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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼熊-2016-054
事例作成日
(Creation date)
2015年08月15日登録日時
(Registration date)
2016年10月20日 11時39分更新日時
(Last update)
2017年01月04日 13時43分
質問
(Question)
各地の地名「矢部」の由来と成立時期が知りたい。
大分県宇佐市の矢部(宇佐神宮の近く)
岡山県倉敷市の矢部
奈良県磯城郡田原本町大字矢部
神奈川県横須賀衣笠の矢部(衣笠城の近く)
回答
(Answer)
それぞれの地名の由来について、記述のある資料が確認できた。成立時期については、はっきりと記述のあるものは見つからなかった。記述のあった下記の資料を紹介した。

1 大分県宇佐市の矢部
『国東半島の地名あれこれ 一つの無形の文化遺産』(酒井富蔵著 第一法規出版 1980)
 p491「上矢部(かみやべ)」あり。(「16 宇佐市 ク 西馬城地区」中)
 「上矢部の矢部氏は飯田氏で、飯田林蔵という人が天保の頃庄屋となり、村名を用いて矢部氏と称したが、」「ここの矢部は矢部氏の在地地名ではあるまいか。」
 p491-492「下矢部(しもやべ)」あり。(「16 宇佐市 ク 西馬城地区」中)
「矢部は矢部氏の居住地であったので、氏を地名にしたようである(在地地名)。」「地形的にはヤには草が茂って水のある所、沢、沼地の意味がある。矢はヤの当て字であり、谷の意から低湿地などをさす言葉だった可能性が強い。」
『角川日本地名大辞典 44 大分県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1980)
 p833「やべ 矢部 〈宇佐市〉」あり。
 「〔中世〕矢部 南北朝期からみえる地名。豊前国宇佐郡向野郷のうち。応安8年6月1日、江嶋宝山大福寺の住持中泉は同寺の敷地免田畠屋敷荒野などを門徒守泉に譲与したが、その坪付案向野郷内分として「一所 三反 矢部椿」と見える(末松五郎氏文書/大友史料8)。」

2 岡山県倉敷市の矢部
『日本歴史地名大系 34 岡山県の地名』(平凡社 1988)
 p711「矢部村」
 「吉備津彦命の温羅征伐のとき、命に味方した矢部山主命が居住していたことから村名がついたという。(備中誌)。」
『角川日本地名大辞典 33 岡山県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1989)
 p1138「やべ 矢部 〈倉敷市〉」あり。
 「〔近世〕矢部村 江戸期~明治22年の村名。備中国都宇郡のうち。」由来については記述なし。

3 奈良県磯城郡田原本町大字矢部
『奈良の地名由来辞典』(池田末則編 東京堂出版 2008)
 p290「矢部 やべ (田原本町)
 矢部はヤヲイ(矢負)部の二字化地名であろうか。『万葉集』の「矢部坂」説がある。大阪府下の八尾市では四世紀の方墳・萱振古墳からわが国最大級の矢筒の靫の埴輪が出土した。靫は負靫で、同古墳近くには弓削郷や鞍作の地名が残る。  矢部は野部とも書き、中世は矢部庄と称した。『高市郡古跡略考』によると、現橿原市に雪別所(旧大字別所)の古名を伝える。「雪」は「靫」の義か。同市旧大字八木も矢矧部(弓矢の製作を業とする)二字化地名で、同市旧大字五井には「八木部」の小字がある。矢部はあるいは矢矧部の二字化地名か。同大字には「マヤ」「東兵ヤ」「中曽司」「兵庫」などの小字が残る。」
『奈良県史 14 地名』(奈良県史編集委員会編集 名著出版 1985)
 p244「矢部 田原本町大字。ヤベは矢を作ることを職業とする部族、矢作部の二字化か。『日本書紀』綏靖前紀に「矢部(やはぎ)をして箭(や)を作らしむ」とあり、『令集解』に「矢作(やはぎ)廿二戸」とみえる。」「矢部は大治4年(1129)3月の「前安房守伴広親勘注案」によると、十市郡西十八条三里付近に夜部の庄名がみえ、「野部」とも書かれた。また、『三箇院家抄』には、十市郡内に「小夜部」の庄名をみるが、いずれも現矢部付近の地名であった。」
 「二字化地名」とは『奈良の地名由来辞典』(前出)p1に「和銅六年(713)の官命などにより、地名は好字、あるいは二字化することによって、誤写・転訛の実例もまた少なくなかった。」とあり。
『国史大辞典 12』(吉川弘文館 1991)
 p306〈風土記〉の項に和銅6年の詔の一つを「郡・郷の名に好い字(漢字二字で表記)をつけよ」と解釈している記述あり。
『古代地名大辞典 本編』(角川文化振興財団編 角川書店 1999)
 p62「あそびべのごう 遊部郷〈奈良県明日香村・橿原市〉」
 「平安期に見える郷名。(中略)なお「夜部村」(三代実録元慶4年10月20日条)、「逝囘岳」(万葉集巻8)、「四部」(現橿原市四部町)などの地名は、いずれも遊部が遊部[ゆべ]から夜部[やべ]、遊[ゆき]から逝[ゆき]、遊部[そぶ]から四部[しぶ]へとそれぞれ変化したものとする説がある(大和志料下)。」

4 神奈川県横須賀衣笠の矢部(衣笠城の近く)
『日本歴史地名大系 14 神奈川県の地名』(平凡社 1984)
 p391「小矢部村」、p392「大矢部村」
 「中世以前は矢部郷と称し、大矢部村・小矢部村を含んだ。正保国絵図に大矢部村の名が見える。大矢部村由来(県史六)に」
『神奈川県史 資料編6 近世』(神奈川県企画調査部県史編集室編 神奈川県 1973)
 p637-「大矢部村由来」があるが、村名の由来はなし。
『桓武平氏良文系全系図 2』(千葉琢穂編著 展望社 1985)
 p56(「衣笠村」の項中に)「大矢部(古の矢部郷の本村にして、矢部とは矢を作り貢ぎたるに起りたる名称)」とあり。
『新編相模国風土記稿 5 大日本地誌大系 23』(蘆田伊人編・校訂 雄山閣出版 1985)
 p284「大矢部村 於保夜倍牟良 古は大小の二村共に衣笠村の内なりしと云ふ、【東鑑】建久五年十月の條に三浦矢部郷内と記す 原文満昌寺の條に注す さては其頃別村の唱ありしも知べからず」
 p268「小矢部村 古夜倍牟良」村名の由来に関する記述なし。
回答プロセス
(Answering process)
1 宇佐市の矢部
『角川日本地名大辞典 44 大分県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1980)
 p833「やべ 矢部 〈宇佐市〉」あり。由来については記述なし。
『日本歴史地名大系 45 大分県の地名』(平凡社 1995)
 p228「矢部村」記述量は多いが由来についての記述はない。矢部村の歴史についての記述はあり。
『国東半島の地名あれこれ 一つの無形の文化遺産』(回答資料)

2 倉敷市の矢部
『角川日本地名大辞典 33 岡山県』(回答資料)
『日本歴史地名大系 34 岡山県の地名』(回答資料)

3 田原本町の矢部
『角川日本地名大辞典 29 奈良県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1990)
『日本歴史地名大系 30 奈良県の地名』(一志茂樹〔ほか〕編集 平凡社 1981)
 p358「矢部村」はあるが、成立時期や由来についての記述はない。
『奈良の地名由来辞典』(回答資料)
『奈良県史 14 地名』(回答資料)

4 横須賀市の矢部
『日本歴史地名大系 14 神奈川県の地名』(回答資料)
『神奈川県史 資料編6 近世』(回答資料)
『新編相模国風土記稿 5 大日本地誌大系 23』(回答資料)
『角川日本地名大辞典 14 神奈川県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1984)
『鎌倉の地名由来辞典』(三浦勝男編 東京堂出版 2005)

《Googleブックス》( https://books.google.co.jp/  Google)を〈横須賀 & 大矢部 & 小矢部〉で検索する。
『桓武平氏良文系全系図 2』(回答資料)
『新横須賀市史 資料編 近世 1』(横須賀市編 横須賀市 2007)
 p1109「かつて三浦本宗家の根拠地であった「矢部」(横須賀市大矢部・小矢部)の可能性も考えられる。」とあるが、由来について記述なし。

自館目録を全項目〈神奈川 & 地名〉で検索する。
『神奈川県史料 10 索引編』(神奈川県立図書館 1975)
 「大矢部村」「小矢部村」の記述がある、2巻、3巻、5巻を確認するも由来についての記述なし。

《Google》( https://www.google.co.jp/  Google)を〈三浦 & 大矢部 & 地名〉で検索する。
「横須賀市観光情報サイト」
「このあたりの地名を「大矢部」といいますが、「矢部」という地名は豊前(福岡・大分)筑後(福岡)肥後(熊本)駿河(静岡)など方々にあり、いずれも「矢」を作る職業人が住んでいたことから地名が付いたとされています。横須賀市内の「矢部」(大矢部・小矢部)の地名も、「昔・矢竹を貢物にしたのに由る」と伝えられています。」( http://cocoyoko.net/spot/kinugasa-zyoushi.html  横須賀市)

5 《国会図書館リサーチ・ナビ》( https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/  国会図書館)を〈地名 & 由来〉で検索する。
「関西でしらべる:日本の地名」( http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-344.php )より
『古代地名大辞典 索引・資料編』(角川文化振興財団編 角川書店 1999)
『古代地名大辞典 本編』(回答資料)

その他調査済み資料
『大分百科事典』(大分放送 1980)
『大分歴史事典』(大分放送大分歴史事典刊行本部編 大分放送 1990)
『大日本地名辞書 4 西国』(吉田東伍著 富山房 1989)
『岡山県大百科事典 下 た~ん』(岡山県大百科事典編集委員会[ほか]編 山陽新聞社 1980)
『岡山地名考 岡山文庫115』(宗田克巳著 日本文教出版 1985)
『奈良・京都地名事典』(吉田茂樹著 新人物往来社 2007)
『神奈川県百科事典』(神奈川県百科事典刊行会編集 大和書房 1983)
『地名覚書』(染矢多喜男編著 大分舞鶴高校地名研究グル-プ共同執筆 いずみ書房 1962)
『地名語源辞典』(山中襄太著 校倉書房 1989)
『地名語源辞典 続』(山中襄太著 校倉書房 1979)
『日本地名の語源』(石渡信一郎著 三一書房 1999)
『新横須賀市史 通史編 自然・原始・古代・中世』(横須賀市編 横須賀市 2012)
『苗字と地名の由来事典』(丹羽基二著 新人物往来社 2006)
『地名用語語源辞典』(楠原佑介、溝手理太郎編 東京堂出版 1983)

インターネット、データベースの最終アクセス日時は2015年8月14日。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日本史  (210 9版)
日本  (291 9版)
参考資料
(Reference materials)
『国東半島の地名あれこれ 一つの無形の文化遺産』(酒井富蔵著 第一法規出版 1980)
『日本歴史地名大系 34 岡山県の地名』(平凡社 1988), ISBN 4-582-49034-4
『奈良の地名由来辞典』(池田末則編 東京堂出版 2008), ISBN 978-4-490-10735-7
『日本歴史地名大系 14 神奈川県の地名』(平凡社 1984), ISBN 4-582-49014-X
キーワード
(Keywords)
地名
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
地名
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000198490解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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