レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/9/25
- 登録日時
- 2011/02/24 02:08
- 更新日時
- 2011/07/07 11:43
- 管理番号
- 愛知県図-02851
- 質問
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解決
昭和24年からの固定相場で1ドルは360円と決められたようだが、正確にはいつからそれを使っていたのか、年月と根拠が知りたい。
- 回答
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資料1に「昭和二四年四月二三日、司令部は一ドル三六○円の単一外国為替相場の設定を発表し、これは四月二五日から実施となった」との記述があります。
また、経済産業省のHP内白書データベース(http://www.meti.go.jp/hakusho/index.html最終確認:平成23年3月9日)の「通商白書昭和24年(総論)」の四章「通商に関する諸問題」の文中には、「単一為替レートは、去る四月二十五日以降、一弗三六〇円として設定された。」とあります。
ただし、いずれも根拠になっているものが明確ではありません。
資料2には「24年4月23日、連合国最高司令部は「日本円に対する公式為替レートの樹立」と題する覚書を日本政府に発した。」とあります。この覚書の第1項に「日本政府は一九四九年四月二十五日午前零時より一米弗に対し日本円三六○円の公式外国為替レートを実施するに必要な措置をとるように茲に指令する」とあり、この指令が元になっていることがわかります。
また、資料3に「昭和24年度予算案成立3日後の4月23日,総司令部は「日本円に対する公式レートの樹立」(SCAPIN 1997)の覚書を発し,4月25日より1ドル360円の公式レートを実施するための必要な措置を採ることを指令した。これに基づいて,4月25日,「外国為替相場指定」(大蔵省告示237)が公布され,その後,46年8月まで続いた360円レートがスタートしたのであった。」とあります。
官報を確認したところ、昭和24年4月25日の官報第6683号に「大蔵省告示第二百三十七号」があり、アメリカ合衆国通貨一ドルにつき邦貨三六○円という指定が記載されていました。
なお、覚書の全文については資料4に和文の収録があります(英文は資料5に収録とあるが当館所蔵なし)。
- 回答プロセス
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「固定為替相場」「1ドル 360円」「単一為替レート」などのキーワードでインターネット検索をすると下のような論文が見つかった。
立脇和夫「占領期日本の対外経済関係と外国為替銀行(下)」早稲田商学.372号(1997.3).p.33-74
白鳥圭志「戦後復興期における単一為替レートの設定」一橋大学21世紀COEプログラムワーキングペーパー.No.29(2006.6)
論文中の記述や参考文献により書籍を参照し回答に至った。
- 事前調査事項
- NDC
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- 財政史.事情 (342 9版)
- 参考資料
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- 資料1『昭和財政史 終戦から講和まで』第15巻(東洋経済新報社,1976)p.357 (1102151180)
- 資料2『日本銀行百年史』第5巻(日本銀行,1985)p.256 (1101673706)
- 資料3『通商産業政策史』第4巻(通商産業調査会,1990)p.345-346 (1106910133)
- 資料4『「昭和財政史 終戦から講和まで』第17巻(東洋経済新報社,1981)p.86-87 (1102151205)
- 資料5『日本占領及び管理重要文書集』 第3巻(東洋経済新報社,1949)p.61-62 (所蔵なし)
- キーワード
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- 固定為替相場
- 単一為替レート
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000080650