○Web情報により、使い分けは外モンゴルが「ゲル」、内モンゴルが「パオ」となっており、「ゲル」がモンゴル語で「パオ」が中国語である。
○『総合百科事典ポプラディア』(ポプラ社 2002.3)では、「パオ」は「ゲル」へ参照されている。
<所蔵絵本より>
○『スーフと馬頭琴』(藤公之介/再話 アルタンホヤグ=ラブサル/絵 三省堂 2010.5 )
「ゲル」が出てくる。「モンゴルの北の草原」にスーフが住んでいるという記述もある。
○『モンゴルの白い馬』(原子修/作 たかたのりこ/絵 柏艪舎 2006.7)
「ゲル(家)」という記述が出てくる。英語モンゴル語中国語併記。
○『モンゴルの白い馬』(王敏/文 李暁軍/絵 小峰書店 小峰書店 1990.12)
「中国の内モンゴルの」、解説には「テントのような包(パオ)に住み」という記述がある。
○『スーホの白い馬:モンゴル民話(日本傑作絵本シリーズ)』(大塚勇三/再話 赤羽末吉/画 福音館書店 1967.10)と『こどものとも復刻版:スーホのしろいうま』(大塚勇三/やく 赤羽末吉/え 福音館書店 1996.12)であるが、
どちらの絵本にも、住居の記述は出てこない。
○こどものともの解説には、「モンゴルの民話”馬頭琴”を翻訳し、幼年向きに再話した」とあり、また、モンゴルについて「現在のモンゴル人民共和国や中華人民共和国の一部の地域をさす」とある。
○『モンゴルのしろいうま:モンゴル民話より(キンダーおはなしえほん傑作選28)』(槙晧志/文 水沢泱/絵 フレーベル館 1978)
住居を表す記述はない。
<昔話集・民話集>
○『子どもに語るモンゴルの昔話』(蓮見治雄/訳・再話 こぐま社 2004.11) に「草原の白い馬」という似た話が出てくるが、この話では「ゲル」と書かれている。解説などを見ても、伝承地域については触れられていない。(p155)
○『世界の民話9 アジア1』(小沢俊夫/編 ぎょうせい 1979)では「馬頭琴はどのようにしてでき上がったか」がモンゴルに分類されており、「テント」と書かれている。(p100)
<研究書など>
○『赤羽末吉の絵本:画集』(赤羽末吉/絵 講談社 2010.5)には、この絵本を描くにあたって、赤羽氏が終戦の2年前に内蒙古(内モンゴル自治区)を取材したとある。(p76)
○『この本読んで!5(4)<17>』(出版文化産業振興財団 2005.12)で松居直は、「中国の昔ばなし集にあった馬頭琴のおはなしを絵本にした」と言っている。(p5)
○雑誌記事索引、Cinii等で、適当な雑誌記事が見つからず。
○確認した資料
『「スーホの白い馬」への旅:世界は友達・エスペランチスト山本辰太郎(PHP愛と希望のノンフィクション)』(和田登/作 PHP研究所 1994.7 )
『スーホの白い馬に会ったよ:天国のやっちゃん、モンゴルにいく』(かまだしゅんぞう/作・写真 ハート出版 2002.1 )
『世界の国ぐに 民話と風土 12 中国・モンゴル・韓国』(学研 1990.4 )
『世界むかし話 [4] 中国 2』(ほるぷ出版 1988.8 )
『体験取材!世界の国ぐに 13 モンゴル』(ポプラ社 2007.3 )
『モンゴルのむかし話:大草原に語りつがれる』(Ch.チメグバータル/監修 PHP研究所 2009.8 )
○貸出中のため確認できなかった資料(「スーホの白い馬」収録)
『朗読劇台本集2』(岡田陽/編 玉川大学出版部 1996.4 )
『母と子のおやすみまえの小さなお話365』(千葉幹夫/編著 ナツメ社 2009.10 )
『365日のベッドタイム・ストーリー:世界の童話・神話・おとぎ話から現代のちょっと変わったお話まで』(クリスティーヌ・アリソン/編著 飛鳥新社 2005.12)