レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年02月24日
- 登録日時
- 2019/02/24 15:29
- 更新日時
- 2020/12/28 20:50
- 管理番号
- 塩尻537
- 質問
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解決
辺見庸の著作に影響を与えた作家を失念したが、その作品を読みたい。
- 回答
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お探しの作家は中島敦と思われる。
『中島敦全集3』筑摩書房(ちくま文庫)に入っているセトナ皇子(仮題)を紹介する。
p324「妙な考えが浮かんだ。初めにヌーが何故あったか?無くても一向差支えなかったのではないか。」
p325「エチオピアの金糸蛇の長い尾のように、何故在ったか。無くても良かったろうに。何故在るか、無くても良いだろうに」
- 回答プロセス
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NHK-Eテレ『こころの時代~宗教・人生~「”在る”をめぐって」』に辺見庸氏がゲスト出演していることがわかる。
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これを手掛かりに、中島敦の『牛人』と目星を付ける。
本館所蔵のCD『山月記』に収録された牛人のあらすじをお伝えしたところ、作家名は中島敦でよいが内容が食い違う。お探しの作品の障りは、”なぜ存在するか、存在はあるからあるのであって、なくてもよい”云々。
中島敦『牛人』あらすじ・・・牛に似た怪奇な容貌を持って生まれた豎牛は病気の父を騙し、二人の義兄を陥れる。古代中国の魯を舞台にした伝記的小説。
辺見庸『月』あらすじ・・・相模原の障がい者19人殺害事件に着想した、大量殺人の静かなる物語。
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お話を伺う中で、ヒントとして原稿用紙にして3~4枚の短編か?中島敦の全集をあたることにする。
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本館所蔵のちくま文庫に中島敦全集3巻あり。各巻の内容細目を確認する。
1巻、暄嘩 (295-303) 朱塔 (429-436) 2巻、該当なし 3巻、名人伝 (113-124) 章魚木の下で (125-129) セトナ皇子 (323-326)
- 事前調査事項
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辺見庸が出演したNHK番組で、最新作『月』に影響を与えた作家がいるとの発言があった。『月』は相模原の障がい者施設殺傷事件に端を得た小説。
- NDC
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- 作品集 (918)
- 参考資料
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中島, 敦, 1909-1942. 中島敦全集 3. 筑摩書房, 1993. (ちくま文庫)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002264249-00 , ISBN 448002753X
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中島, 敦, 1909-1942. 中島敦全集 3. 筑摩書房, 1993. (ちくま文庫)
- キーワード
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- 辺見庸
- 中島敦、山月記、牛人
- 中島敦全集
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000252090