レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/04/22
- 登録日時
- 2016/06/25 00:30
- 更新日時
- 2016/06/25 00:30
- 管理番号
- 6001015396
- 質問
-
解決
昭和24(1949)年1月22日に山階鳥類研究所で催された哺乳動物談話会において、広島文理大学の阿部余四男教授がオオカミとされる毛皮を持参したという事例がある。この事例について記載のある資料を探してほしい。
- 回答
-
・図書
(凡例)
『タイトル』(著者等 出版者 出版年月
『日本の犬と狼』(斎藤弘吉/著 雪華社 1964)
p.244-245に、「昭和十一年阿部余四男氏が動物学雑誌に狸の仔を日本狼の仔とまちがって発表したことや、昭和二十五年の哺乳動物学会に、同氏が和歌山県で捕らえた野犬の毛皮を、狼のものとして持参したことがあった。しかし、いずれもほんとうの狼のものではなかった」と記されています。
『狼:その生態と歴史』(平岩米吉/著 動物文学会 1981.7)
p.271-272に、「(6)阿倍教授が持参した毛皮」という見出しで、「昭和二十三年一月二十六日夜、奈良県吉野郡下北山村のあるハンターの飼犬「クロ」が喧嘩をして咬み殺される事件があったが、その相手の犬があまり兇暴なので、あるいは、これは狼ではないかというので、その毛皮を、広島文理大の阿部余四男教授が、翌二十四年一月二十二日、山階鳥類研究所で催された、「哺乳動物談話会」(日本哺乳動物学会の前身)に持って来た」と記されています。
『オオカミ追跡18年:ニホンオオカミはまだ生きている』(斐太猪之介/著 実業之日本社 1972)
p.235-238に、「昭和二十三年冬、奈良県吉野郡のある大工がシカ猟で大天狗岳の尾根の北東側にある岸壁で犬のような動物に遭遇し、これをオオカミとおもって 毛皮を剥いで持ち帰って大事に保管していた。吉野郡の高校教師がこれを聞きつけ自分の兄に話し、その兄が、保管していた大工に掛け合った末、借り出して阿部教授に連絡。阿部教授の助手が持ち帰った」と記されています。
・雑誌
(凡例)
『掲載誌タイトル』巻(号)(発行者 発行年月)
『科学朝日』 29(7)(朝日新聞社 1969.7)
p.104-108に、今泉吉典「ナゾに包まれるニホンオオカミ:新しい視野でこの〝珍獣"の追及を」という記事があり、「戦後間もない1950年ごろ広島大の阿部余四男教授が、大台ケ原で捕獲されたというオオカミらしい毛皮1枚を持って上京、ほ乳動物学会例会に提示されたことがあった」と記されています。
<インターネット>
「三峰フォーラム ニホンオオカミのその後」(NPO法人ニホンオオカミを探す会)(2016/04/22現在)
http://www.geocities.jp/canisyagi/wanted/mitumine.html
リンク先ページ下部にある「三峰フォーラム」をクリックしていただくと、PDFファイルが開きます。p.8-10に、お問合せの毛皮についての記述があります。
[事例作成日:2016年4月22日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 哺乳類 (489 8版)
- 参考資料
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- 日本の犬と狼 斎藤/弘吉∥著 雪華社 1964 (p.244-245)
- 狼 平岩/米吉∥著 動物文学会 1981.7 (p.271-272)
- オオカミ追跡18年 斐太/猪之介∥著 実業之日本社 1972 (p.235-238)
- 科学朝日 朝日新聞社 朝日新聞社 29(6-9) (29(7)p.104-108)
- http://www.geocities.jp/canisyagi/wanted/mitumine.html (「三峰フォーラム ニホンオオカミのその後」(NPO法人ニホンオオカミを探す会)(2016/04/22現在))
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000193898