レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年11月27日
- 登録日時
- 2018/12/09 10:38
- 更新日時
- 2018/12/09 10:38
- 管理番号
- 2018-0052
- 質問
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解決
谷文晁(たに ぶんちょう)が描いた犀の絵が見たい。
- 回答
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『江戸時代の蘭画と蘭書 上巻』磯崎康彦/著 ゆまに書房 2004年 721.8I p.669
図は小さいが解説が詳しく、こちらが適当と思われる。
- 回答プロセス
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① インターネット検索。キーワード:「谷文晁 犀」
a.東京文化財研究所HP
東文研アーカイブ『美術画報』所蔵図版データベースにてヒット。
http://www.tobunken.go.jp/materials/gahou/211269.html
『美術画報 二十編巻六(1905年12月18日)』に掲載。画像あり。
b.「デューラーの犀」というキーワードがヒットしたので、中身を見る。
→ゆまに書房HP
『江戸時代の蘭画と蘭書 上巻』紹介ページ
http://www.yumani.co.jp/np/isbn/9784843311622
「第8章犀の図像的変遷-藤正範の「犀」と谷文晁の「犀」-
(江戸時代以前の犀/規範となった犀の図像/ヨンストン著『動物図譜』の犀
/江戸時代の犀図)」という項目あり。
→自館には未所蔵の資料のため、佐賀県立図書館より取り寄せて中身を確認。
p.669に谷文晁の犀の図あり。内容から以下のことが分かった。
・ポルトガル人のマラッカ占領によって、インド犀が珍品としてポルトガルの首都リスボンに陸揚げされた。
・そのインド犀は法王への贈り物として再度船積みされたが、風のために沈没。浜に打ち上げられた犀は、はく製にされた。
・ドイツ人画家のアルブレヒト・デューラーは、友人宅で観たリスボン出身の無名の画家が描いた犀の素描を見て写り、それがすぐに木版画となって公刊された。
・デューラーの犀は剽窃され、ヨンストン著『動物図譜』にも使用された。
・ヨンストン著『動物図譜』は寛政3年(1663年)にオランダ商館から幕府に献上された。
こうして日本に入ってきた『動物図譜』を模写したものが、谷文晁の犀の図である。
② 自館資料 キーワード「谷文晁」:1件
・『若冲』澤田瞳子/著 文藝春秋 2015年 913.6サワ…小説なので該当せず。
・『原色日本の美術19 改訂3版 南画と写生画』小学館 1994年 708.9ゲ19
…谷文晁の作品は掲載されているが、該当資料なし。
③ 参 考:アルブレヒト・デューラー「犀」
・『はじめてであう絵画の本2 デューラー』アーネスト・ラボフ/著
あすなろ書房 1995年 K723ラ p.18
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000247978