レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年05月14日
- 登録日時
- 2011/12/06 10:04
- 更新日時
- 2012/02/17 17:16
- 管理番号
- 島根参2010-05-004
- 質問
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解決
平安時代以降に、釜で炊くことを“カユ”、蒸すことを“コワイ”と言っていたという記述のある資料がないか。
- 回答
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当館所蔵資料を調査した結果、以下の資料に次のような記述があった。
資料1:
「日本では、米飯の作り方には二通りあって、一つは甑(こしき)で蒸したコワイイ(強飯)、もう一つは鍋で煮たヒメイイ(姫飯)である」「ヒメイイはカタガユ(固粥)ともいい、現在の飯に相当し、カタガユよりも水分の多いものををシルガユ(粥)といった」とある。
資料2:
p537「粥」の項目に、「米に水を加えて煮たもの。(中略)蒸したものを飯、または強飯といったのに対する」とある。
p943「強飯」の項目には、「現在のおこわ。古くは、米を甑で蒸したものを飯と呼び、のち煮る法が広く行われて、これを粥と呼ぶとともに、蒸したものを「こはいひ」、煮たものを「ひめいひ」とも呼んで区別した」とある。
<2012/2/17追記>
資料3:
「蒸し飯は今のオコワとかシラムシの類であり、固い飯として強飯(コワイイ)と呼んでいた。(中略)水の多少により出来上がりに汁粥(シルガユ)と呼ばれたものと固粥(カタガユ)の二種があった。前者が今の粥である。(中略)固粥は器に入れて箸が立てられる程度の固さのもので、姫粥(ヒメガユ)とも称され、今日の飯(メシ イイ)の原形であった。平安時代の末期までは貴族でも一般に汁粥を食べていたらしい」とある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380 8版)
- 衣食住の習俗 (383 8版)
- 食用作物 (616 8版)
- 参考資料
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【資料1】 『日本民俗大辞典 1 912516687 本館内 参考資料室
参考 上 あ〜そ』 福田 アジオ/[ほか]編,吉川弘文館,1999.10 ※貸出禁止資料 (p415「かゆ 粥」 R380.3/ニ/1) -
【資料2】 『平安時代史事典 本編 上 あ--そ』 古代学協会/編 古代学研究所/編,角川書店,1994.4 ※貸出禁止資料
(p537「粥 かゆ」、p943「強飯 こわいい」 R210.3/ヘ/1
) -
【資料3】 『稲・米・飯 小百科』 中西喜次 塩見成子/共著,楽游書房,1980
(p171~172「調理の変遷と概要」 書庫616/0080/
)
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【資料1】 『日本民俗大辞典 1 912516687 本館内 参考資料室
- キーワード
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- コワイイ(こわいい)(こはいひ)
- ヒメイイ(ひめいい)(ひめいひ)
- 強飯
- 姫飯
- 粥
- 米
- 炊飯
- 飯
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000097450