レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/05/17
- 登録日時
- 2017/06/15 00:30
- 更新日時
- 2019/08/23 14:55
- 管理番号
- 6000033884
- 質問
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解決
「一寸木」と書いて、「チョッキ」と読む苗字の由来が知りたい。
- 回答
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「一寸木」と書いて、「チョッキ」と読む姓は、武田信玄からもらった「増樹」(マスキ)姓が元であるという説のほか、
武田五郎信光の末男十郎光經・分流して称した増坪氏が祖先であるという説、
武田氏家人の増城源八の子孫であるという説などをご紹介した。
- 回答プロセス
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▽『日本姓氏大辞典 表記編』(角川書店)をひく
「一寸木」の項目に、チョッキの読みが紹介されている。一寸木(チョッキ)の姓氏分類は「当て字型」(当て字を用いた姓氏)と事象型(事柄、出来ごと、曰くなどから起こった姓氏)を併有するとだけある。
「一寸木」の読みは他にイスキ、チョウキ、チョットキ、チョットギ、マスキ、マスギ、マツキなどが挙げられている。(P.34)
なお『日本姓氏大辞典 解説編』(角川書店)には「一寸木」について記載なし。
▽『姓氏家系大辞典』(角川書店)をひく。
『姓氏家系大辞典 第二巻(キ~ト)』(角川書店)で「チョッキ」をひくが、項目なし。そこで上記の『日本姓氏大辞典 表記編』の「一寸木」の他の読みで調べると、第三巻(ナ~ワ)に「一才木」と書いて「マスキ」と読む姓氏が立項されているが解説はなし(P.5562)。
なお『新編 姓氏家系辞書』(角川書店)には「一寸木」に関する記載なし。
▽分類288の書架を確認する。
●『日本人のルーツがさぐれる…の苗字辞典』丹羽 基二/著 ベストセラーズ1994(288.1)
→「一寸木」の項目あり。読みは「チョッキ・マスキ」とある。神奈川県で会った一寸木姓の人物から聞き取った姓氏の由来が採録されている。チョッキのもとはマスキであり、本字は武田信玄から城を増やせという意味でいただいた「増樹」であるが、天目山で武田氏が滅んだときに祖先が「増木」に変え、その後さらにカモフラージュのために一寸木に改めた、祖先は武田五郎信光である、という説が紹介されている(P.164)。
再度、『姓氏家系大辞典』(角川書店)で「マスキ」をひくと、「増木」の項目に、マシキ條を見よとある(P.5562)。
「増木(マシキ)」の項目を参照すると、読みとして「マシキ」「マスキ」が挙げられ、「武田五郎信光の末男十郎光經・分流して増坪氏を稱す。子孫代々、武田氏の家臣たり」(P.5555~5556)とある。その後増坪を増松、増木と改めたとある。
また一説として、「当氏は武田氏の家人 増城源八の子孫。浪人して、増城を増木と改めしとも云ふ」(P.5556)ともある。増木から「一寸木」への変化については言及なし。
▽県別の姓氏辞典を確認する。
・『角川日本姓氏歴史人物大辞典 20 長野県姓氏歴史人物大辞典』
・『角川日本姓氏歴史人物大辞典 14 神奈川県姓氏家系大辞典』
→ともに「一寸木」、「増木」、「増城」などの記載なし。
▽武田氏家臣を辞典で確認する。
『戦国大名家臣団事典 東国編』(新人物往来社)
『武田氏家臣団人名辞典』(東京堂出版)
→ともに「一寸木」、「増木」、「増城」などの記載なし。
なお『姓氏家系大辞典』(角川書店)の「一才木」(マスキ)について、『日本姓氏大辞典 表記編』で調べてみたが該当の姓氏はなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 系譜.家史.皇室 (288)
- 参考資料
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- 『日本姓氏大辞典表記編』 丹羽 基二/著 角川書店
- 『日本人のルーツがさぐれる…の苗字辞典』 丹羽 基二/著 ベストセラーズ
- 『姓氏家系大辞典 第3巻』 太田 亮/編 角川書店
- キーワード
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- 姓氏(セイシ)
- 一寸木(チョッキ)
- 武田氏(タケダシ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000217322