レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20120201
- 登録日時
- 2012/03/22 02:01
- 更新日時
- 2012/03/26 14:28
- 管理番号
- B2012口頭0201
- 質問
-
解決
何を用いてメートルを定義していたのか、記載している資料を教えてほしい。現在までに何度か変わっていると聞いた。
- 回答
-
ご照会の事項について、以下のとおり回答します(【 】内は当館請求記号です)。
メートルの定義の変遷について記述している資料(1)-(11)、ウェブ情報(12)-(13)がありましたので、ご紹介します。
(1)『計測工学ハンドブック』(朝倉書店 2001.10 【M2-G151】)
「II 計測標準とトレーサビリティ 1 標準技術 1.1 国際単位系における基本量 1.1.1 長さ」(pp.48-51)では、メートルの定義について「a. メートル原器(1989年)」(pp.48-49)、「b. Kr原子の放射(1960年)」(p.49)、「c. 光速度による定義(1983年)」(pp.49-51)、「d. 勧告された放射」(p.51)の4つに分けて解説しています。
(2)『岩波理化学辞典』(第5版 岩波書店 1998.2 【M2-G55】)
「メートル」(pp.1372-1373)に、子午線の北極から赤道までの長さ、Cd赤線の波長、86Kr原子が発する光の波長、真空中の光の速さをメートルの定義に用いたとの記述があります。
(3)『オックスフォード科学辞典』(朝倉書店 2009.6 【M2-J26】)
高校から大学初年の生徒・学生向けに、自然科学の諸分野の重要な事項について、分かりやすく解説した辞典です。
「メートル」(p.775)に、子午線の半分、真空中におけるクリプトンの波長、真空中で光が通過する距離をメートルの定義に用いたとあります。
(4)『度量衡の事典』(阿部猛 同成社 2006.4 【M2-H98】)
「メートル」(pp.153-154)に、赤道から北極までの長さ(実際はフランスのダンケルクからスペインのバルセロナ)、クリプトン86の原子の光の波長、光が真空中を伝わる工程の長さをメートルの定義に用いたとの記述があります。
(5)『科学大辞典』(第2版 丸善 2005.2 【M2-H89】)
自然科学全分野について基礎用語から最新の用語まで解説する辞典です。
「メートル」(p.1484)に、クリプトン86原子のスペクトル線の波長、光が真空中を伝わる行程の長さをメートルの定義に用いたとあります。
(6)『丸善単位の辞典』(丸善 2002.3 【M2-G163】)
あらゆる単位と単位に準じるものを広く取り上げ、解説した辞典です。
「メートル」(p.348)に、パリを通過する北極から赤道までの子午線の長さ、クリプトン86原子の光の波長、光が真空中を伝わる行程の長さをメートルの定義に用いたとの記述があります。
(7)『マクミラン世界科学史百科図鑑』(原書房 1992-1994 【M31-E52】)
古代から現代までの科学営為を図像で示した全6冊の資料集です。
第2巻 p.168にメートル法に関する記述があり、極から赤道までの子午線の長さ、クリプトン元素から出るスペクトル線である光の波長、光が真空中すすむ距離をメートルの定義に用いたとあります。
(8)『商用単位事典』(篠崎晃雄 実業之日本社 1974 【M2-78】)
社会生活に必要な単位の数値の解説とその換算表をまとめた資料です。
p.50に、赤道から極までの子午線、カドミウム赤色単光線、クリプトン86原子の光の波長をメートルの定義に用いたとの記述があります。
(9)『Maruzen科学年表』(丸善 1993.3 【M2-E117】)
科学技術の諸分野において、どのような事柄がいつ誰によってなされたかを、年表形式で記載する資料です。紀元前240万年から1992年までの出来事をカバーしています。
p.450にクリプトンガスが発する光の波長(1960年)を、p.492に光が進む距離(1983年)をメートルの定義に用いたとの記述があります。
(10)『Encyclopaedia of scientific units, weights, and measures : their SI equivalences and origins』(Rev. and expanded ed. Springer c2003 【M2-B19】)
様々な科学的単位を国際単位系(SI)に変換するための換算表を掲載する資料です。
「Table 2-1 Chronology of definitions of the metre since 1975(1975年以降のメートル定義の年表)」(p.5)に、子午線、クリプトン86、真空中の光の速度をメートルの基準としたとあります。
(11)『A dictionary of scientific units : including dimensionless numbers and scales』(5th ed. Chapman and Hall 1986 【M2-A13】)
世界中で使用されている(使用されていた)様々な単位などについて解説する辞典です。
「Metre(m)」(pp.82-83)に、真空中を光が進む距離、パリを通る地球の円周、クリプトンの波長をメートルの基準としたとあります。
(12)基本単位の標準(長さ)のページ(http://www.nmij.jp/library/units/length/)
日本における計量標準の設定・維持・供給を推進する独立行政法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター(http://www.nmij.jp/)内のページです。
メートルの定義の変遷について簡潔に記述しており、地球の子午線、クリプトン原子のスペクトル線の波長、真空中の光の速さを用いて定義したとあります。
トップ>基本単位の標準>長さ
(13)国際度量衡局 SI単位の解説(長さの単位‐メートル)のページ(http://www.bipm.org/en/si/si_brochure/chapter2/2-1/metre.html)
メートル条約に基づいて1875年に設立された国際的な研究機関である国際度量衡局のホームページ(http://www.bipm.org/en/)上のコンテンツです。
1872年以降のメートルの歴史と定義を詳しく紹介しており、クリプトン86の放射線の波長、光が真空中を伝わる行程の長さをメートルの定義に用いたとの記述があります。
トップ>SI>SI brochure (8th edition)>Unit of length (metre)
また、The BIPM and the evolution of the definition of the metre(http://www.bipm.org/en/si/history-si/evolution_metre.html)では、1872年以降のメートルの歴史を年表形式にまとめています。
トップ>SI>Brief history of the SI>The BIPM and the evolution of the definition of the metre
インターネットの最終アクセス日は、2012年2月20日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 度量衡.計量法 (609)
- 参考資料
- キーワード
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- メートル法
- メートル条約
- メートル原器
- Metre
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000104057