レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/06/13
- 登録日時
- 2009/01/23 02:11
- 更新日時
- 2009/01/27 13:14
- 管理番号
- 埼久-2008-032
- 質問
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解決
アブラムシの好む植物を探してほしい。他の野菜類に寄り付かないようにしたいので。園芸関係のテレビ番組でそのような植物があると聞いた覚えがある。
- 回答
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アブラムシがつく植物が紹介されている資料、およびアブラムシの防除効果のあるコンパニオンプランツ(一緒に植えると互いによい影響を与える植物)が紹介された資料を提供した。
1 アブラムシがつく植物が紹介されている資料
『日本のアブラムシ』
p18-110「主要な植物とアブラムシの種類」に樹木・果樹・野菜など種類ごとの植物とそれにつくアブラムシの種類が多数紹介されている。
『校庭のクモ・ダニ・アブラムシ 野外観察ハンドブック』
p178-202にアブラムシの各種類の解説があり、そのなかに寄生する植物について記載あり(主に樹木と雑草)。
『アブラムシの生物学』
「第6章 寄生植物に対する対応」の中の〈寄主特異性〉〈寄主転換〉の項にアブラムシの寄生植物に対する適応の様式が解説されているが、記述は専門的。
2 コンパニオンプランツに関する資料
『コンパニオンプランツ-農薬に頼らない家庭菜園』
コンパニオンプランツとは「一般的に、一緒に植えると、つまり混植すると互いによい影響を与え合う植物同士」のことで、「天敵を集め育てたり、病害虫を防除してくれる関係もコンパニオンプランツとなります」(p6より)とあり、p8-79「コンパニオンプランツの組み合わせ方と育て方」に31通りの組み合わせが紹介されている。その中でアブラムシについて記述のあったのは次の例。
p22-23「トマト+ラッカセイ」
「ラッカセイにアブラムシが寄生することがありますが、天敵の餌となり、バンカープランツ(天敵温存植物)の役割をします。」とあり。
p30-31「春キャベツ+ソラマメ」
「4月ころ、ソラマメにアブラムシが寄生したら、ソラマメの芯を止めます。こうすると、アブラムシが増殖せず、ソラマメの被害を防げます。」とあり。
p36-37「夏キャベツ+シロツメクサ」
「シロツメクサ(別名クローバー)にはアブラムシやヨトウムシが寄生しますが、害虫は放置しておきます。こうすると害虫を餌に天敵が集まり増殖します。これが、キャベツを害虫から守ります。」とあり。
p48-49「夏まきダイコン+マリーゴールド」
「アブラムシがマリーゴールドに多く寄生するようなら、花を摘み取ります。」とだけあり。
p52-53「タマネギ+クリムソンクローバー」
「クリムソンクローバ-の花には、タマネギの害虫であるスリップスやアブラムシが集まり増殖します。次に、天敵がこれを餌に繁殖して、タマネギをスリップスやアブラムシから守ります。」とあり。
また、次のような記述もあり。
p20-21COLUMN01「害虫を退治する天敵」
アブラムシの天敵についても記述あり。
p94「バンカープランツ早見表」
アブラムシの天敵をふやすものとされているのは「イヌガラシ」「イヌホオズキ」「カラスノエンドウ」「スカシタゴボウ」「ソラマメ」「ヨモギ」
『共栄植物とその利用』
p23「ABC順に配列した共栄関係」の〈アブラムシの類〉に「ノウゼンハレンをブロッコリの近くに植えると、ブロッコリにアブラムシはつかない。」とあり。また、p86〈害虫〉にアブラムシの拮抗植物として「ノウゼンハレン、ミドリハッカ、イラクサ、サザン・ウッド、ニンニク」があげられている。
『現代農業 2006.6』
p99-102「ニンニクを一緒に植えたら、農薬でも効かなかったイチゴ゙のアブラムシが消えた」(善財幸雄)イチゴとニンニクを一緒に植えたらアブラムシが発生しなくなったという事例
p106-111「ソルゴー障壁栽培でアザミウマ、アブラムシ防除が三分の一」(小宅要)ナスの栽培のためにソルゴーを障壁栽培する事例。(ソルゴーによりナスのアブラムシ、アザミウマが防除できる)
『現代農業 1996.5』
p200-227「知って得するコンパニオンプランツ大集合!!」に「相性のいい作物虫よけ病気よけを頼んじゃおう」に「スイートバジルがブロッコリーのアブラムシ、アオムシ半減」とあり。
『現代農業 1990.6』
p224-226「虫よけ病気よけコンパニオン・プランツ(共栄作物)」に「害虫よけ病気よけハーブ(香り草)・花一覧」に次の植物について記述あり。
「アニス:アブラムシを防ぎ、ハチを招く」「キンレンカ:アブラムシを誘引し、・・(中略)・・を防ぐ。キャベツ、キュウリ、トマト、ラディッシュ、果樹と相性がよい。」「チャイブ:アブラムシを防ぐ。ニンジンの生育を助け、風味をよくする。リンゴの根元に植えると、黒星病を防ぐ。バラにはよい。」「ニンニク:バラ、ラズベリー、トマト、果樹に有益である。果樹の根元を囲んで植えると、キクイムシ、スカシバなどの樹皮の下にもぐりこむ虫を防ぐ。ニンニクのスプレー液は、アブラムシその他の多くの害虫と病気に有効である。」「ペチュニア:ヨコバイ、アブラムシ、豆類の害虫を防ぐ。」「ワームウッド:モンシロチョウ、ニンジンバエ、ノミトビムシ、アブラムシなど、多くの虫や蝶を追い払う。(後略)」
『現代農業 1990.5』
p183-198「自家用野菜特集第1弾 世界中の知恵を集めて病害虫よけ!共栄作物(コンパニオンプランツ)」に「オーストラリア農民の知恵」の中にニンニクがアブラムシを遠ざけるとあり。
『図説野菜の病気と害虫』
p220-〈アブラムシ類〉のなかにワタアブラムシ、マメアブラムシ、ユキヤナギアブラムシ、モモアカアブラムシ、ダイコンアブラムシの項目あり。それぞれの項目の中の「栽培管理」の項に防除する植物の記述あり。
『朝日新聞 2004年7月9日 夕刊』
p3の北海道3面に「コンパニオンプランツ(花と緑と 種まく私たち/北海道)」という記事あり。「マリーゴールドはアブラムシ、温室コナジラミ等を寄せ付けない。」「ローズマリー、ニンニク、ニラ、ラベンダーはアブラムシを寄せ付けない。」「ナスタチウムはアブラムシ予防」という記述あり。
- 回答プロセス
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自館目録を〈アブラムシ〉で検索。アブラムシのつく植物の紹介された資料あり。害虫関係資料には記述なし。さらに園芸関係の図書・雑誌にあたる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 昆虫類 (486 9版)
- 農業基礎学 (613 9版)
- 参考資料
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- 『日本のアブラムシ』(宗林正人 ニュー・サイエンス社 1983)
- 『校庭のクモ・ダニ・アブラムシ 野外観察ハンドブック』(浅間茂 全国農村教育協会 2001)
- 『アブラムシの生物学』(石川統 東京大学出版会 2000)
- 『コンパニオンプランツ-農薬に頼らない家庭菜園』(木嶋利男 家の光協会 2006)
- 『図説野菜の病気と害虫』(米山伸吾 農文協 2005)
- 『現代農業 2006.6』
- 『現代農業 1996.5』
- 『現代農業 1990.6』
- 『現代農業 1990.5』
- 『現代農業 2000.4臨増』
- 『朝日新聞 2004年7月9日 夕刊』
- キーワード
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- あぶらむし
- 農業昆虫学
- 動物学-昆虫
- 植物-コンパニオンプランツ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000051026