山家集』(西行著 伊藤嘉夫校註/第一書房/1987)…一首ごとに旧仮名遣いの訳文が付され、「葉隠れに…」の歌も、次のような表記で記載されていた。「寄殘花戀 はがくれにちりとどまれるはなのみぞ忍びし人にあふ心ちする」(p.106)
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 8版)
- 参考資料
- キーワード
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- 葉隠れ
- 西行
- 山家集
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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(2015.4.6追記)
国立国会図書館レファレンス協同データベース事務局の方より、
一般の方から情報提供があったと連絡あり。
(いただいた情報:本文)
岩波書店の『山家集』(日本古典文学大系(1961年))には大意として
「葉がくれに、散り残った花を見つけると、心にひそかに恋しつづけていた人に、
ゆくりなく出会った思いがする。」と載っておりました。ご参考までに。
事務局の方が『日本古典文学大系 第29』(岩波書店/1961)の内容を確認してくださり、
『山家集』の「恋」599(p.110)に質問の歌があり、情報提供者の方が書かれていた通りの
大意の掲載があったということが判明。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 一般男性
- 登録番号
- 1000168976