レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年3月2日
- 登録日時
- 2017/03/10 17:16
- 更新日時
- 2018/08/16 14:38
- 管理番号
- 相大-H28-068
- 質問
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解決
『日本会議の研究』(扶桑社)が出版差止めになった裁判の判決文が知りたい。
- 回答
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今回のケースは、訴訟の判決が出たわけではないため、そもそも判決文が存在しないことを説明した。
情報として判例秘書INTERNETに載っていた判決ダイジェストのダイジェスト文を閲覧していただいた。
- 回答プロセス
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①インターネット情報やウェブ・データベース「聞蔵」より、東京地裁が2017年1月6日に販売差し止めを命じる仮処分決定を出したことがわかる。
②ウェブ・データベース「D1-law」、「官報情報検索サービス」及び東京地裁のホームページで検索するが該当なし。
③上記①より2017年1月6日に仮処分決定を出したことが判明したので、官報を探す。
官報>公告>裁判所欄に該当なし。
④仮処分の意味を確認するため、法律関係の参考資料を調べる。
『国民法律百科大辞典1 アーカ』 伊藤正巳(他)編 ぎょうせい 1985 【s06531792 R320.3】
p567-569 「仮処分」の項を確認。
『新法律学事典 第三版』 竹内昭夫/(他)編 有斐閣 1989 【s07419134 R320.3】
p178「仮処分命令」の項を確認。
「~口頭弁論を経ない場合は決定、経た場合は判決である。~」と記載あり。
今回は「決定」のため口頭弁論なしであったと考えられる。
さらに「口頭弁論」を調べる。
『新法律学事典 第三版』 竹内昭夫/(他)編 有斐閣 1989 【s07419134 R320.3】
p435「口頭弁論」の項に
「判決をするには、原則として必ず口頭弁論を経て、これに現れた訴訟資料だけをその基礎としなければならない」の記載あり。
今回は訴訟での判決ではないため、D1-lawや東京地裁のホームページには出ないと思われる。
⑤インターネットHP「判例秘書」の情報を確認する。
TOPに判決ダイジェストの項あり。
日付で探す。
判決ダイジェスト2017.1.6に"新書本記載名誉棄損差止等仮処分申請 販売差止等仮処分決定"があり、本件がダイジェストで記載されていた。
http://www.hanreihisho.com/user-cgi-bin/digest/judgelist.cgi (最終確認2017.3.11)
⑥その後、扶桑社は当面の措置として、指摘箇所(第六章(289頁)の36字)を抹消した修正版を販売するというお知らせを発表した。
注:【 】は自館の資料コードと請求記号
- 事前調査事項
- NDC
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- 法律 (320)
- 参考資料
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- 『国民法律百科大辞典1 アーカ』 伊藤正巳(他)編 ぎょうせい 1985
- 『新法律学事典 第三版』 竹内昭夫/(他)編 有斐閣 1989
- キーワード
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- 出版差止め
- 仮処分
- 口頭弁論
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 裁判
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000211458