レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年3月14日
- 登録日時
- 2014/03/20 12:59
- 更新日時
- 2014/03/28 16:26
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中-郷土-67
- 質問
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京都市伏見区にある石峰寺(せきほうじ)の五百羅漢について知りたい。
- 回答
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石峰寺は,江戸時代中期の宝永年間,黄檗山万福寺の第6世千呆(せんがい)禅師によって創立された禅寺で,本堂裏山には,五百羅漢と呼ばれる石仏群があります。これらの石仏は,晩年に石峰寺の門前に住んだ江戸時代の画家・伊藤若冲が下絵を描き,石工に彫らせたといわれています。石材には,京都の北白川産の花崗岩「白川石」が使われました。
石峰寺の石仏群は,五百羅漢と呼ばれていますが,羅漢像だけでなく,釈迦像を中心に,十大弟子や地蔵,牛などの動物の像が並び,釈迦誕生からはじまり,釈迦の臨終の場の涅槃光景,賽の河原の場面まで,釈迦の一代記を表現しています。現在は520体あまりとなっていますが,完成当時には千体以上あったとされています。
五百羅漢がいつ完成したのかについては,諸説あり,正確なものはわかっていないようです。安永の中ごろから天明のはじめごろに作られたという説(【資料5】【資料6】)や,天明8年(1788)の京都大火以後も追加され,寛政6年ごろには完成していたという説(【資料8】【資料9】)があります。
- 回答プロセス
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●京都の寺院,石峰寺に関する資料から…【資料1】【資料2】
【資料2】…石峰寺の写真集。p66~67に「石峰寺図」,巻末に「深草百丈山石峯禅寺石像五百羅漢」と書かれた図版あり。
●伏見・深草の歴史から…【資料3】
●石仏・石造美術から…【資料4】~【資料7】
【資料7】…p197に「五百羅漢図」があり,【資料2】の「深草百丈山石峯禅寺石像五百羅漢」と同じもの。
p190の説明によると,原図は若冲の筆で,石像完成当時に印刷されたもの。
大正4年の寺の火災で版木が焼失したものを,再刻したものとある。
(【資料8】p142にも同様の説明あり。)
●伊藤若冲に関する資料から…【資料8】【資料9】
●新聞記事スクラップを確認…【資料10】
- 事前調査事項
- NDC
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- 仏像 (718)
- 石彫 (714)
- 参考資料
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- 【資料1】『京都・山城寺院神社大事典』(平凡社 1997) p412
- 【資料2】『石峰寺 若冲 五百羅漢』(水野克比古/著 芸艸堂 2013) p68~69 “石峰寺と若冲”
- 【資料3】『深草を語る』(深草を語る会/著 深草記念会 2013) p69~72
- 【資料4】『京都美術大観 [9] 石造美術』(中野楚渓/編纂 東方書院 1933) “76 石峰寺石佛群”
- 【資料5】『京都の石仏』(清水俊明/[著] 創元社 1977) p193~198
- 【資料6】『私の仏像 上』(東洋文化社 1976) p134~136
- 【資料7】『羅漢』(梅原猛/文 淡交新社 1968) p190~202,図版58~66
- 【資料8】『季刊銀花 第27号』(文化出版局 1976) p138~145
- 【資料9】『日本の美術 No.256 伊藤若冲』(至文堂 1987) p65~66,74,78
- 【資料10】『京都新聞 2013年6月24日 連載記事 “野仏に出会う 12 石峰寺の五百羅漢(京都市伏見区)”』
- キーワード
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- 石峰寺
- 五百羅漢
- 石仏
- 石造美術
- 伊藤若冲
- 伏見
- 深草
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000150970